天の栫〜ワスレナソウ〜

天の栫〜ワスレナソウ〜

そは わが思ひの呪い——


ひとつの呪いが、町を祟り、少女を病に伏せさせた。
――それは、恐れられたはずの呪いだった。
春の姫は、ひとりの修行僧に微笑みを遺した。

わたくしの呪いは、果して成就したのでしょうか――

和歌の浦に咲く青い野草。名を与えられたその花は、忘却の中で祈りを宿し、やがて光を呼ぶ。







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