ブルーグリーン
ー/ー
さっぱりとした空気を浴びてみたい、と思ったときに向かうのは、住宅街の狭間。
バス通りに面しているわけではないので、あえて行こうとしなければその場所に辿り着くことはできない。
暑い日差しにも負けそうで、この辺りにはアーケードもない。
そういえば、と思い出した場所は道路を挟んで向かい側だったはず。
マップアプリを開いてその店の場所を確認する。歩いて行ける距離と思い立ち、行き先までの時間つぶしに入ろうと思った。
自分のお気に入りの席は空いていた。
ふらりと窓側に行き、店内とのギャップを感じながらケーキを食べるのが好きだ。
しんとした店内で聞こえる自然な環境音。
車の走る音も、人が歩く音も、ふわりと広がる不思議な空間。
お店の決まりでできないけれど、ここで勉強している人がいるのなら、相当集中できるんじゃないかなって思う。
暑さで溶けた、氷の転がる音が心地良い。
穏やかな日差し、街に溶け込むグリーン。
待っていたのは緑色の塔。かちゃかちゃとすくい上げて、ミントの清涼感を味わう。
素朴な味わいの中に、生まれる感触。
通り抜ける人々の、笑い声が広がる。街に飛び出すほどではないけれど、たしかに根付いている実感がある。
ゆっくりとスプーンと、フォークを動かし、口に含む。
その至福の時間を、温かい紅茶とともに楽しむのも、また一興。
カウンターの向こう側で、ほかの人への準備が始まる音も、響く。そのうち、がらがらと引かれる戸棚。
二人がけを独り占め。ひっそりと、隠れていない隠れ家を堪能する。
ちょっとだけ、小休止して、立ち上がる。
また明日から頑張れる。
そんな空気に、私は酔いつつ、暑さの残る店外に旅立った。
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