やわらかな雨の下で
ー/ー 路地裏を、私は子どもたちを連れて進む。
雨粒が静かに落ちはじめ、冷えた空気が毛を撫でていく。
アスファルトには細い水の筋が生まれ、夜の匂いを薄めていく。
ふたりの子は私の足元にくっつくように歩く。
知らない匂いのする角、いつのまにか置かれた段ボール、
濡れた袋が風に鳴らす音⋯⋯どれも油断ならない。
古い軒下にたどり着くと、子どもたちはほっとして丸くなった。
尾で軽くその背を触れ、ここは大丈夫だと伝える。
雨脚は弱まらず、路地の影に細かな音をまき散らす。
遠くの光が滲み、夜はますます深くなる。
それでも私は空を見上げる。
この小さな命を胸に抱えて、もうしばらく雨宿りを続けよう。
ーーーーー
《短歌》
雨の夜 胸のおくでひかる ふたつの目
守るものあれば それだけで進む
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