天より泥
君の腕の中で息絶えるために。
「君を逃がしたあの日、私の心も一緒に捨てたはずだった――」
不要品が投棄される監獄都市『ベスタ』。用心棒として泥を啜るネリの唯一の心の拠り所は、10年前に地獄から逃がした少年・アッピスの存在だった。
だが再会の日、コンテナから現れたのは狂気を孕んだ青年。外の世界で「聖者」となった彼は、地位も名声も焼き捨て、一石の「花の化石」を手に告げる。
「約束通り、君の腕の中で死ぬために来たよ」
守ろうとした純白が、己を焼く呪いへと変わる時。二人の運命は再び闇へと沈んでいく。
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