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こういうことがあってもおかしくない・・・

ー/ー



目が覚めた
無音だ
記憶とスマホのカレンダーから、今日が休日であることを把握
いつもなら出勤の用意をする時間
窓の外を車が行き来し、人々がオフィスへ、学校へと向かう雑踏の音
子供の走る靴音、笑い声とあいまったはじけるような息遣いの気配
ーなにも聞こえない
時計は動いているのに針の動く音がしない
自分の衣擦れの音は聞こえるところから、耳が聞こえなくなったというわけではなさそうだ

朝日がさしこんでいる
なのに、大雪で交通がマヒしてしまったときのように
音はどこかに吸い取られている
何が起きた?
日照や気温には変化はないようだ
では何がちがう?
ふと脳裏をよぎる文字
「人類滅亡」

いや、アニメじゃあるまいし
突然どこからか、人間がいなくなる光線が発射されたとかいうわけがない
そもそもなんで自分だけ生き残ってる?
頭の中が、もはや他人は存在しない前提になっていることに気が付いた

でもでも、
もしかしたらこれは最悪の事態を想定したほうがいいのではないか?
そうなるとまず水の確保だ
幸い日頃から飲料は多少のたくわえがある
電気は?
いまのところ特段問題はないようだ
発電所が動いている限り
おそらく急に停止することはないのだろう
小型のバッテリーも普段から充電してあるし
ソーラー充電もあったっけ
食料は?
保存食ならそれなりにある
必要なら外に出て、コンビニなり自販機なりから購入できるだろう
トイレも使えそうだし、今のところは問題ない

次は何だ?
供給が安定しているなら次にくるものは捨てるものである
飲み食いすればゴミがでる
乾燥物ならいざ知らず、生ごみときたら外に捨てなければならない
しかし収集にはこない
自分ひとりのゴミでも捨て続けたらいつかゴミ置き場は満杯になる
なにより不衛生だ
だって人はいなくても虫はいるのだから

察するに犬や猫もいつもとかわりなく存在しているのだろう
いいじゃないか
彼らはなにも悪いことなんてしない
ただ餌が足りていればそれで満足してくれる
そうだ、自分の手の届く範囲しかできないが
環境を整えよう

まず食料は生ものから消費する
外へでてコンビニのショーケースから生もの優先で食べればいい
食べきれなかった分は野良の犬猫に提供しよう
餌場を決めて定期的にだしてやろう
後始末も必要だ
水が使えるところは流したりするのもいい
水飲み場も必要だしな

近くの工事現場みたいなところに大きな穴が掘ってあった
あそこに生ごみを集めておこう
炭カルの袋なら分解してくれるから
いっぱいになったら埋めても大丈夫だろう
周辺のコンビニは東西南北合わせて10件といったところか
毎日各店舗を巡回して
在庫の確認と整理をする必要がある
不足している資材や消耗品の補充もできる

だれもいなくなていたとしてもちっともさみしくなかった
自分が生きるのに忙しくてそれどころじゃないじゃないか
なんとしても生き延びてやる
でも何のために?
――自分がそうしたいからだ
不自由でもひとりでもいい
どこまでも生き延びてやる

無人島に漂着した人って何をしたんだっけか
それに比べればうんと楽にちがいない
最後のひとりに
できることを精いっぱいやって生きようとしたことを
神さまがいるなら見せてやろう

と、そこまで考えたそのとき
不意に手元のスマホが鳴った
姉からだった
「ちょっと!台風来るんだって?
そんなの聞いてないわよ?!」

こうして人類は滅亡を免れた・・・。




みんなのリアクション

目が覚めた
無音だ
記憶とスマホのカレンダーから、今日が休日であることを把握
いつもなら出勤の用意をする時間
窓の外を車が行き来し、人々がオフィスへ、学校へと向かう雑踏の音
子供の走る靴音、笑い声とあいまったはじけるような息遣いの気配
ーなにも聞こえない
時計は動いているのに針の動く音がしない
自分の衣擦れの音は聞こえるところから、耳が聞こえなくなったというわけではなさそうだ
朝日がさしこんでいる
なのに、大雪で交通がマヒしてしまったときのように
音はどこかに吸い取られている
何が起きた?
日照や気温には変化はないようだ
では何がちがう?
ふと脳裏をよぎる文字
「人類滅亡」
いや、アニメじゃあるまいし
突然どこからか、人間がいなくなる光線が発射されたとかいうわけがない
そもそもなんで自分だけ生き残ってる?
頭の中が、もはや他人は存在しない前提になっていることに気が付いた
でもでも、
もしかしたらこれは最悪の事態を想定したほうがいいのではないか?
そうなるとまず水の確保だ
幸い日頃から飲料は多少のたくわえがある
電気は?
いまのところ特段問題はないようだ
発電所が動いている限り
おそらく急に停止することはないのだろう
小型のバッテリーも普段から充電してあるし
ソーラー充電もあったっけ
食料は?
保存食ならそれなりにある
必要なら外に出て、コンビニなり自販機なりから購入できるだろう
トイレも使えそうだし、今のところは問題ない
次は何だ?
供給が安定しているなら次にくるものは捨てるものである
飲み食いすればゴミがでる
乾燥物ならいざ知らず、生ごみときたら外に捨てなければならない
しかし収集にはこない
自分ひとりのゴミでも捨て続けたらいつかゴミ置き場は満杯になる
なにより不衛生だ
だって人はいなくても虫はいるのだから
察するに犬や猫もいつもとかわりなく存在しているのだろう
いいじゃないか
彼らはなにも悪いことなんてしない
ただ餌が足りていればそれで満足してくれる
そうだ、自分の手の届く範囲しかできないが
環境を整えよう
まず食料は生ものから消費する
外へでてコンビニのショーケースから生もの優先で食べればいい
食べきれなかった分は野良の犬猫に提供しよう
餌場を決めて定期的にだしてやろう
後始末も必要だ
水が使えるところは流したりするのもいい
水飲み場も必要だしな
近くの工事現場みたいなところに大きな穴が掘ってあった
あそこに生ごみを集めておこう
炭カルの袋なら分解してくれるから
いっぱいになったら埋めても大丈夫だろう
周辺のコンビニは東西南北合わせて10件といったところか
毎日各店舗を巡回して
在庫の確認と整理をする必要がある
不足している資材や消耗品の補充もできる
だれもいなくなていたとしてもちっともさみしくなかった
自分が生きるのに忙しくてそれどころじゃないじゃないか
なんとしても生き延びてやる
でも何のために?
――自分がそうしたいからだ
不自由でもひとりでもいい
どこまでも生き延びてやる
無人島に漂着した人って何をしたんだっけか
それに比べればうんと楽にちがいない
最後のひとりに
できることを精いっぱいやって生きようとしたことを
神さまがいるなら見せてやろう
と、そこまで考えたそのとき
不意に手元のスマホが鳴った
姉からだった
「ちょっと!台風来るんだって?
そんなの聞いてないわよ?!」
こうして人類は滅亡を免れた・・・。


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