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四話 今夜は控えめに言って最高でした。

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「愕然だよ。だってそのとき私、十六歳の高校二年生よ。アカウント登録に五歳上乗せしてたから、あの世界では成人扱いだったけど」  勝ち残るか、輪姦マワされるか。ゲームの中とは言え、幸福の絶頂で突然そんな究極の選択を突き付けられてしまった美少女女子高生を逸郎は想像してみた。だが貧弱な彼の経験値では、その姿を思い描くことができなかった。 「とにかくもう勝ち残るしかないって思って、それしかなかったバスタオルを裸に巻いて、恐る恐る広場に出たの。外では本当に男の人たちが待ち構えてた。つい一時間前には助け合って恐竜を倒した仲間だった殿方三名が、ギラギラした視線で私を犯そうと迫ってくる……」  両腕を交差させて自らの肩を抱くファイン。そういえば以前、本気でMMOするときはイヤホン付きのHMDヘッドマウントディスプレイを装着してるから没入感が段違いに凄いよ、と話していたっけ。こんな大事な攻略のときにフル装備を怠るファインでもあるまい。死地にも等しいこの場面に、十六歳の美少女はどんな覚悟で臨んだのだろうか。 「壮絶な戦いだったわ。だって銃も地雷も剣も弓も無いんだもの。ただただ、蹴って殴って突き飛ばして石投げて。三倍になった反応速度を限界まで使えた私は、どうにかこうにか勝てた。バスタオルはボロボロになってたたけど、不思議と大事なところだけは隠してくれてるの。なんの自主規制なのかしらね。戦ってたときはそれどころじゃなかったからどうなってたのかは知らないけど」  そう言ってから、ファインはふうと息を継いだ。固唾を飲んで聞いていた逸郎も、ほぅっと大きく息を吐いた。よかった。輪姦マワされずに済んで。 「イベント終了とともに東家あずまやの回復ブースが開いたから、すぐに飛び込んだ。ブースは一瞬閉じて、またすぐ開いたんだけど。そのときには全てのダメージが消えてて、衣装も装備もアイテムも、とにかく全部が戻ってたの。ヴァーチャルゲームって便利よね。いつもの探索ウェアの姿で広場に戻ったら、同じように元の装備を纏った男の人たちが地面に座り込んでた。誰ひとり私に目を向けようとしなかったけど」 「帰り道の気まずいこと気まずいこと。四人とも無言のまま。でも温泉への道の入口まで戻らないとログアウトもできない。往路での高揚感なんか、もう思い出すことすらできないくらい。ようやく通常のゲーム世界に戻った時、消えていく男たちのGood Luckを虚しく聞きながら私は思ったの。今度はもっと強い男たちと一緒にここに来ようって」 「同じ年の夏休みの間に三回訪れたけれど、最後はいつも私が勝って終ったわ。束になってかかってこようが、反射神経が三倍になった私には誰も敵わない。そうそう。あの三倍キャンペーンの効果は、XX Paradiseのステージでの一回こっきりだったの。XX Paradiseは、プレイヤーのスキルやステータスになんの影響も与えず、ただプレイした人の心に太い針を呑ませるだけのステージ」  手元のレモンティーを飲み干して、ファインはひと呼吸置いた。 「その年の大晦日の夜、除夜の鐘を聴きながら、私は都合五回目のエレクトサウルス討伐に出掛けたのよ。今度こそ私を組み伏せてくれるかもしれないって思えるくらい、超絶に強い三人の殿方を仲間にして」  ファインの瞳が、ミラーボールでも当てたかのようにキラキラと光っている。これがこの娘の本当の姿なんだ。 「手抜きなんてぜんぜんしなかったよ。いままでと同じように襲い掛かる手を振り払い、投げ飛ばして、最後には私だけが戦場に立っている。そのつもりで戦ってたんだけど、最後に力尽きちゃった。馬乗りにされて頬を何度も殴られた。髪を引きまわされてバスタオルを剥ぎ取れらた。手足を押さえつけられてお腹を蹴られた。もう抵抗の欠片すら残って無い。完全に私の……」  負け、とつぶやくように口にしたファインは、どういうわけなのか、最高に幸福だった時間を懐かしむ外国映画のヒロインのようだった。 「私が温泉に入ってる間に順番を決めてたみたい。見事に統制されたチームワークで両手両足押さえられた全裸の私は、大晦日の深夜、ウエストサイドストーリーに出てくるみたいな街角の煉瓦の壁と2階まで届く金網に囲まれた袋小路で、無理やり犯されて処女を散らしたの」  ファインは、脆くて大切な宝物を慈しむように破瓜の記憶を語りはじめている。レイプされたんだろ、お前。逸郎はワケがわからなくなっていた。なんで。なんでこの美少女は、手も足も出なくなるほどボロボロにされて輪姦されたという最悪の記憶をこんなにも大事そうに話すんだよ。 「リアルかヴァーチャルかなんて関係ない。私の初体験はさまざまな場所で代わる代わる、ときには三人同時に貫かれ汚されたレイプのフルコースだったの。公園の大木に顔を押し付けられて立ったまま後ろから。電車の中、両手を吊革に縛られて前と後ろを同時に。公衆トイレの個室で背後から貫かれながら横の相手のそれを手淫し、さらに便座に座るもうひとりのを口で受ける。オフィスの中で犯されたときはストッキングとスーツを着せられたよ。あの広場にあったミニステージはすべて、女を犯し凌辱する男たちのためにつくりこまれた舞台装置だったんだね。女しか観ることが許されない温泉の絶景と同じように」 「そうやって、想像できるバリエーションをすべてし尽くしたかのようなレイプを通して、言うことを聞かない私の躰の穴という穴に、何十回もヴァーチャルの精液を注ぎ込まれたよ。最後の陵辱が終わった頃には、日本では初日の出が空のてっぺんまで上がっていた」  ファインは恍惚の表情を浮かべながら、そこまでの悪夢のような体験を一気に語ってくれた。瞳がうるんでいる。逸郎の理解の範疇などはとうの昔に超え去っていた。 「通常ゲーム世界までの道すがら、黙ったままの男たちに私はテキストチャットで話しかけたの。忘れられない新年をありがとう。もし嫌でなかったら、今からビデオチャットを始めない?って」 「私を最初に貫いたリーダー格は初めは乗り気じゃなかったんだけど、しつこい私の頼みに結局折れてくれて四人でのdiscordがはじまった。もちろん全員素顔を晒して。リーダーの魔法使いはロチェスターに住むロマンスグレイの英国紳士。凄いお金持ちらしい。力自慢の大男はシンガポールで会計の仕事をしてるという真面目そうなお兄さん。銃器の専門家はカナダはオタワの化学の先生。みんな私が十七歳だってことに驚いてたし、とってもcuteだとも言ってくれたんだ。あと、みんな口を揃えて、興奮したって。今まで生きてきて、やったことはおろか想像すらしたことなかった凌辱行為が、こんなにもExcitingで爽快なことだったのかって。全てのストレスが全部吹き飛んだって。もちろん、リアルでやっちゃいけないのは当たり前だけど。そして今、蹂躙し犯しつくした相手の中身がこんなにも素敵な美少女だと知ってさらに満足が増したって言ってくれた。だから私も正直に話したよ。私まだ本物のセックスは知らないけど、押さえつけられてみんなに貫かれた今夜は控えめに言って最高でした。こんなセックスなら、私、すぐにでもリアルのヴァージンを捧げたい、って」 「別れ際に英国紳士が言ってくれたのよ。不幸なことに私は自分が百回生き直しても使い切れない大金持ちだ。もしも君たち三人が嫌でなかったら。全員を私の家に招待して今日の続きをしたいと思うんだが。もう少しだけ優しく、ね。そして、もしも未成年のJillが旅行しにくいというのであれば、三人が日本に行くのでもいい。むろん全ての経費は私が持とう。どうかね?」 「おじさま、このときから私はこの英国紳士を勝手に'おじさま'って呼んでいるんだけど、そのおじさまからの提案にみんな歓声を上げたの。でも誰よりも、私が嬉しかった。あの凌辱と歓喜の時間を共有した人たちみんなに、また愛してもらえる、犯してもらえる。しかも今度こそ、ホントにホントの私の躰で」  言葉を失っていた逸郎はそれでも掠れた声を振り絞って、肝心のことを尋ねた。 「それでそのひとたちとはどうなったの?」  満面の笑み(こんな笑顔、見たことない!)を浮かべたファインが答えた。 「来てくれたよ日本に。その年の春休みに!」



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前のエピソード 三話 ちゃんと脱げるんです、服が。それも一枚一枚、下着まで全部。

四話 今夜は控えめに言って最高でした。

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「愕然だよ。だってそのとき私、十六歳の高校二年生よ。アカウント登録に五歳上乗せしてたから、あの世界では成人扱いだったけど」  勝ち残るか、輪姦マワされるか。ゲームの中とは言え、幸福の絶頂で突然そんな究極の選択を突き付けられてしまった美少女女子高生を逸郎は想像してみた。だが貧弱な彼の経験値では、その姿を思い描くことができなかった。 「とにかくもう勝ち残るしかないって思って、それしかなかったバスタオルを裸に巻いて、恐る恐る広場に出たの。外では本当に男の人たちが待ち構えてた。つい一時間前には助け合って恐竜を倒した仲間だった殿方三名が、ギラギラした視線で私を犯そうと迫ってくる……」  両腕を交差させて自らの肩を抱くファイン。そういえば以前、本気でMMOするときはイヤホン付きのHMDヘッドマウントディスプレイを装着してるから没入感が段違いに凄いよ、と話していたっけ。こんな大事な攻略のときにフル装備を怠るファインでもあるまい。死地にも等しいこの場面に、十六歳の美少女はどんな覚悟で臨んだのだろうか。 「壮絶な戦いだったわ。だって銃も地雷も剣も弓も無いんだもの。ただただ、蹴って殴って突き飛ばして石投げて。三倍になった反応速度を限界まで使えた私は、どうにかこうにか勝てた。バスタオルはボロボロになってたたけど、不思議と大事なところだけは隠してくれてるの。なんの自主規制なのかしらね。戦ってたときはそれどころじゃなかったからどうなってたのかは知らないけど」  そう言ってから、ファインはふうと息を継いだ。固唾を飲んで聞いていた逸郎も、ほぅっと大きく息を吐いた。よかった。輪姦マワされずに済んで。 「イベント終了とともに東家あずまやの回復ブースが開いたから、すぐに飛び込んだ。ブースは一瞬閉じて、またすぐ開いたんだけど。そのときには全てのダメージが消えてて、衣装も装備もアイテムも、とにかく全部が戻ってたの。ヴァーチャルゲームって便利よね。いつもの探索ウェアの姿で広場に戻ったら、同じように元の装備を纏った男の人たちが地面に座り込んでた。誰ひとり私に目を向けようとしなかったけど」 「帰り道の気まずいこと気まずいこと。四人とも無言のまま。でも温泉への道の入口まで戻らないとログアウトもできない。往路での高揚感なんか、もう思い出すことすらできないくらい。ようやく通常のゲーム世界に戻った時、消えていく男たちのGood Luckを虚しく聞きながら私は思ったの。今度はもっと強い男たちと一緒にここに来ようって」 「同じ年の夏休みの間に三回訪れたけれど、最後はいつも私が勝って終ったわ。束になってかかってこようが、反射神経が三倍になった私には誰も敵わない。そうそう。あの三倍キャンペーンの効果は、XX Paradiseのステージでの一回こっきりだったの。XX Paradiseは、プレイヤーのスキルやステータスになんの影響も与えず、ただプレイした人の心に太い針を呑ませるだけのステージ」  手元のレモンティーを飲み干して、ファインはひと呼吸置いた。 「その年の大晦日の夜、除夜の鐘を聴きながら、私は都合五回目のエレクトサウルス討伐に出掛けたのよ。今度こそ私を組み伏せてくれるかもしれないって思えるくらい、超絶に強い三人の殿方を仲間にして」  ファインの瞳が、ミラーボールでも当てたかのようにキラキラと光っている。これがこの娘の本当の姿なんだ。 「手抜きなんてぜんぜんしなかったよ。いままでと同じように襲い掛かる手を振り払い、投げ飛ばして、最後には私だけが戦場に立っている。そのつもりで戦ってたんだけど、最後に力尽きちゃった。馬乗りにされて頬を何度も殴られた。髪を引きまわされてバスタオルを剥ぎ取れらた。手足を押さえつけられてお腹を蹴られた。もう抵抗の欠片すら残って無い。完全に私の……」  負け、とつぶやくように口にしたファインは、どういうわけなのか、最高に幸福だった時間を懐かしむ外国映画のヒロインのようだった。 「私が温泉に入ってる間に順番を決めてたみたい。見事に統制されたチームワークで両手両足押さえられた全裸の私は、大晦日の深夜、ウエストサイドストーリーに出てくるみたいな街角の煉瓦の壁と2階まで届く金網に囲まれた袋小路で、無理やり犯されて処女を散らしたの」  ファインは、脆くて大切な宝物を慈しむように破瓜の記憶を語りはじめている。レイプされたんだろ、お前。逸郎はワケがわからなくなっていた。なんで。なんでこの美少女は、手も足も出なくなるほどボロボロにされて輪姦されたという最悪の記憶をこんなにも大事そうに話すんだよ。 「リアルかヴァーチャルかなんて関係ない。私の初体験はさまざまな場所で代わる代わる、ときには三人同時に貫かれ汚されたレイプのフルコースだったの。公園の大木に顔を押し付けられて立ったまま後ろから。電車の中、両手を吊革に縛られて前と後ろを同時に。公衆トイレの個室で背後から貫かれながら横の相手のそれを手淫し、さらに便座に座るもうひとりのを口で受ける。オフィスの中で犯されたときはストッキングとスーツを着せられたよ。あの広場にあったミニステージはすべて、女を犯し凌辱する男たちのためにつくりこまれた舞台装置だったんだね。女しか観ることが許されない温泉の絶景と同じように」 「そうやって、想像できるバリエーションをすべてし尽くしたかのようなレイプを通して、言うことを聞かない私の躰の穴という穴に、何十回もヴァーチャルの精液を注ぎ込まれたよ。最後の陵辱が終わった頃には、日本では初日の出が空のてっぺんまで上がっていた」  ファインは恍惚の表情を浮かべながら、そこまでの悪夢のような体験を一気に語ってくれた。瞳がうるんでいる。逸郎の理解の範疇などはとうの昔に超え去っていた。 「通常ゲーム世界までの道すがら、黙ったままの男たちに私はテキストチャットで話しかけたの。忘れられない新年をありがとう。もし嫌でなかったら、今からビデオチャットを始めない?って」 「私を最初に貫いたリーダー格は初めは乗り気じゃなかったんだけど、しつこい私の頼みに結局折れてくれて四人でのdiscordがはじまった。もちろん全員素顔を晒して。リーダーの魔法使いはロチェスターに住むロマンスグレイの英国紳士。凄いお金持ちらしい。力自慢の大男はシンガポールで会計の仕事をしてるという真面目そうなお兄さん。銃器の専門家はカナダはオタワの化学の先生。みんな私が十七歳だってことに驚いてたし、とってもcuteだとも言ってくれたんだ。あと、みんな口を揃えて、興奮したって。今まで生きてきて、やったことはおろか想像すらしたことなかった凌辱行為が、こんなにもExcitingで爽快なことだったのかって。全てのストレスが全部吹き飛んだって。もちろん、リアルでやっちゃいけないのは当たり前だけど。そして今、蹂躙し犯しつくした相手の中身がこんなにも素敵な美少女だと知ってさらに満足が増したって言ってくれた。だから私も正直に話したよ。私まだ本物のセックスは知らないけど、押さえつけられてみんなに貫かれた今夜は控えめに言って最高でした。こんなセックスなら、私、すぐにでもリアルのヴァージンを捧げたい、って」 「別れ際に英国紳士が言ってくれたのよ。不幸なことに私は自分が百回生き直しても使い切れない大金持ちだ。もしも君たち三人が嫌でなかったら。全員を私の家に招待して今日の続きをしたいと思うんだが。もう少しだけ優しく、ね。そして、もしも未成年のJillが旅行しにくいというのであれば、三人が日本に行くのでもいい。むろん全ての経費は私が持とう。どうかね?」 「おじさま、このときから私はこの英国紳士を勝手に'おじさま'って呼んでいるんだけど、そのおじさまからの提案にみんな歓声を上げたの。でも誰よりも、私が嬉しかった。あの凌辱と歓喜の時間を共有した人たちみんなに、また愛してもらえる、犯してもらえる。しかも今度こそ、ホントにホントの私の躰で」  言葉を失っていた逸郎はそれでも掠れた声を振り絞って、肝心のことを尋ねた。 「それでそのひとたちとはどうなったの?」  満面の笑み(こんな笑顔、見たことない!)を浮かべたファインが答えた。 「来てくれたよ日本に。その年の春休みに!」



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