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遅刻しそうになったのでダッシュで学校へ。
その間にソースケにいろいろ聞いてみたんだけど「タケルのこと? なんか面白そうなやつだから会いたくなって」。なるほど、ソースケも俺のワーウルフ化については全く分からないんだな。
そしてさらに「帰りにタケルんち泊まっていいかな?」ってオイ!居候がいまぶっ倒れてる最中なのにそれは勘弁! ソースケだって帰るところあるだろーが!
「直接森から来ちゃったんだ、だから家ってのはなあ……」
ピタッと足を止めて、寂しそうに言った。
「まあ、ダメなら野宿コースかな」
負けた。

⭐︎⭐︎⭐︎
用意周到。ソースケは転入届といい必要書類ぜーんぶ持ってて速攻で俺たちのクラスへと着いた。でもって席は俺の隣。教科書とかタブレット見せて……と。いやいやこいつキツネだろ? 野生動物だろ? なんでこんなに詳しいのさ!
「いつか教えるよ」ってあいまいな答えであっという間に放課後。俺はソースケと一緒に帰ることとなった。

「では本題」
ソースケの細い目が、なんか真剣そうに見えた。あと牙っぽく見える八重歯も。
「明日香コタローって……タケルの家にいるよね」
俺の足が止まった。ちょっと待て、コタローのこと知ってたのか?
「もちろんだよ、森でもコタローの活躍っぷりは知れ渡ってるし」
活躍……つまりイノシシとか倒した実績かな。つーかまた考え読まれたし。
「謎の組織に重傷を負わされ、刀を奪われた……ってこともね」
「え、重傷? あいつそんなひどいケガには……」
「おいらは重傷だと聞かされた、それを確かめに来たんだ」
背筋を冷たい汗が走る。
ウソだろおい、確かにコタローはちょっと歩くの辛そうだったけど、それ以外は大したことなさそうに見えたもん。あいつも大丈夫だって言ってたし。
「タケルに辛さを見せたくなかったんじゃ?」
ウソだ! 俺はスーパーでの買い物も忘れて家へと走った。コタロー、マジかよそんなひどいケガだったなんて、気づかなかった俺は、俺は……!

「あ、足臭オオカミさん!」
陽の落ちかけたアパートの手前で、突然聞いたことのある女性の声がしたんで急ブレーキ。つーかそのニックネームやめろオイ!
振り向くとそこには……コタローと似た感じの袴姿をした女の子が。いやなんていうか、コタローの女性バージョン?
つーか女友達なんてアイツしかいないし、足臭オオカミだなんて知ってるの動物仲間しかいないぞ。
「えっと、誰……?」
「おいアケビ! おまえまだ変化修行の途中だろ!」
追いついてきたソースケがそんなこと言ったんだけど……
え、アケビ? イタチのアケビのこと!?

「えっと、あの……コタローさんどこ行ったか分かりませんか?」
コタローは俺の部屋で静養してるはず、つーかなんで? いや勝手に俺んち入ったのかよ!
「コタローさん、いないんです……」

え、マジ?


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遅刻しそうになったのでダッシュで学校へ。
その間にソースケにいろいろ聞いてみたんだけど「タケルのこと? なんか面白そうなやつだから会いたくなって」。なるほど、ソースケも俺のワーウルフ化については全く分からないんだな。
そしてさらに「帰りにタケルんち泊まっていいかな?」ってオイ!居候がいまぶっ倒れてる最中なのにそれは勘弁! ソースケだって帰るところあるだろーが!
「直接森から来ちゃったんだ、だから家ってのはなあ……」
ピタッと足を止めて、寂しそうに言った。
「まあ、ダメなら野宿コースかな」
負けた。
⭐︎⭐︎⭐︎
用意周到。ソースケは転入届といい必要書類ぜーんぶ持ってて速攻で俺たちのクラスへと着いた。でもって席は俺の隣。教科書とかタブレット見せて……と。いやいやこいつキツネだろ? 野生動物だろ? なんでこんなに詳しいのさ!
「いつか教えるよ」ってあいまいな答えであっという間に放課後。俺はソースケと一緒に帰ることとなった。
「では本題」
ソースケの細い目が、なんか真剣そうに見えた。あと牙っぽく見える八重歯も。
「明日香コタローって……タケルの家にいるよね」
俺の足が止まった。ちょっと待て、コタローのこと知ってたのか?
「もちろんだよ、森でもコタローの活躍っぷりは知れ渡ってるし」
活躍……つまりイノシシとか倒した実績かな。つーかまた考え読まれたし。
「謎の組織に重傷を負わされ、刀を奪われた……ってこともね」
「え、重傷? あいつそんなひどいケガには……」
「おいらは重傷だと聞かされた、それを確かめに来たんだ」
背筋を冷たい汗が走る。
ウソだろおい、確かにコタローはちょっと歩くの辛そうだったけど、それ以外は大したことなさそうに見えたもん。あいつも大丈夫だって言ってたし。
「タケルに辛さを見せたくなかったんじゃ?」
ウソだ! 俺はスーパーでの買い物も忘れて家へと走った。コタロー、マジかよそんなひどいケガだったなんて、気づかなかった俺は、俺は……!
「あ、足臭オオカミさん!」
陽の落ちかけたアパートの手前で、突然聞いたことのある女性の声がしたんで急ブレーキ。つーかそのニックネームやめろオイ!振り向くとそこには……コタローと似た感じの袴姿をした女の子が。いやなんていうか、コタローの女性バージョン?
つーか女友達なんてアイツしかいないし、足臭オオカミだなんて知ってるの動物仲間しかいないぞ。
「えっと、誰……?」
「おいアケビ! おまえまだ変化修行の途中だろ!」
追いついてきたソースケがそんなこと言ったんだけど……
え、アケビ? イタチのアケビのこと!?
「えっと、あの……コタローさんどこ行ったか分かりませんか?」
コタローは俺の部屋で静養してるはず、つーかなんで? いや勝手に俺んち入ったのかよ!
「コタローさん、いないんです……」
え、マジ?