闇の聖女は夜輝く

闇の聖女は夜輝く

光と闇、相反する二人の聖女。召喚されたその真実とは──


日本人カグヤは異世界で暗殺の危機に見舞われた。双子のテルサが魔力鑑定で『聖女』と認定されたのに対し、カグヤの魔力は皆無とされた。そんな彼女の暗殺をテルサは栄耀教会に依頼、かくして聖騎士団が差し向けられたのだった。

しかし、絶体絶命の窮地でカグヤの秘めたる力が解放。突如として地下の墓所へ転移し、葬られていた大昔の騎士ダスクをヴァンパイアとして意図せず復活させてしまった。

「だれ、だ……きみ、は……?」
「わ、私、は……カグヤ、です……」

協力の末、二人は栄耀教会の追撃から逃れ、魔術師一族フェンデリン家に保護された。

光の極大魔力『旭日』を宿す『聖女』テルサに瘴気を浄化させて『邪神の息吹』を終わらせ、ウルヴァルゼ帝国の覇権を握らんとするラモン教皇率いる栄耀教会。その脅威に対抗するためにフェンデリン家はカグヤを保護した。この世界で生きていくため、ダスクとフェンデリン家の助力の下、カグヤは自らの力の解明と練磨に乗り出す。

「この『望月』を以て『邪神の息吹』を終わらせ、人々を救済することこそ、この身に課せられた使命だと」

暗所でのみ解放される闇の極大魔力『望月』──時間や空間、重力を操作し、死者をアンデッド化させ、更には瘴気を吸収し尽くして『邪神の息吹』を鎮める事すら可能なその力で、カグヤは『闇の聖女』として活動することを決意。

そんなカグヤの前に立ち塞がるのは、瘴気満ちる地に蠢く変異魔物やアンデッドの大群。戦闘は不得手な彼女に代わって、ヴァンパイア最強格のダスクがそれらの脅威を排除していく。

しかし、事態は順調には進まない。魔境に君臨する史上最強の魔物、カグヤを脅威と見做して暗殺を目論むテルサと栄耀教会、そして発生する予想外の事態──カグヤたちはその全てを乗り越え、救済の使命を完遂できるのか?

『闇の聖女』カグヤと『光の聖女』テルサ。
深い因縁を持つ双子を軸に巻き起こる闘争と謀略、絡み合う人々の思惑、そして大いなる波乱を呼ぶ壮大なストーリー。

運命に選ばれし真の『聖女』は果たしてどちらか──。

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目次

序章 ~Awakening~
第Ⅰ章 明暗分かれる姉妹 ~The Doppelgangers~
第Ⅱ章 暗黒に生まれし者達 ~Out of Heaven~
第Ⅲ章 闇夜に輝く希望の月 ~Destiny Attracted by the Moon~
第Ⅳ章 光の聖女は朝照らす ~The Saint Over The RISING SUN~