6.追憶①
ー/ー蝉の鳴き声と、鳥たちの声が良く聞こえる。
男女二人は木陰に隠れながら誰かを待つように、顔を出してキョロキョロと辺りを見渡す。
すると建物の裏側から足音が聞こえた。
『真緒、比奈、お待たせー』
中学生らしい少年が、待っていた男女二人にそう質問した。
『時間ぴったりね。そうだ、私秘密基地見つけたんだー』
小柄な少女は、嬉しそうにそう言った。
『え、いつの間にかよー俺も探しときゃよかった』
もう一人の少年が、手で首に後ろを触りながら悔しそうに言う。
『じゃあじゃあ俺も見つけた!』
『『それはおじさんの地下室 でしょ・だろ!』』
ふと二人の声が綺麗に重なると、三人は見つめ合うとクスクスと笑った。
__少し日が経った。
少女は居なく、男子二人はまた同じ場所で話している。
『真緒、明日比奈に告白するんでしょ?』
胸を高鳴らした嬉しそうな声で、一人は言う。
『おう』
恥ずかしそうな顔で答える。
『どんな感じでとか決めてる?』
『俺は計画通りにするんじゃなくてその時に俺に任せるタイプなんだよ』
『ふーん』
少し間が空くと、一人は空を見ながら呟いた。
『そんな事より、空澄はどうすんの』
『どうするって?』
『好きな人とか、居ねーのかよ』
『うーん……居るにはいるんだけど……』
『誰?』
『一週間まで会ってた人。多分高校生ぐらい。なんか不思議な女性だったよ。これくれたんだ』
『なんだそれ、年上って初対面でそんなものくれんのかよ。婚約みたいじゃん』
『ふふふ』
『なんだよ、ふふふって。』
『これが何かの縁だったらいいんだけどなぁ。まぁ、明日頑張って!』
『そんなプレッシャーかけられたら振られた時ヤベーじゃんか』
『ごめーん』
__また時が経つ。
太陽が地平線に近づき、茜色に染まる空はとても美しい。雲は紫がかり、太陽とは反対の空はもう暗く藍色に染まり始めていた。
けれど、彼らは、もう殆ど空を見ることはできない。
『最近は外に中々出られなくなったね』
『AI化が急激に速くなってんだよなぁ』
『私のお父さんお母さんも、私を空澄くんの家に預けてから帰ってこなくなっちゃった……』
『確か、研究者とかだったっけ?』
『うん。元は生物か何かの研究をしてたんだけど、アンドロイドの暴走が始まってからは止めるために
夜遅くまで研究してるんだ』
『比奈の両親って凄い人だよね』
『でも、もしかしたら研究所にアンドロイドが入ってきて襲われてたりしたら……』
『もしそうでも、俺が比奈を守るからな』
『真緒……』
『何、彼氏っぽい事言うじゃん』
『は、恥ずかしいからやめろ!』
____荳?蟷エ蠕
『お母さん……? お父さん?』
比奈の目線の先に居たのは、壁にもたれかかり、血で染まった両親だった。
額には残酷に、何かを打たれたように穴が開いている。
母は目を瞑り、父は光を失った瞳と怖がった顔をして、言葉には出せない恐怖が感じられる。
『比奈見るな』
真緒は必死に比奈の目を手で覆う。その手は微かに震えている。
『建物の中にまで襲ってくるのか……』
空澄は辺りを見回してそう言う。
研究所は、ガラスが割れ謎の液体が地面に広がっている。
パソコンの画面は蜘蛛の巣のようにひび割れている。
『私、これからどうしたらいいんだろう……。お母さんも、お父さんも家族が居なくなっちゃった』
段々と涙が零れる比奈を、真緒は強い力で抱きしめる。
『俺も、昨年家族が殺された。今の世界は、望まない孤独と恐怖の世界になってしまったんだ』
『もう、どうしようもないね。いっそ自死したほうが__』
『その前に、良ければワタシの研究を手伝ってくれないか』
黒いフードの男が、いつの間にか三人の背後を取っていた。
振り返る三人は、一瞬ドキッとしただろう。
『誰ですか』
『ワタシは科学者でね、今はこんな社会だから人手不足。だから生きる意味を失った人たちを集めてい
るんだ』
『手伝います!』
『おい、比奈ッあんな怪しいやつのとこに行くってのか⁈』
『だって私にはそれしかないもの。こんな世界で役に立てるならなんだってする!』
『なんだってする……ねぇ』
男は小さくそう呟く。
『……比奈がやるなら、俺もやってやる』
『真緒⁈』
『空澄、お前はどうするんだ?』
『……俺も、やるよ』
『そう来なくっちゃな』
男は、三人が近くに来て「お願いします」と言うと、フードの下でにやりと不気味に笑っていた__。
男女二人は木陰に隠れながら誰かを待つように、顔を出してキョロキョロと辺りを見渡す。
すると建物の裏側から足音が聞こえた。
『真緒、比奈、お待たせー』
中学生らしい少年が、待っていた男女二人にそう質問した。
『時間ぴったりね。そうだ、私秘密基地見つけたんだー』
小柄な少女は、嬉しそうにそう言った。
『え、いつの間にかよー俺も探しときゃよかった』
もう一人の少年が、手で首に後ろを触りながら悔しそうに言う。
『じゃあじゃあ俺も見つけた!』
『『それはおじさんの地下室 でしょ・だろ!』』
ふと二人の声が綺麗に重なると、三人は見つめ合うとクスクスと笑った。
__少し日が経った。
少女は居なく、男子二人はまた同じ場所で話している。
『真緒、明日比奈に告白するんでしょ?』
胸を高鳴らした嬉しそうな声で、一人は言う。
『おう』
恥ずかしそうな顔で答える。
『どんな感じでとか決めてる?』
『俺は計画通りにするんじゃなくてその時に俺に任せるタイプなんだよ』
『ふーん』
少し間が空くと、一人は空を見ながら呟いた。
『そんな事より、空澄はどうすんの』
『どうするって?』
『好きな人とか、居ねーのかよ』
『うーん……居るにはいるんだけど……』
『誰?』
『一週間まで会ってた人。多分高校生ぐらい。なんか不思議な女性だったよ。これくれたんだ』
『なんだそれ、年上って初対面でそんなものくれんのかよ。婚約みたいじゃん』
『ふふふ』
『なんだよ、ふふふって。』
『これが何かの縁だったらいいんだけどなぁ。まぁ、明日頑張って!』
『そんなプレッシャーかけられたら振られた時ヤベーじゃんか』
『ごめーん』
__また時が経つ。
太陽が地平線に近づき、茜色に染まる空はとても美しい。雲は紫がかり、太陽とは反対の空はもう暗く藍色に染まり始めていた。
けれど、彼らは、もう殆ど空を見ることはできない。
『最近は外に中々出られなくなったね』
『AI化が急激に速くなってんだよなぁ』
『私のお父さんお母さんも、私を空澄くんの家に預けてから帰ってこなくなっちゃった……』
『確か、研究者とかだったっけ?』
『うん。元は生物か何かの研究をしてたんだけど、アンドロイドの暴走が始まってからは止めるために
夜遅くまで研究してるんだ』
『比奈の両親って凄い人だよね』
『でも、もしかしたら研究所にアンドロイドが入ってきて襲われてたりしたら……』
『もしそうでも、俺が比奈を守るからな』
『真緒……』
『何、彼氏っぽい事言うじゃん』
『は、恥ずかしいからやめろ!』
____荳?蟷エ蠕
『お母さん……? お父さん?』
比奈の目線の先に居たのは、壁にもたれかかり、血で染まった両親だった。
額には残酷に、何かを打たれたように穴が開いている。
母は目を瞑り、父は光を失った瞳と怖がった顔をして、言葉には出せない恐怖が感じられる。
『比奈見るな』
真緒は必死に比奈の目を手で覆う。その手は微かに震えている。
『建物の中にまで襲ってくるのか……』
空澄は辺りを見回してそう言う。
研究所は、ガラスが割れ謎の液体が地面に広がっている。
パソコンの画面は蜘蛛の巣のようにひび割れている。
『私、これからどうしたらいいんだろう……。お母さんも、お父さんも家族が居なくなっちゃった』
段々と涙が零れる比奈を、真緒は強い力で抱きしめる。
『俺も、昨年家族が殺された。今の世界は、望まない孤独と恐怖の世界になってしまったんだ』
『もう、どうしようもないね。いっそ自死したほうが__』
『その前に、良ければワタシの研究を手伝ってくれないか』
黒いフードの男が、いつの間にか三人の背後を取っていた。
振り返る三人は、一瞬ドキッとしただろう。
『誰ですか』
『ワタシは科学者でね、今はこんな社会だから人手不足。だから生きる意味を失った人たちを集めてい
るんだ』
『手伝います!』
『おい、比奈ッあんな怪しいやつのとこに行くってのか⁈』
『だって私にはそれしかないもの。こんな世界で役に立てるならなんだってする!』
『なんだってする……ねぇ』
男は小さくそう呟く。
『……比奈がやるなら、俺もやってやる』
『真緒⁈』
『空澄、お前はどうするんだ?』
『……俺も、やるよ』
『そう来なくっちゃな』
男は、三人が近くに来て「お願いします」と言うと、フードの下でにやりと不気味に笑っていた__。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
蝉の鳴き声と、鳥たちの声が良く聞こえる。
男女二人は木陰に隠れながら誰かを待つように、顔を出してキョロキョロと辺りを見渡す。
すると建物の裏側から足音が聞こえた。
すると建物の裏側から足音が聞こえた。
『真緒、比奈、お待たせー』
中学生らしい少年が、待っていた男女二人にそう質問した。
『時間ぴったりね。そうだ、私秘密基地見つけたんだー』
小柄な少女は、嬉しそうにそう言った。
『え、いつの間にかよー俺も探しときゃよかった』
もう一人の少年が、手で首に後ろを触りながら悔しそうに言う。
『じゃあじゃあ俺も見つけた!』
『『それはおじさんの地下室 でしょ・だろ!』』
ふと二人の声が綺麗に重なると、三人は見つめ合うとクスクスと笑った。
__少し日が経った。
少女は居なく、男子二人はまた同じ場所で話している。
『真緒、明日比奈に告白するんでしょ?』
胸を高鳴らした嬉しそうな声で、一人は言う。
『おう』
恥ずかしそうな顔で答える。
『どんな感じでとか決めてる?』
『俺は計画通りにするんじゃなくてその時に俺に任せるタイプなんだよ』
『ふーん』
少し間が空くと、一人は空を見ながら呟いた。
『そんな事より、空澄はどうすんの』
『どうするって?』
『好きな人とか、居ねーのかよ』
『うーん……居るにはいるんだけど……』
『誰?』
『一週間まで会ってた人。多分高校生ぐらい。なんか不思議な女性だったよ。これくれたんだ』
『なんだそれ、年上って初対面でそんなものくれんのかよ。婚約みたいじゃん』
『ふふふ』
『なんだよ、ふふふって。』
『これが何かの縁だったらいいんだけどなぁ。まぁ、明日頑張って!』
『そんなプレッシャーかけられたら振られた時ヤベーじゃんか』
『ごめーん』
__また時が経つ。
太陽が地平線に近づき、茜色に染まる空はとても美しい。雲は紫がかり、太陽とは反対の空はもう暗く藍色に染まり始めていた。
けれど、彼らは、もう殆ど空を見ることはできない。
『最近は外に中々出られなくなったね』
『AI化が急激に速くなってんだよなぁ』
『私のお父さんお母さんも、私を空澄くんの家に預けてから帰ってこなくなっちゃった……』
『確か、研究者とかだったっけ?』
『うん。元は生物か何かの研究をしてたんだけど、アンドロイドの暴走が始まってからは止めるために
夜遅くまで研究してるんだ』
夜遅くまで研究してるんだ』
『比奈の両親って凄い人だよね』
『でも、もしかしたら研究所にアンドロイドが入ってきて襲われてたりしたら……』
『もしそうでも、俺が比奈を守るからな』
『真緒……』
『何、彼氏っぽい事言うじゃん』
『は、恥ずかしいからやめろ!』
____荳?蟷エ蠕
『お母さん……? お父さん?』
比奈の目線の先に居たのは、壁にもたれかかり、血で染まった両親だった。
額には残酷に、何かを打たれたように穴が開いている。
母は目を瞑り、父は光を失った瞳と怖がった顔をして、言葉には出せない恐怖が感じられる。
額には残酷に、何かを打たれたように穴が開いている。
母は目を瞑り、父は光を失った瞳と怖がった顔をして、言葉には出せない恐怖が感じられる。
『比奈見るな』
真緒は必死に比奈の目を手で覆う。その手は微かに震えている。
『建物の中にまで襲ってくるのか……』
空澄は辺りを見回してそう言う。
研究所は、ガラスが割れ謎の液体が地面に広がっている。
パソコンの画面は蜘蛛の巣のようにひび割れている。
研究所は、ガラスが割れ謎の液体が地面に広がっている。
パソコンの画面は蜘蛛の巣のようにひび割れている。
『私、これからどうしたらいいんだろう……。お母さんも、お父さんも家族が居なくなっちゃった』
段々と涙が零れる比奈を、真緒は強い力で抱きしめる。
『俺も、昨年家族が殺された。今の世界は、望まない孤独と恐怖の世界になってしまったんだ』
『もう、どうしようもないね。いっそ自死したほうが__』
『その前に、良ければワタシの研究を手伝ってくれないか』
黒いフードの男が、いつの間にか三人の背後を取っていた。
振り返る三人は、一瞬ドキッとしただろう。
振り返る三人は、一瞬ドキッとしただろう。
『誰ですか』
『ワタシは科学者でね、今はこんな社会だから人手不足。だから生きる意味を失った人たちを集めてい
るんだ』
るんだ』
『手伝います!』
『おい、比奈ッあんな怪しいやつのとこに行くってのか⁈』
『だって私にはそれしかないもの。こんな世界で役に立てるならなんだってする!』
『なんだってする……ねぇ』
男は小さくそう呟く。
『……比奈がやるなら、俺もやってやる』
『真緒⁈』
『空澄、お前はどうするんだ?』
『……俺も、やるよ』
『そう来なくっちゃな』
男は、三人が近くに来て「お願いします」と言うと、フードの下でにやりと不気味に笑っていた__。