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最後の嘘

あなたには幸せになって欲しい。だから私は最後の最後に嘘を吐く


黒澤 茜は、真面目で堅実な女性。
 両親より「嘘を吐いてはいけない」と教えられて育ち、その約束を守り生きている。
 仕事は介護職で老人ホームに勤めており、堅実な姿に信頼を得ていた。
 しかしその一方で、嘘が吐けないことにより仕事でつまずくようになり、人生で初めて嘘が吐けない自分に悩むようになる。

 そんな二十五歳の春。新人職員の指導係を任された茜は、二十歳の男性、斉藤健太郎と出会う。
 初めは頼りないと思っていたが、彼は嘘が吐けない茜を認めてくれ、優しくて誠実であり、そんな健太郎に好意を持つようになる。
 だが、彼には幼馴染の想い人がおり、その女性とはこの先会えない境遇にも関わらず、帰って来るかもしれないと待ち続けていた。
 その事実を知った茜は彼を諦めようとするが、気持ちが追いつかない。

 出会って三年。彼の想い人は変わらず帰って来ず、状況的に再会は叶わないと思った茜は、エイプリルフールを言い訳に「付き合おう」と告白。
 すると健太郎も「茜が好きだ」「付き合おう」と返事し、その言葉に舞い上がるが、彼はそれ以降、茜と距離を取るようになってしまう。
 理由が分からず戸惑っていると、健太郎の横に居たのは、彼の想い人の彼女。
 エイプリルフール故の勘違いだったと気付いた茜は、彼が自分に気を使い、彼女と一緒になれない現実に気付く。
 彼と、その想い人に幸せになって欲しいと願う茜は、絶対に悟らせてはならない最後の嘘を吐くと決める。








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