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【短編】杏 〜紅葉を見上げる少女〜

わたし、この葉を落としていく木と似てると思うの


秋が深まる10月。
気温は一桁に近づくほど冷えていき、冬が近づいてきていることを告げる。
 彰(あきら)も例外だけでなく、秋空と冷たい風を肌に感じながらそう思っていた。

 そんなある日、彼はいつも通りに下校しようと校舎を出ると、とある光景が目に焼き付いた。

 校舎の玄関先にある一本の広葉樹の下で、誰か一人立っていることに気が付く。
彰は気になって近づくと……それは同じクラスの女子高校生、神埼 杏(かんざき あん)だった。
普段は周りと接点を持たず、物静かな性格、そして苛められっ子だった。

 如何にも彰と杏は接点があるようには見えないが、実は裏で仲良くしている『隠れた友人』だった。
学校では話さないようにする約束であったが、彼女のその姿に彰はつい杏に声をかけてしまった。

 それに応えるように、彰に話しかける杏だったが、彼女は彰にとある疑問を投げた。

『ねえ彰くん。葉を落としていくこの木を見てどう思う?』


タイトルの『杏』は『あん』と呼びます。
1話のみの短編作品となります。







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