★ ★ ★ ★ ★ 優しいものたちに見守られて 本当なら、小説のおもしろさについて具体的に説明するところなのですが、これに関してはおもしろさを説明しようとするとネタバレになってしまうので、なかなか説明するのが難しい。ほのめかすレベルのことすらしたくないってぐらいです。言える範囲で説明するなら、会社のお花見×妖の組み合わせが新鮮だったことと、ワンマン社長の経営する会社にありがちな問題に対して共感できたってところです。ファンタジーが好きで、かつ心があったかくなるような展開が好きな人にはおすすめかもです。
★ ★ ★ ★ ★ 不透明さが生む恐怖 日誌の形式をとった小説で、その文章からだけでは、全容を把握することができないようになっています。ただ、ただならないことが起きている雰囲気だけはわかるようになっていて、後半になって一気にそのやばさが加速していくというかたちになっています。そして予想外のラスト。素晴らしい作品でした。
★ ★ ★ ★ ★ クラシック音楽で戦うファンタジー 実際に音楽で戦うわけではありません。でもクラシック音楽と、楽器たちが重要なファクターになっているのは間違いなくて、それがこの小説の魅力につながっているというようなかんじです。また、前世で高杉は和泉と付き合っていたのですが、和泉だけはそれを覚えていない。一方、前世から彼女に好意を持っている安芸のほうは彼女にぐいぐいアタックしていく。複雑な心情からそれを黙って見ているしかない高杉。このあたりの恋模様は見どころです。一方で悪の組織メストとの戦いの行方も気になる。見どころが多く、飽きない小説ですね。
★ ★ ★ ★ ★ 明日天気になれ、を小説にしたら 天気に一喜一憂して、明日晴れになれとかなんとか願う気持ちの背景に広がるドラマを描いたものがこの作品です。雪が降らない地域に住んでるけど病気で死ぬ前に雪が見てみたい少年とか、あられを音楽にするためにあられを待ち望むミュージシャンとか、そういった人物が出てくるわけですが、読んでいて胸が温かくなるようなお話ばかりでした。優しくて、心が温かくなるような素敵な魔法が出てくる小説が好きなタイプの人にはおすすめです。
★ ★ ★ ★ ★ ヤンデレ×ホラー この小説を読んでいて、怖さというのはあまり感じないんですね。そもそもホラー小説って怖いだけじゃだめだと思うんです。それというのも、怖いとかグロいとかだけだとただ不快なだけですから、そこにいいかんじのオチが欲しいわけです。そこへいくとこの小説というのは、ヤンデレ×ホラーというところで、死ぬほど愛されるっていう感覚と、でも愛が重い通り越して怖いっていう新感覚を提供できている。ここは非常に評価できるのではないか、と思いました。
★ ★ ★ ★ ★ 甘酸っぱい恋の芽 恋した時の心の動きとかがすごく共感できて、恋心の甘酸っぱさを感じました。で、マスカラの部分で「恋する女の子はかわいくなるってこういうことなんだ」っていう気づきがあるとともに、そのかわいくなっていく過程を花に例えた描写が素晴らしかったな、と思いました。
★ ★ ★ ★ ★ どこまでも悲しくて、虚ろ 「僕の心はからっぽなんだ」って言われたときに、だいたい、解決策を提示するか、とりあえず相槌を打つかの二択だと思うんです。しかし彼が本当に欲しかったのはそのどちらでもなく、ただ理解してもらうことだったという。これを読んで、わかる! って思う人も何人かいるでしょう。彼のモデルが作者かどうかはわかりませんが、手紙形式のリアルな心理描写が心をうついい作品でした。
★ ★ ★ ★ ★ 消えて、残る、の意味 タイトルや見出しの一文を読んだ時に、「鏡のようにそっくりな双子の話なんだな」ぐらいにしか思わないと思うんですが、最後まで読んだ時に、それの意味がずしーんとくるっていう構造になっていますね。素晴らしかったです。
★ ★ ★ ★ ★ 百人一首になぞらえた恋の掌編小説 「春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなくたたむ名こそおしけれ」百人一首の中にこういう短歌があるんですが、ざっと訳すと「春の夜の夢のように儚い腕枕に身を任せたりして、つまらない噂が立ったりしたら嫌じゃありませんか」っていうようなかんじです。その歌から連想されたかのような、幻想的で、ちょっと大人なかんじの小説となっています。
★ ★ ★ ★ ★ 一乃がかわいい。みんなかわいい この小説の魅力は、ポップでキュートなキャラクターたちにある。しかも女の子だけでなく、男の子も愛らしい。キャラクターひとりひとりがユーモラスで、個性的で、愛くるしい。そして、その個性を作者の細やかな心理描写がひきたてている。明るい雰囲気で、ポップなかんじで、読みやすいファンタジー小説が好きな人にはおすすめ。