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いただきます

ー/ー



 それを聞いて真弓は困った顔をした。

「お嬢様、お嬢様と使用人が同じテーブルで食事なんて……」

 亜子はその言葉に首を横に振る。

「私、誰かと一緒に食事がしたいんです! 御影さんは一緒にしてくれなかったので……」

 御影をチラリとみて、反対されないか亜子は伺った。

 返答は無かったが、その無言が答えなのだろう。

 真弓が「うーん」と悩んだ後に言う。

「それじゃお客様が居ない時はご一緒させて頂きましょうか?」

 その言葉に亜子は顔が明るくなった。

 釧路家の面々は配膳カートに肉じゃがとほかほかのご飯を乗せて食堂まで運ぶ。

 お嬢様を上座に座らせ、その横に「真菜がお姉様の座るー!」と言うので真菜。

 向かい合って真幸と真弓が座った。

「それじゃ、いただきます!」

 照れながら亜子が言い、釧路家の面々も同じように「いただきます」と言う。

 亜子は肉じゃがのジャガイモを箸でつまんで食べる。

「あ、おいしい!」

 味付けはとても自分好みだった亜子。そんな言葉を聞いて真弓はホッとした。

「お嬢様のお口に合ったようでなによりです」

 真菜は肉を食べて目を輝かせる。

「なにこのお肉!? なんていうか、こう! なんていうか!!」

 思わず真幸が肉を口に運びながらツッコミを入れた。

「言葉になってねえよ……。!! なんだこの肉!! なんていうか!! なんていうか!!」

 始めて食べる高級な肉に、真菜も真幸も感想が出てこなかった。

 ツッコもうと思った真幸まで同じ反応をしていて、思わず亜子は笑いそうになる。

 真菜はやっと感想が出てきた。

「高級なお肉って感じで、なんていうか、生きててよかったみたいな味!!」

 亜子はたまらず笑ってしまった。

「真菜ちゃん言いすぎだって」

 だが、真幸は頷いている、

「真菜の言う通り、高級でそれでいて、おいしくて、おいしい!」

 釧路家の子供達はボキャブラリーが貧弱であった。

 亜子はポツリと言う。

「こんな風に笑って誰かと食事ができるなんて幸せです……」

 真幸も思わず亜子の名を口にしてしまった。

「亜子お嬢様……」

 真菜は元気いっぱいに亜子へ言った。

「亜子お姉様! これからもいっぱい一緒に食べましょうね!」

 その言葉に亜子は思い切り頷いた。

「うん!」



 食事が終わり、釧路家の面々は片付けを始める。

 そこへ亜子が声を掛けた。

「私も手伝います!」

 亜子に真弓は笑顔で答える。

「あらあら、そのお気持ちは嬉しいですわ。でも後は洗い物をするだけですし……」

「でも、皆さんと一緒に居たいんです! お手伝いしたいんです!」

 真菜は腰に両手を当てて言う。

「お手伝いするのは私達の仕事です! お任せくださいお姉様!」

 だが、亜子は寂しそうな顔をしてしまった。

 それに気付き、真弓は提案する。

「それじゃ、食後のお茶をお嬢様にはお願いしましょうかしら」

 亜子はその提案に食い気味に乗った。

「! 任せて下さい! お茶は得意なんです!」

「亜子お姉様のお茶楽しみー!」

 真幸も同じく気持ちを口にする。

「亜子お嬢様のお茶。きっと美味しいだろうなぁ……」



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 それを聞いて真弓は困った顔をした。
「お嬢様、お嬢様と使用人が同じテーブルで食事なんて……」
 亜子はその言葉に首を横に振る。
「私、誰かと一緒に食事がしたいんです! 御影さんは一緒にしてくれなかったので……」
 御影をチラリとみて、反対されないか亜子は伺った。
 返答は無かったが、その無言が答えなのだろう。
 真弓が「うーん」と悩んだ後に言う。
「それじゃお客様が居ない時はご一緒させて頂きましょうか?」
 その言葉に亜子は顔が明るくなった。
 釧路家の面々は配膳カートに肉じゃがとほかほかのご飯を乗せて食堂まで運ぶ。
 お嬢様を上座に座らせ、その横に「真菜がお姉様の座るー!」と言うので真菜。
 向かい合って真幸と真弓が座った。
「それじゃ、いただきます!」
 照れながら亜子が言い、釧路家の面々も同じように「いただきます」と言う。
 亜子は肉じゃがのジャガイモを箸でつまんで食べる。
「あ、おいしい!」
 味付けはとても自分好みだった亜子。そんな言葉を聞いて真弓はホッとした。
「お嬢様のお口に合ったようでなによりです」
 真菜は肉を食べて目を輝かせる。
「なにこのお肉!? なんていうか、こう! なんていうか!!」
 思わず真幸が肉を口に運びながらツッコミを入れた。
「言葉になってねえよ……。!! なんだこの肉!! なんていうか!! なんていうか!!」
 始めて食べる高級な肉に、真菜も真幸も感想が出てこなかった。
 ツッコもうと思った真幸まで同じ反応をしていて、思わず亜子は笑いそうになる。
 真菜はやっと感想が出てきた。
「高級なお肉って感じで、なんていうか、生きててよかったみたいな味!!」
 亜子はたまらず笑ってしまった。
「真菜ちゃん言いすぎだって」
 だが、真幸は頷いている、
「真菜の言う通り、高級でそれでいて、おいしくて、おいしい!」
 釧路家の子供達はボキャブラリーが貧弱であった。
 亜子はポツリと言う。
「こんな風に笑って誰かと食事ができるなんて幸せです……」
 真幸も思わず亜子の名を口にしてしまった。
「亜子お嬢様……」
 真菜は元気いっぱいに亜子へ言った。
「亜子お姉様! これからもいっぱい一緒に食べましょうね!」
 その言葉に亜子は思い切り頷いた。
「うん!」
 食事が終わり、釧路家の面々は片付けを始める。
 そこへ亜子が声を掛けた。
「私も手伝います!」
 亜子に真弓は笑顔で答える。
「あらあら、そのお気持ちは嬉しいですわ。でも後は洗い物をするだけですし……」
「でも、皆さんと一緒に居たいんです! お手伝いしたいんです!」
 真菜は腰に両手を当てて言う。
「お手伝いするのは私達の仕事です! お任せくださいお姉様!」
 だが、亜子は寂しそうな顔をしてしまった。
 それに気付き、真弓は提案する。
「それじゃ、食後のお茶をお嬢様にはお願いしましょうかしら」
 亜子はその提案に食い気味に乗った。
「! 任せて下さい! お茶は得意なんです!」
「亜子お姉様のお茶楽しみー!」
 真幸も同じく気持ちを口にする。
「亜子お嬢様のお茶。きっと美味しいだろうなぁ……」