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【次回完結】第45話【覚醒編】不純物たちの最終決戦!再起動の産声は絶望を切り裂く

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第45話【覚醒編】不純物たちの最終決戦!再起動の産声は絶望を切り裂く


「……無駄なことを」

​広場は混沌の渦中にあった。しかし、ウラヌスだけは、その喧騒から切り離されたかのように冷徹だった。

「群れたところで、データの塵が増えるだけです」

​神剣デウスエクスマキナの一振りが、大気を真空の刃へと変える。

――キィィィィィィン!!

武器を持たぬテラとアレスは、その圧倒的な衝撃波に弾き飛ばされ、処刑台の石柱に叩きつけられた。

「……ぐっ、……クソ……っ!」

「あ……あぁ……」

​ボロボロの体で立ち上がろうとする二人。だが、ウラヌスの剣が未来を固定するように、その喉元へ突き出される。
もはや万策尽きたか、と民衆が悲鳴を上げたその時だった。

「テラ様!これを!!」

​広場の瓦礫を飛び越え、セレネが全力で〝それ〟を投げ渡した。空中で黄金の軌跡を描く、一振りの剣。

「ガイア……セイバー……?」

​テラの右手が、吸い付くようにその柄を掴んだ。

​――シュパァァァッ!!

その瞬間、爆発的な黄金の光が噴出し、広場全域を昼間のような輝きで満たした。

『よぉテラ!久しぶりだな!元気してたかー!?』

「……おせぇんだよ、この馬鹿剣!心配させやがって!」

​一方、アレスの前にはメルクリアが滑り込み、黒紫の魔剣を放り投げた。
サタンブレイドを掴んだアレスの周囲に、禍々しくも頼もしい闇の雷鳴が走る。

『アレス、寂しくて泣いてたんじゃない?大丈夫?』

「な、泣いてなんか……!……ちょっとしてたけどッ!!」

​テラがガイアセイバーを正眼に構え、アレスがサタンブレイドの切っ先をウラヌスに向けた。
二人の瞳には、不屈の闘志が宿っている。

「さあ、最終決戦だ!!」

「……無駄なことを。武器が戻ったところで、予知される結末は変わりません」

​横からネプチューンが嘲笑を重ねる。

「そうだ!ばかめ!デウスエクスマキナに勝てる者などこの世におらんわ!塵になれ、不純物ども!!」

​激突。三つの閃光が中心でぶつかり合い、爆圧で広場の石畳がめくれ上がる。
ウラヌスの振るう神剣デウスエクスマキナは、依然として冷徹な〝正解〟を刻み続けている。コンマ数秒先の未来を確定させるその動きに、本来なら抗う術はない。
だが、復活した相棒たちは、その〝予知〟を、圧倒的な〝熱量〟で焼き切った。

『――予測だと?笑わせるな。私たちの出力は、神様の算盤に収まるほど安くない!』

​ガイアセイバーの刀身から黄金のプラズマが噴き出す。ウラヌスが予知した〝着弾点〟を強引な軌道修正が塗り替えた。
物理法則を無視した急加速。神の目が捉えた残像のさらに先を、ガイアセイバーの重量級の一撃が強襲する。

「……っ、加速値が計算と合わない!?」

一方、アレスのサタンブレイドは、空間そのものを呪縛するような漆黒の稲妻を撒き散らしていた。

『アレス!未来を読まれるなら、読む価値もないほどデタラメに暴れてやりなさい!』

「わかってる!……不運だろうが何だろうが、全部ぶち込んでやるッ!!」

​ーーバチバチバチッ!!ズドォォォン!!

​アレスの放つ〝深淵雷鳴断罪(アビス・ボルト・ブレイク)〟は、直撃の瞬間に数千の細かな火花へと枝分かれし、ウラヌスの回避地点をすべて埋め尽くす。

「……ッ!」

予測したところで逃げ場がない。全方位からの飽和攻撃。神剣が防衛のために高速回転し、火花を散らす。
だが、その防御すらもテラの剛腕が力任せにねじ伏せた。

「未来が見えてるなら、これから自分がブッ飛ばされる姿もしっかり見ておけよ!」

――ズドォォォォォォン!!

​予知された〝点〟を、物理的な〝面〟で押し潰す。
復活した二振りの武器が放つエネルギーは、もはやウラヌスの脳内にある〝完璧な世界〟のシミュレーションを完全にオーバーフローさせていた。

「テラ様!今です!鞘の飾り…〝おまじない〟を、デウスエクスマキナの〝目〟に当てて下さい!!」

​「……おうッ!!」

​セレネの叫びに応じ、テラは左手に持った鞘を突き出した。
ウラヌスはそれを剣で弾こうとするが、テラはガイアセイバーを囮にして、身を挺して神剣の懐へと飛び込んだ。

「喰らえぇぇぇーーッ!!」

​鞘に刻まれたクレーネの飾りが、デウスエクスマキナの柄にある蠢く〝目〟に激突した。

​――ギィィィヤァァァア!!ガガガガガガ■■■ーーーッ!!!

​その瞬間、神剣から聞いたこともないような異様な悲鳴が上がる。
内部で自己破壊プログラムが連鎖し、眩い黄金の剣身が、ガラスのように砕け散った。

「なっ……私の未来が……物理演算が、消えていく……!?」

「吹き飛べ!テラ・クラァァァッシュ!!」

​――ズドォォォォォォンッ!!

​衝撃波に吹き飛ばされ、ウラヌスは玉座の近く、ネプチューンの足元へと無様に転がった。

「……っ、この役立たずのクソ人形が!神である私の舞台を汚しおって!立て、立って戦えと言っているのだ!!」

​ネプチューンが、地に這うウラヌスを激しく蹴りつける。
プライドを傷つけられた神の醜い罵詈雑言が広場に響く。
だが、ウラヌスがゆっくりと顔を上げた時、その瞳は機械的な冷徹さを超えた、暗い殺意に染まっていた。

「……役立たずは、どちらだ」

​流れるような動きで、ウラヌスが神剣の残骸をネプチューンの胸元へ突き立てた。

「がはっ……!?き、貴様……何を……?」

「私は最強の真勇者。……神などという不安定な演算装置は、もはや不要です」

​ネプチューンは絶望に顔を歪ませながら、倒れた。
自ら作り上げた〝完璧な人形〟に殺されるという、滑稽な幕切れだった。

「さあ、次はあなたたちです……!」

​狂気に駆られたウラヌスが襲いかかる。だが、テラはすでにガイアセイバーを最大出力で噴かせていた。

「お前の予知する未来に、私たちの〝不純物(ノイズ)〟は入ってなかったみたいだな!!」

「これが最後だ!テラ・クラァァァッシュ!!!」

​――ズドォォォォォォォォォォォォンッッッ!!

​黄金の衝撃波が、逃げ場のないウラヌスの全身を真正面から飲み込んだ。

「あ……が、あああああッ!!」

​未来を演算し続けた神の瞳が、初めて恐怖の色に染まり、直後に白光の中へと消失する。

………………。

………。

――カラン

​爆炎が収まった後に転がっていたのは、バラバラに壊れ、ただの塊と化した人形のパーツだった。

「……やっぱり、人形か。どおりで、〝生きてる手応え〟がしねえと思ったぜ」

​どんなに未来を読み、神の力を振るおうとも、その胸の内に〝熱〟はなかった。
誰かのために叫び、不運を呪い、それでも泥をすすって未来のために突き進む――。そんな〝熱〟が。



「「「ワァァァァァァ!!」」」

​一瞬の静寂の後、広場は割れんばかりの大歓声に包まれた。
民衆が抱き合い、自由の訪れを祝う中、セレネに付き添われたクレーネが、駆け寄ってきたゴブニュの胸に飛び込んだ。

「クレーネ……!ああ、よかった、本当によかった……っ!」

「お兄ちゃん……!」

​血の通った再会を見届け、アレスはサタンブレイドを肩に担ぎ、晴れ渡った空を仰ぎ見た。

「僕……やりましたよ、魔王様。不運ばかりの僕でも、最高の結末にたどり着けました」

​〝不純物〟と呼ばれた彼らが、今、世界に最も純粋な〝自由〟をもたらしたのだ。






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第45話【覚醒編】不純物たちの最終決戦!再起動の産声は絶望を切り裂く
「……無駄なことを」
​広場は混沌の渦中にあった。しかし、ウラヌスだけは、その喧騒から切り離されたかのように冷徹だった。
「群れたところで、データの塵が増えるだけです」
​神剣デウスエクスマキナの一振りが、大気を真空の刃へと変える。
――キィィィィィィン!!
武器を持たぬテラとアレスは、その圧倒的な衝撃波に弾き飛ばされ、処刑台の石柱に叩きつけられた。
「……ぐっ、……クソ……っ!」
「あ……あぁ……」
​ボロボロの体で立ち上がろうとする二人。だが、ウラヌスの剣が未来を固定するように、その喉元へ突き出される。
もはや万策尽きたか、と民衆が悲鳴を上げたその時だった。
「テラ様!これを!!」
​広場の瓦礫を飛び越え、セレネが全力で〝それ〟を投げ渡した。空中で黄金の軌跡を描く、一振りの剣。
「ガイア……セイバー……?」
​テラの右手が、吸い付くようにその柄を掴んだ。
​――シュパァァァッ!!
その瞬間、爆発的な黄金の光が噴出し、広場全域を昼間のような輝きで満たした。
『よぉテラ!久しぶりだな!元気してたかー!?』
「……おせぇんだよ、この馬鹿剣!心配させやがって!」
​一方、アレスの前にはメルクリアが滑り込み、黒紫の魔剣を放り投げた。
サタンブレイドを掴んだアレスの周囲に、禍々しくも頼もしい闇の雷鳴が走る。
『アレス、寂しくて泣いてたんじゃない?大丈夫?』
「な、泣いてなんか……!……ちょっとしてたけどッ!!」
​テラがガイアセイバーを正眼に構え、アレスがサタンブレイドの切っ先をウラヌスに向けた。
二人の瞳には、不屈の闘志が宿っている。
「さあ、最終決戦だ!!」
「……無駄なことを。武器が戻ったところで、予知される結末は変わりません」
​横からネプチューンが嘲笑を重ねる。
「そうだ!ばかめ!デウスエクスマキナに勝てる者などこの世におらんわ!塵になれ、不純物ども!!」
​激突。三つの閃光が中心でぶつかり合い、爆圧で広場の石畳がめくれ上がる。
ウラヌスの振るう神剣デウスエクスマキナは、依然として冷徹な〝正解〟を刻み続けている。コンマ数秒先の未来を確定させるその動きに、本来なら抗う術はない。
だが、復活した相棒たちは、その〝予知〟を、圧倒的な〝熱量〟で焼き切った。
『――予測だと?笑わせるな。私たちの出力は、神様の算盤に収まるほど安くない!』
​ガイアセイバーの刀身から黄金のプラズマが噴き出す。ウラヌスが予知した〝着弾点〟を強引な軌道修正が塗り替えた。
物理法則を無視した急加速。神の目が捉えた残像のさらに先を、ガイアセイバーの重量級の一撃が強襲する。
「……っ、加速値が計算と合わない!?」

一方、アレスのサタンブレイドは、空間そのものを呪縛するような漆黒の稲妻を撒き散らしていた。
『アレス!未来を読まれるなら、読む価値もないほどデタラメに暴れてやりなさい!』
「わかってる!……不運だろうが何だろうが、全部ぶち込んでやるッ!!」
​ーーバチバチバチッ!!ズドォォォン!!
​アレスの放つ〝深淵雷鳴断罪(アビス・ボルト・ブレイク)〟は、直撃の瞬間に数千の細かな火花へと枝分かれし、ウラヌスの回避地点をすべて埋め尽くす。
「……ッ!」
予測したところで逃げ場がない。全方位からの飽和攻撃。神剣が防衛のために高速回転し、火花を散らす。
だが、その防御すらもテラの剛腕が力任せにねじ伏せた。
「未来が見えてるなら、これから自分がブッ飛ばされる姿もしっかり見ておけよ!」
――ズドォォォォォォン!!
​予知された〝点〟を、物理的な〝面〟で押し潰す。
復活した二振りの武器が放つエネルギーは、もはやウラヌスの脳内にある〝完璧な世界〟のシミュレーションを完全にオーバーフローさせていた。
「テラ様!今です!鞘の飾り…〝おまじない〟を、デウスエクスマキナの〝目〟に当てて下さい!!」
​「……おうッ!!」
​セレネの叫びに応じ、テラは左手に持った鞘を突き出した。
ウラヌスはそれを剣で弾こうとするが、テラはガイアセイバーを囮にして、身を挺して神剣の懐へと飛び込んだ。
「喰らえぇぇぇーーッ!!」
​鞘に刻まれたクレーネの飾りが、デウスエクスマキナの柄にある蠢く〝目〟に激突した。
​――ギィィィヤァァァア!!ガガガガガガ■■■ーーーッ!!!
​その瞬間、神剣から聞いたこともないような異様な悲鳴が上がる。
内部で自己破壊プログラムが連鎖し、眩い黄金の剣身が、ガラスのように砕け散った。
「なっ……私の未来が……物理演算が、消えていく……!?」
「吹き飛べ!テラ・クラァァァッシュ!!」
​――ズドォォォォォォンッ!!
​衝撃波に吹き飛ばされ、ウラヌスは玉座の近く、ネプチューンの足元へと無様に転がった。
「……っ、この役立たずのクソ人形が!神である私の舞台を汚しおって!立て、立って戦えと言っているのだ!!」
​ネプチューンが、地に這うウラヌスを激しく蹴りつける。
プライドを傷つけられた神の醜い罵詈雑言が広場に響く。
だが、ウラヌスがゆっくりと顔を上げた時、その瞳は機械的な冷徹さを超えた、暗い殺意に染まっていた。
「……役立たずは、どちらだ」
​流れるような動きで、ウラヌスが神剣の残骸をネプチューンの胸元へ突き立てた。
「がはっ……!?き、貴様……何を……?」
「私は最強の真勇者。……神などという不安定な演算装置は、もはや不要です」
​ネプチューンは絶望に顔を歪ませながら、倒れた。
自ら作り上げた〝完璧な人形〟に殺されるという、滑稽な幕切れだった。
「さあ、次はあなたたちです……!」
​狂気に駆られたウラヌスが襲いかかる。だが、テラはすでにガイアセイバーを最大出力で噴かせていた。
「お前の予知する未来に、私たちの〝不純物(ノイズ)〟は入ってなかったみたいだな!!」
「これが最後だ!テラ・クラァァァッシュ!!!」
​――ズドォォォォォォォォォォォォンッッッ!!
​黄金の衝撃波が、逃げ場のないウラヌスの全身を真正面から飲み込んだ。
「あ……が、あああああッ!!」
​未来を演算し続けた神の瞳が、初めて恐怖の色に染まり、直後に白光の中へと消失する。
………………。
………。
――カラン
​爆炎が収まった後に転がっていたのは、バラバラに壊れ、ただの塊と化した人形のパーツだった。
「……やっぱり、人形か。どおりで、〝生きてる手応え〟がしねえと思ったぜ」
​どんなに未来を読み、神の力を振るおうとも、その胸の内に〝熱〟はなかった。
誰かのために叫び、不運を呪い、それでも泥をすすって未来のために突き進む――。そんな〝熱〟が。
「「「ワァァァァァァ!!」」」
​一瞬の静寂の後、広場は割れんばかりの大歓声に包まれた。
民衆が抱き合い、自由の訪れを祝う中、セレネに付き添われたクレーネが、駆け寄ってきたゴブニュの胸に飛び込んだ。
「クレーネ……!ああ、よかった、本当によかった……っ!」
「お兄ちゃん……!」
​血の通った再会を見届け、アレスはサタンブレイドを肩に担ぎ、晴れ渡った空を仰ぎ見た。
「僕……やりましたよ、魔王様。不運ばかりの僕でも、最高の結末にたどり着けました」
​〝不純物〟と呼ばれた彼らが、今、世界に最も純粋な〝自由〟をもたらしたのだ。