1
この物語は、少し未来の日本を舞台にした物語である。
かつて世界有数の先進国だった日本は、ある大きな転機を迎えた。
国のトップが下した判断が正しかったのか、それとも間違いだったのか――
今となっては誰にも分からない。
しかし結果として、日本は
「世界で一番住みづらい国ランキング」堂々の一位
という不名誉な評価を受けることになった。
それをきっかけに、日本社会は急速に崩れていく。
金を持つ者、権力を持つ者、海外にコネクションを持つ者は、早々に日本を離れた。
より友好的な国へと移住し、新しい生活を始めていった。
そして日本に残されたのは――
逃げる手段を持たない人々だった。
やがて世界は、大きな戦争へと突入する。
第三次世界大戦。
世界規模の戦争の中で、日本は敗北する。
その結果、日本は名目上こそ独立国家を保っているものの、実質的には外国勢力の影響下に置かれることになった。
国のトップはこう説明している。
「これは日本の未来のための決断であり、他国との親睦を深めるための政策だ」と。
だが多くの国民は、それを信じていない。
それはただの言い訳であり、体のいい説明に過ぎないと感じている。
すべてがそうとは限らない。
外国人の中にも、日本人と友好的に接する者はいる。
しかし現実として、日本人は少なからず迫害を受けている。
職を奪われ、居場所を奪われ、立場は次第に弱くなっていった。
現在、日本国内に住んでいる純粋な日本人は――
およそ六割。
かつての人口構成とは大きく変わってしまった。
さらに国家は、反乱や暴動を恐れてある政策を取る。
それが
国民の情報の遮断。
インターネットや通信技術など、最新の技術は基本的に制限されるようになった。
利用できるのは、特別な許可を持つ者か、金を持つ者だけ。
一般市民が使える技術は、数十年前と大差ないレベルにまで制限されている。
こうして日本は、
かつての先進国とは思えないほど閉ざされた国になってしまった。
――そしてこの物語は、
そんな時代の日本で起きた
ある事件の記録である。
裏路地の小さなバー。
その二階にある探偵事務所。
やがて彼らは、
この国の裏側に潜む
人間ではない存在の計画に関わっていくことになる。
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2
平凡なサラリーマン、田中。
いつも通りの帰宅途中、気がつくと、彼は奇妙な空間に立っていた。
白いタイル、誰もいないプール、波の立たない水面。
そこは、どこかで見たような――だが現実には存在しない場所。
出口も、時間の流れも、誰かの気配もない。
あるのは、機械的に並べられた無機質な照明と、規則的な水音だけ。
やがて彼は気づく。
この場所では、何かを得ることはできないのだと。
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3
2024年、現代日本。
時の流れとともに文明が発達し、その都度人々の生活は移り変わってきた。しかし古来より現在まで、世界中のありとあらゆる場所において、何百年経ようとも決して変わらないものがある。
死だ。
死は生きとし生けるもの、全てに平等に訪れる。
決して逃れることができない、それが死。
ゆえに人々は考える。
人は死後どうなるのだろうか。
未知なるものへの恐怖から、あるいは救いを求める期待から、さまざまな幻想を抱くが、多くの場合、このようになるはずだ。
もしも今生に何の未練もなく、怨みや後悔もないならば、天に上がって輪廻転生の輪に入るだろう。その逆ならば、地底に堕ちるだろう。
では、そのどちらにも行けない者は?
怨霊と化して、地上をさまようしかないだろう。
「冗談じゃねえ。怨霊なんて、どいつもこいつももれなくクソだ」
安倍隼人、17歳。
夢は、目立たず平穏に生きること。身長がもう10センチ伸びること。
霊を視、その声を聞き、ぶん殴れる彼は、今日も牛乳パックをすすりながら望まざる怨霊事件に巻き込まれていく――。
※こちらの作品は、ネオページで連載している作品の転載になります。
ネオページでは全6話で完結しています。
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4
由々井詩乃は詩を書くことが好きな少女だった。
だが詩乃は周囲とは馴染めず、転校先の学校でもクラスメイトと距離を置いていた。
そんな折に詩乃は、自分の詩を覗き見されたことをきっかけに高見戸美麻里と友達になる。
美麻里は詩乃の詩に興味を抱き、文化祭で詩集を販売しようと提案してきた。
はじめは美麻里の積極的なアプローチに詩乃は戸惑っていたが、やがて少しずつ心を開いていく。
どこにでもあるありふれた青春の1ページ。
二人の少女は何気ない日常の中で友情を育んでいく。
だが少女が綴る詩はどんどん暴走をしはじめ、やがて底知れぬ心の闇を垣間見せる。
全ての真実を知った時、痛みと切なさで世界が歪む鮮烈の青春サスペンス。
●全20話 毎日19:36投稿 10月4日完結予定
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
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5
とある事情があって、突然の引っ越しを余儀なくされた主人公。
慣れない田舎での生活、何となく居心地の悪い居候先、いろいろと文句を言いたいことはあった。だが、居候先の一人娘「ミクニ」に振り回されているうちに、自分が何故引っ越しを余儀なくされたのか、家族と引き離されたのかを知ることになる。
※1話完結のシリーズものです
※他投稿サイトに掲載した作品の再掲です
表紙イラスト:まやま様
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6
春の夜、廃病院に響く足音――それは、千年の呪いと祈りが再び動き出す音だった。
霊感を持つ高校生・櫻井悠斗は、ある晩、廃病院で霊に寄り添う少女・月瀬美琴と出会う。
紅い霊眼を宿す彼女は、祖先が犯した禁忌に連なる血を背負い、自らを削りながら怪異と向き合っていた。
風鳴トンネルに彷徨う霊、温泉郷で微笑む不思議な少女、廃工場を徘徊する怨霊――。
二人が行く先々で出会うのは、救われずに取り残された想いたち。
その声なき願いに触れるたび、悠斗は知っていく。自分の血筋もまた、数百年にわたる巫女たちの因縁と無関係ではないことを。
美琴の過去に刻まれた傷。
桜の木に封じられた祈り。
そして、理不尽に命を奪われた巫女たちの悲しみが生んだ、終わらない呪い。
これは、声を失った者たちの想いを繋ぎ直しながら、見えない縁に導かれていく少年と少女の物語。
恐怖の先に、切なさと祈りが残る。
現代和風ミステリーホラー。
こちらの小説は 文芸寄りでありながら、ライトノベルの読みやすさも、意識した作品となってます!
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7
世間を震撼させる連続殺人事件。
人々はそれを「スマイリング・マン」という名の殺人鬼の仕業と噂し、都市伝説として囁いていた。
そんな中、記者エリックのもとに届いた一通の封筒。
中には、“存在しないはずの” 犯罪現場の写真と、不気味な詩が収められていた。
それを見た瞬間から、何かが狂い始める。
消えていく証拠、錯綜する噂、音もなく迫る影。
これは、ただの都市伝説なのか?
それとも——
彼の”結末”は、すでに決まっているのかもしれない。
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8
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9
2050年。
人々の間で囁かれる噂――「スピチャンキャンディー」を食べると癒されるという。
言葉に追い詰められながら生きる小宮架純は、
母の無自覚な言葉、仕事で浴びる悪意、逃げ場のない日常にすり減っていく。
そんな中、彼女の前に現れたのは、甘い香りを放つ一袋のキャンディーだった。
それは救いか、それとも――
やがて彼女は、自分の「耳」と向き合うことになる。
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10
拙作「桜の朽木に虫の這うこと」シリーズに登場する架空の街・東京都朽木市(くちきし)。
九つのブロックにわかれるそれぞれの「区」の由来です。
ほかのサイトにも投稿しています。
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11
「問題です」
大学生の美羽(みう)
クイズ好きの彼氏、翔琉(かける)
美羽の友人、翔子(しょうこ)
「問題です。あなたは地獄に堕ちますか?」
この「問題」には、必ず答えてください。
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塵芥’s(ちりあくたーず)。
この世は塵芥ごみ屑不用品スクラップやがらくたの類で溢れている。
溢れていたとて我らには関係のない取るに足らないものかもしれない。
かような取るに足らないものには魑魅魍魎有象無象のなにかが宿ることがあるという。
そうした取るに足らないものに悩まされ惹かれ破滅することがあるのもまた人間。
これはそれらなにかを宿したものたちと、ものにまつわる人間、そのものを破壊するものたちの物語。
カクヨム、小説家になろうにも掲載中。
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祖母から受け継いだ「笑えば痛みが消える」というおまじない。
その教えに縛られて育った里美は、母の支配、太一の圧、娘・心美の“カタカタ”に追い詰められていく。
笑顔だけでは救えない現実の中で、里美は過去と現在が重なる瞬間に向き合うことになる――。
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帝都、東京。元号は大正となり、次第に異国との戦禍の気配が近づいてきている。東京帝国大学で精神医学を学んでいる俺は、現在私宅監置の資料を取り纏めている。私宅監置とは、江戸頃まで遡る座敷牢といった風習を、法制度化したものであるというが、近代化を謳うこの国を思えば涙が出てしまうくらい劣悪なものだ。端的に言えば、精神病者――古い言葉で言えば瘋癲人などを、自宅で看るという制度である。調べる理由は、出身地の村における記憶が端緒だ。
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のんこ……それは子どもにしか見えない存在。
のんこが関わるお話を書く短編集です。
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マンションに住んでいる保育士の俺は、通い猫を可愛がっていた。ちなみにマンションの隣の部屋の奥さんは、花壇を大切にしている。たまに俺はそれを窓から見ていた。なお……街の住人達は、いつも俺の陰口をいう。俺の癒やしは猫だけだ。そんなある日、通い猫に餌をあげていること、またペット禁止のマンションで猫を飼い、しかも外飼いしていると苦情が来て――?
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この世とあの世は、同じ空間に存在している。
人は一つの身體の中に、自我の魂と、先祖の魂を宿して生きている。
青森の山中にある寺で育った高校生・一条尊(いちじょうたける)は、
霊や妖が見える体質を持つ少年だ。
水子の魂や妖と共存しながら、彼は日常の延長として怪異に向き合っていく。
これは、奇々怪界と隣り合わせに生きる少年の、静かな日常譚である。
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恐怖が集まると塊になる
魂が恐ると異界に引き込まれる
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京都の街に、悪鬼どもが解き放たれた。強力な悪霊が進化して悪鬼となったそれらは、市民の魂を喰らい、街を恐怖のどん底へ突き落す。やがて京都は、悪鬼の跋扈するゴーストタウンとなってしまう。しかも、このまま放っておくとやつらを閉じ込めている結界が破壊されて、今度は日本全土へとその悪鬼どもが広まってしまうという、まさに絶望的な状態だった。そんな状況を打開すべく、七人の霊能者が立ち上がる。『霊媒師の助手』シリーズ2作目。
表紙のイラストはさふ亞おんさんに書いていただきました。下にpixivのURLを貼っておきます。
*R18の絵を描く方ですので、苦手な人はご注意ください。
https://www.pixiv.net/users/24053671
たびたび、暴力的なシーンだったり、発言だったりがでることがありますが、本作は不適切な言動を容認したり推奨したりするもではないことをご了承ください。
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