家族
ー/ー 漸く自宅に辿り着き、鍵を開けると、室内からの爽やかな冷気が、僕の身体を通り抜けた。それと同時に「おかえりなさい!」と元気な声が僕を迎えてくれて、思わず頬が綻んだ。
「ただいま」
「おそうめん、湯掻いたのを今、冷やしているところ。一緒に食べましょう」
そう話す妻の顔を見ると、先程までの体の重さは形を潜めて、軽やかになる心地がした。
人間が大人になることで訪れる画期的な変化とは、きっと、こういうことなのだ。自らが家族を築き、養い、心休まる時間を共有する。いつも当たり前にしていることではあるけれど、少年時代には想像もできないことだった。
それは、幼虫の頃には葉の上から動くことの出来なかった青条揚羽が、自由奔放にこの世界を飛び回ることができるのにも値するほどに素晴らしいことかも知れないと思った。
いつものように、洗面所で手洗いとうがいを済ませた僕は、公園でひらひらと飛んでいた青条揚羽のように、弾んだ気持ちで居間へと向かったのだった。
「ただいま」
「おそうめん、湯掻いたのを今、冷やしているところ。一緒に食べましょう」
そう話す妻の顔を見ると、先程までの体の重さは形を潜めて、軽やかになる心地がした。
人間が大人になることで訪れる画期的な変化とは、きっと、こういうことなのだ。自らが家族を築き、養い、心休まる時間を共有する。いつも当たり前にしていることではあるけれど、少年時代には想像もできないことだった。
それは、幼虫の頃には葉の上から動くことの出来なかった青条揚羽が、自由奔放にこの世界を飛び回ることができるのにも値するほどに素晴らしいことかも知れないと思った。
いつものように、洗面所で手洗いとうがいを済ませた僕は、公園でひらひらと飛んでいた青条揚羽のように、弾んだ気持ちで居間へと向かったのだった。
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