俺の自作黒歴史カードゲームが、潰されそうなキミの逃げ場になるなんて
一人でもいい。「好き」が誰かに届く尊さを知る、全ての創作者へ
普通のスクールカーストに属する男子高校生の室井忍は、密かにカードゲームを自作するという趣味を持っていた。
ある日、その痛々しいカードを偶然見つけて一人回しをしていたのは、普段は接点のないクラスメイトで女子水泳部特待生の海風叶だった。
「何も見てないから!」と誤魔化されて逃げられ、気まずい空気を抱えたまま迎えた翌日の夏祭り。
忍は、喧騒の片隅にあるくじ引き屋で、子供たちに混じってレアカードを熱心に見つめる叶の姿を偶然見つけてしまう。
突然の激しい雨のなか、二人きりで逃げ込んだ薄暗い蔵の軒下。
いつもは明るく快活な彼女は、かつて忍と同じような遊びを故郷の兄と楽しんでいたことを明かし、不意に涙をこぼす。
「なんで、期待に応えるために、楽しかった思い出を――みんなの前で恥ずかしいって、思わなきゃいけないんだろう」
息苦しい現実、背伸びし続けるプレッシャー。
そして、もう戻れない幼い日の温かい思い出。
「やりたい遊びなら、飽きるまでやってもいいんじゃないかな。・・・・・・こっそり、だけど」
拙くて、痛くて、最高に恥ずかしい。
それでも、俺はカードゲームを作り続けることにした。
誰にも言えない秘密を共有する二人の、不器用で優しくて、ほんの少し歯がゆい青春ボーイミーツガール。
※8話以降の書き溜めはないので、 遅くとも3日に1回更新を目指します(筆が乗れば早く投稿します)
※カクヨム様、ハーメルン様でも投稿中です
新着レビュー
カードと雨が紡ぐ青春のひととき
自作カードゲームが二人の秘密の避難所になる、ほっこりした青春のひとときです。まず、手作り感が溢れるカード描写が笑いと共感を呼び、読者を引き込みます。次に、雨宿りのシーンで交わす素直な会話が、登場人物の心の揺れを優しく映し出します。最後に、部活と趣味の板挟みで悩む学生に共感できる点が魅力です。自分の好きなことを守りたい人に特におすすめです。読後には温かい余韻が心に残り、自然と笑顔になれます。切なさの余韻を味わいたい方は、ぜひ読んでみてください。
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