俺が義兄だと知った途端、妹たちの様子がおかしいんだが
血が繋がってなくたって家族なのは変わらない――はずだった。
義理の兄と暮らすことになった日常は、ある日を境に静かに歪み始める。
妹たちは以前と変わらないはずなのに、視線や距離感、何気ない言葉の端々が、どこかおかしい。
恋心を抱くことは、わがままなのか。
誰かを大切に思う気持ちは、譲るべきものなのか。
「姉」である自分と、「一人の女」である自分の間で揺れる観月は、妹・星羅のまっすぐな想いに向き合うことになる。
優しさは、時に人を縛る。
自己犠牲は、本当に正しさなのか。
家族という安全な距離の中で、踏み込んではいけない一線を意識しながら、感情は少しずつ熱を帯びていく。
抑え込んだ本音と、見ないふりをしてきた願いが交差するとき、関係はもう「元の形」ではいられない。
これは、兄妹という関係の皮を被った、
不器用で、優しくて、少しずるい恋心の物語。
静かな会話の応酬と、胸の奥に沈む感情の描写で描かれる、
“選ばないこと”と“向き合うこと”の境界線。
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