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最終更新: 2026年04月03日 16時07分
22世紀。
性別適合手術が制度化され、「女性になりたい男性」は17歳の夏休みに一次手術を受け、ひと夏だけ“女の子として生きる”ことが許される時代。
その夏、祭りや花火、浴衣とともに現れる彼女たちは
――サマープリンセスと呼ばれていた。
主人公・やすともは、夏祭りで麦わら帽子に白いワンピースの少女に心を奪われる。
だが彼女は、誰もが近づくなと忠告する存在だった。
声をかけて気づく。
彼女の正体は、幼なじみの少年・けんじ。
一夏だけ女の子として生きる彼女と、夜店を巡り、花火を見て、交わしたキス。
それは、戻れないと知りながらも大切にした、淡くて短い青春だった。
これは、
サマープリンセスと過ごした、忘れられない一夏の物語。
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乱世の只中、山州の盟主戈家の末娘・胤姫は、隣国介家の嫡男・炎と政略の婚儀を結ぶ。 だが幼い二人は文を重ね、少しずつ心を通わせていった。
時は流れ、偉大な父の死と兄の失政により、戈家はゆっくり滅びの道へと向かう。一方、介家は、時代の先駆者たらんとする義父と家臣団により、全国へ覇を唱えるまでに成長した。
そして、大御神の勅命を受けた戈家討伐軍総大将の馬上には、かつて心を通わせた炎の姿があった。胤の運命やいかに。
※本作は、武田信玄公のご息女・信松尼のご生涯を拝し、史実をもとに編まれた架空世界の物語でございます。 実在の人物・団体への敬意を込めつつ、創作の一環として描いております。あなかしこ。
©2025-2026(裏桔梗)Urakikyou. All rights reserved. 無断転載・複製を禁じます。
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「ザ・ケルン・コンサート」まだ私は死なない!死ねない!
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セキ・トネリ
恋愛小説
短編小説
恋のライバル
悲恋
青春
ほのぼの
エモい
群像劇
女性向け
成人向け
昭和
スクールラブ
全1話
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7520文字
あの日のことを、私は今でも鮮明に覚えている。春休みの大学街はひっそりして、まるで時間が止まったようだった。明大の古い講堂でピアノを弾くのは、私のひそかな習慣だった。借りものの舞台と鍵盤に、キース・ジャレットの「ケルン・コンサート」を響かせる。譜面はない。自分の呼吸と記憶だけを頼りに、即興で再構築する。演奏しているあいだは、誰もいない世界にただひとり閉じ込められているような心地がする。
けれど、あの日は違った。弾き終えた瞬間、私は気づいたのだ。後方の暗がりに、ひとりの青年が座っていることに。ドアを開けた一瞬の光で、気配は感じていた。知らない男に覗かれていた、と一瞬、怒りが胸をよぎった。けれど、その怒りはすぐに戸惑いに変わった。彼の目が、演奏を汚すような視線ではなく、ただ真剣に聴いていた人の目だったからだ。
彼の名は宮部明彦。油絵を描き、物理を学び、そして偶然ここに迷い込んだという。私は「偶然」という言葉をあまり信じない。けれど、彼と話しているうちに、その偶然がどこか運命のように感じられた。ジャズの話、本の話、ユングやデミアン、相対性理論や犯罪心理学……私たちの会話は、初対面とは思えないほど滑らかに、深く潜っていった。
そして気がつけば、講堂を出て、山の上ホテルのバー「ノンノン」に座っていた。午後四時の空いたカウンターで、私はマーテルを、彼はメーカーズマークを頼んだ。ブランデーの琥珀色が、雨のしずくで曇った窓に映える。学生らしくない静けさと、少しだけ大人の時間。奇妙なことに、私はその時間を全然怖いとは思わなかった。むしろ、胸の奥にずっとあった孤独な旋律に、初めて和音が重なったように思えた。
女と男は、どこまでいっても分かり合えない、と口では言いながら、私は彼に話しつづけた。彼の笑顔や、少し考えこむ横顔が、曲の終わりに響く余韻のように心に残った。偶然が、たまたまが好きだという彼に、私の中の何かが静かにほどけていく。ペルソナも、仮面も、ここには必要ないような気がした。
「ねえ、四月から、あなたの学部にニセ学生として通ったらどうかしら」思わず口にしていた。彼は笑って「いいよ」と言った。
雨の土曜の午後、ケルン・コンサートから始まったこの出会いが、私にとってどんな物語になるのか、そのときの私はまだ知らなかった。
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サマープリンセス
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卯月らいな
22世紀。
性別適合手術が制度化され、「女性になりたい男性」は17歳の夏休みに一次手術を受け、ひと夏だけ“女の子として生きる”ことが許される時代。
その夏、祭りや花火、浴衣とともに現れる彼女たちは
――サマープリンセスと呼ばれていた。
主人公・やすともは、夏祭りで麦わら帽子に白いワンピースの少女に心を奪われる。
だが彼女は、誰もが近づくなと忠告する存在だった。
声をかけて気づく。
彼女の正体は、幼なじみの少年・けんじ。
一夏だけ女の子として生きる彼女と、夜店を巡り、花火を見て、交わしたキス。
それは、戻れないと知りながらも大切にした、淡くて短い青春だった。
これは、
サマープリンセスと過ごした、忘れられない一夏の物語。
風に紡ぐ絲~六合幻想譚
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卜衣 亨
乱世の只中、山州の盟主戈家の末娘・胤姫は、隣国介家の嫡男・炎と政略の婚儀を結ぶ。 だが幼い二人は文を重ね、少しずつ心を通わせていった。
時は流れ、偉大な父の死と兄の失政により、戈家はゆっくり滅びの道へと向かう。一方、介家は、時代の先駆者たらんとする義父と家臣団により、全国へ覇を唱えるまでに成長した。
そして、大御神の勅命を受けた戈家討伐軍総大将の馬上には、かつて心を通わせた炎の姿があった。胤の運命やいかに。
※本作は、武田信玄公のご息女・信松尼のご生涯を拝し、史実をもとに編まれた架空世界の物語でございます。 実在の人物・団体への敬意を込めつつ、創作の一環として描いております。あなかしこ。
©2025-2026(裏桔梗)Urakikyou. All rights reserved. 無断転載・複製を禁じます。
「ザ・ケルン・コンサート」まだ私は死なない!死ねない!
/
セキ・トネリ
あの日のことを、私は今でも鮮明に覚えている。春休みの大学街はひっそりして、まるで時間が止まったようだった。明大の古い講堂でピアノを弾くのは、私のひそかな習慣だった。借りものの舞台と鍵盤に、キース・ジャレットの「ケルン・コンサート」を響かせる。譜面はない。自分の呼吸と記憶だけを頼りに、即興で再構築する。演奏しているあいだは、誰もいない世界にただひとり閉じ込められているような心地がする。
けれど、あの日は違った。弾き終えた瞬間、私は気づいたのだ。後方の暗がりに、ひとりの青年が座っていることに。ドアを開けた一瞬の光で、気配は感じていた。知らない男に覗かれていた、と一瞬、怒りが胸をよぎった。けれど、その怒りはすぐに戸惑いに変わった。彼の目が、演奏を汚すような視線ではなく、ただ真剣に聴いていた人の目だったからだ。
彼の名は宮部明彦。油絵を描き、物理を学び、そして偶然ここに迷い込んだという。私は「偶然」という言葉をあまり信じない。けれど、彼と話しているうちに、その偶然がどこか運命のように感じられた。ジャズの話、本の話、ユングやデミアン、相対性理論や犯罪心理学……私たちの会話は、初対面とは思えないほど滑らかに、深く潜っていった。
そして気がつけば、講堂を出て、山の上ホテルのバー「ノンノン」に座っていた。午後四時の空いたカウンターで、私はマーテルを、彼はメーカーズマークを頼んだ。ブランデーの琥珀色が、雨のしずくで曇った窓に映える。学生らしくない静けさと、少しだけ大人の時間。奇妙なことに、私はその時間を全然怖いとは思わなかった。むしろ、胸の奥にずっとあった孤独な旋律に、初めて和音が重なったように思えた。
女と男は、どこまでいっても分かり合えない、と口では言いながら、私は彼に話しつづけた。彼の笑顔や、少し考えこむ横顔が、曲の終わりに響く余韻のように心に残った。偶然が、たまたまが好きだという彼に、私の中の何かが静かにほどけていく。ペルソナも、仮面も、ここには必要ないような気がした。
「ねえ、四月から、あなたの学部にニセ学生として通ったらどうかしら」思わず口にしていた。彼は笑って「いいよ」と言った。
雨の土曜の午後、ケルン・コンサートから始まったこの出会いが、私にとってどんな物語になるのか、そのときの私はまだ知らなかった。
シャブ中が転校したら5秒で合体
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味噌村幸太郎
極道都市に引っ越してきた少年、薬中の竜二くん。
初日から遅刻してしまうおっちょこちょいな彼。
だが、転校先の新しい学校で素敵な出会いがあるかと、淡い期待を抱いてた。
そんな時、曲がり角で運命の人と出会うことになる……。
王道の短編ラブコメです。
またこの作品は現在、連載中の
「気になるあの子はヤンキー(♂)だが、女装するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!」
で実際に登場する短編です。
書いたのは、上記作品の主人公、DO・助兵衛(ドゥ・すけべえ)こと新宮 琢人です。