神に選ばれなかった聖女は、死者の声を聞く
誰にも拾われなかった死の声を、少女は聞いてしまう。
神に選ばれなかった少女セシア・エルシオンは、死者の声を聞く。
白祈院で“選ばれる側”として育てられながら、どこにも届かないまま生き残った彼女は、ある町で「白い家」と呼ばれる不気味な施設に辿り着く。
そこでは子どもたちが名前を奪われ、番号で管理され、静かに“上”へ送られていた。
消されていく声を聞いてしまったセシアは、現実的で腕の立つ女リゼと手を組み、白い家の底へ踏み込む。
やがて見えてくるのは、白い家だけでは終わらない、北舎、本舎へと連なる選別の仕組みだった。
世界の根に触れるほど、自分自身もまたその流れの中に置かれていたと知っていくセシア。
それでも彼女は、救える名前だけは取りこぼすまいと手を伸ばす。
これは、世界を変えられなかった少女が、それでも消されるはずだった名前を守り抜く物語。
静かな祈りの底で、選ばれなかった者たちの逃走と再生が始まる。
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