【2】
ー/ー
「なあ、舞。これで二度目だけど、こっち来るのってあっと言う間じゃなかったか? 駅からも近い方だし、お前でもそこまで負担じゃないと思うんだけど。もし顔見たかったらいつでも来ればいいよ。普通の週末だって。ああ、俺もどうにか時間作って東京行くようにするから」
「そう、ですね。──確かに『今だけ』じゃないですもんね。あなたとは」
この先もずっと、共にいたい。互いにそう考えてるからこそ、一時の激情で動くのはよくない。
「その通り! なあ、舞。特別お目当てないなら青葉城どうだ? 『城』というか城跡だけどさ。仙台に来たら『仙台らしい』ところ行こう。実は俺も行ったことないんだ」
「いいですね。だったら今から行きませんか?」
そうしよう、と腰を浮かせた俺に、舞がふと思いついたように口を開いた。
「あ、わたし『牛タン』食べてみたいんです。『仙台行ったら牛タンだ!』って友達が言ってたので」
珍しく自分から要望を告げて来る彼女に少し驚き、すぐに承諾した。
「あー、いいよ。俺、牛タンって薄いのしか知らなかったから、こっち来てから食べた分厚い牛タンにびっくりしたんだよな。すげえ美味かったし。今晩でいいか?」
「はい。楽しみです」
まだ一日目も半分残ってる。青葉城行って、夕飯は同僚に教えてもらった店で牛タン食おう!
「彰人さんもまだ全然観光してないなら、わたしと初めて行くことになるんですね」
「……そうだな。仕事ばっかでそんな余裕なかったから」
これからしばらくは暮らす街。
観光で来たわけじゃないとはいえ、有名なところは回っておくか。
「せっかくだから旅行者気分に浸ってみるか~。松島も行かないか? 明日にでも」
「行きましょう」
嬉しそうに微笑む恋人に、俺も自然と笑顔になる。お前が「出掛けたい・足伸ばしたい」なんて思うのは俺と一緒だからだよな?
そんなことも嬉しい。
舞と違って俺は一応ここに住んでるから、旅行というか「小旅行」がせいぜいか。それも大袈裟かな?
──いや、旅行なんて距離じゃなくて気持ちでもいいよな。
~END~
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