深海玲奈の狂気探偵録
狂人たちの物語
この物語は、少し未来の日本を舞台にした物語である。
かつて世界有数の先進国だった日本は、ある大きな転機を迎えた。
国のトップが下した判断が正しかったのか、それとも間違いだったのか――
今となっては誰にも分からない。
しかし結果として、日本は
「世界で一番住みづらい国ランキング」堂々の一位
という不名誉な評価を受けることになった。
それをきっかけに、日本社会は急速に崩れていく。
金を持つ者、権力を持つ者、海外にコネクションを持つ者は、早々に日本を離れた。
より友好的な国へと移住し、新しい生活を始めていった。
そして日本に残されたのは――
逃げる手段を持たない人々だった。
やがて世界は、大きな戦争へと突入する。
第三次世界大戦。
世界規模の戦争の中で、日本は敗北する。
その結果、日本は名目上こそ独立国家を保っているものの、実質的には外国勢力の影響下に置かれることになった。
国のトップはこう説明している。
「これは日本の未来のための決断であり、他国との親睦を深めるための政策だ」と。
だが多くの国民は、それを信じていない。
それはただの言い訳であり、体のいい説明に過ぎないと感じている。
すべてがそうとは限らない。
外国人の中にも、日本人と友好的に接する者はいる。
しかし現実として、日本人は少なからず迫害を受けている。
職を奪われ、居場所を奪われ、立場は次第に弱くなっていった。
現在、日本国内に住んでいる純粋な日本人は――
およそ六割。
かつての人口構成とは大きく変わってしまった。
さらに国家は、反乱や暴動を恐れてある政策を取る。
それが
国民の情報の遮断。
インターネットや通信技術など、最新の技術は基本的に制限されるようになった。
利用できるのは、特別な許可を持つ者か、金を持つ者だけ。
一般市民が使える技術は、数十年前と大差ないレベルにまで制限されている。
こうして日本は、
かつての先進国とは思えないほど閉ざされた国になってしまった。
――そしてこの物語は、
そんな時代の日本で起きた
ある事件の記録である。
裏路地の小さなバー。
その二階にある探偵事務所。
やがて彼らは、
この国の裏側に潜む
人間ではない存在の計画に関わっていくことになる。
新着レビュー
狂気と探偵が紡ぐディストピアミステリー
暗く閉ざされた近未来日本を舞台に、探偵・黒亀迅と狂気の天才・深海玲奈の掛け合いが光ります。二人の会話はテンポが抜群で、読んでいるだけで事件の匂いが鼻に届くようです。
独特のディストピア描写と、抑圧された社会の裏側に潜む“人間ではない存在”への不安が、ページをめくる手を止めさせません。緊張感と余韻が絶妙に交錯し、読後に残る静かな怖さが心に残ります。
ミステリー好きで、重厚な世界観とキャラの個性に惹かれる方に特におすすめです。ぜひ読んでみてください。
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