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双葉

ー/ー



 さらさらと風の流れる音。その中に、草を掻き分けるざわざわという音。

 見上げると、杖をついたおじいさんが、静かに前を見据えていました。麦藁帽で隠れた顔はよく見えないけれど、きっとこの人は優しい人なんだと、一目でわかりました。

 じっとおじいさんを見ていたら、ふと目が合いました。ぼくもおじいさんも、ちょっとびっくりしました。
 けれどもおじいさんはすぐにほほえんで、それからゆっくりとしゃがみ込みました。

「初めまして」

 そう言って、しわだらけの顔をもっとしわくちゃにして、ぼくの小さな双葉を優しく撫でました。


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 さらさらと風の流れる音。その中に、草を掻き分けるざわざわという音。
 見上げると、杖をついたおじいさんが、静かに前を見据えていました。麦藁帽で隠れた顔はよく見えないけれど、きっとこの人は優しい人なんだと、一目でわかりました。
 じっとおじいさんを見ていたら、ふと目が合いました。ぼくもおじいさんも、ちょっとびっくりしました。
 けれどもおじいさんはすぐにほほえんで、それからゆっくりとしゃがみ込みました。
「初めまして」
 そう言って、しわだらけの顔をもっとしわくちゃにして、ぼくの小さな双葉を優しく撫でました。