牧草ロールのある夏
土を知るより先に、続けることを知った。 【北海道 農業物語】
東京でのIT職を辞め、夫・悠真とともに道東へ移住した紗英。
湿気のない空気、窓の外に並ぶ牧草ロール。「ここでならやり直せる」という予感を胸に、二人は農業を始める。
しかし、土は素直ではなかった。長雨に倒れる苗、葉焼けするキュウリ、思うようにいかない判断の連続。隣の畑の老農婦・サトは多くを語らず、ただ土地の事実を指さすように教える。
その寡黙な関わりの中で、紗英は少しずつ、「始める」ことと「続ける」ことのあいだにある深い溝に気づいていく。
悠真との間にも、静かなずれが生じていた。
うまくいっているように見せようとする互いの気遣いが、かえって距離を生んでいた。
お盆の夜、二人はようやく「わからない」と口にする。
そして、夏の終わり、紗英は一つだけ決めたことがあった。
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