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洗濯の空白が語る喪失感
全体としては、日常の細部に潜む喪失感を静かに掬い上げた作品だ。
洗濯という繰り返しの行為を通じ、父の不在が残す空白を空間的に描写する手法は鮮やかで、読後に余韻が残る。一方、情景描写が長く続くためテンポが緩やかで、物語の進行がほとんどない点は読者の集中を削ぐ恐れがある。感情の起伏が控えめな分、共感できる読者は限られるだろう。
静かな喪失に共鳴できる人には深く刺さるが、展開を求める読者には物足りないかもしれない。万人向けではないが、刺さる読者はいる。
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