蒼炎の選別
ー/ー
太陽が「紫」へと姿を変えた翌年
2077年
再び太陽はその姿を変えるのである。
「紅」から「紫」そして「蒼」へと。
「蒼い太陽」は
人類が築きあげてきた
常識を焼き尽くす。
世界中で大規模な電波障害が起き
人々は情報を共有する術を失った、
スマートフォンはもちろん
軍事的用途で使用されるもの含め
ほぼ全ての通信機器が
正常に機能しなくなったのだが
情報の混乱が起きたのは
電波障害によるものだけの
影響では無かったのである。
蒼い太陽が昇ったその日
世界中で5歳児以下の子供が眠りから
目覚めないという報告があった。
皆まるで人形のように目を閉じたまま
だが呼吸等の生命活動に問題は無く
現段階で分かり得る影響は
ただ眠り続けるということ。
対して6歳以上の子供達には
灰人と同じような痛みを訴える者が
続出し、大人たちは陽の光が
届かないところへ子供達を避難させた。
しかし人類にとっての最も大きな厄災は
20歳以上、成人した大人達に
降りかかったのだ。
全身を陽に焼かれる痛みと共に
著しい身体能力の低下が見られた、
具体的な数値を計測出来た者はいないが
筋力含め生命維持に必要な機能が
正常値の半分以下にまで低下、
それにより人類の6割が死亡し
もしくは自力での生命維持が
困難な状況となった。
20代の者の中には
元の身体能力が高く辛うじて
歩行できる者もいたが
40代以上となると約9割が
生命活動を維持できず生き絶えた。
「蒼い太陽」は一瞬にして
現人類の代表者と人々が引き継ぎ
これからも繋いでいくであろう叡智を
焼き払ったのである。
そうして常識は崩壊した。
その燃え滓のような世界の中で
瓦礫の中から這い出した「彼ら」は
自身の身体に起きている"当たり前"に
気付くと、神に中指を立て感謝する。
「神様ドウモ御贔屓ニ」
"灰人"と呼ばれた彼らには
身体能力の低下は
見られなかったのだ。
元々日陰での暮らしのおかげで
太陽の光を浴びていなかったから
そうではない。
紫炎の太陽と同様に
焼けるような痛みは伴うが
"それだけ"なのである。
正常に臓器は機能し筋力の低下もない、
そんな当たり前が"蒼い世界"では
彼等を超人のような存在へと変えた。
彼等は笑みを浮かべる。
それは喜びの笑みと呼ぶには
あまりにも多くの不純物が含まれていた。
男は、隙間なく塗料で
埋め尽くされた身体を
蒼い光に焼かれながら、
1年越しの太陽の下
拳を握り、野太い咆哮と共に
走り出す
その声に続くように多くの者達が
光の中へと飛び込んでゆく、
もはや痛みなど感じない。
今この世界を駆ける者は
我々だけなのだ。
踏み込む足は力強く
拳へ伝わる鼓動は更に強く。
叩く、叩く!叩く!!叩け!!!!!
さぁ、新しい世界の幕開けなのだから
挨拶にでも行ってやらなければ。
我々を"ハイジン"と呼び嘲笑った
元人類代表者様達へ。
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人類が築きあげてきた
常識を焼き尽くす。
世界中で大規模な電波障害が起き
人々は情報を共有する術を失った、
スマートフォンはもちろん
軍事的用途で使用されるもの含め
ほぼ全ての通信機器が
正常に機能しなくなったのだが
情報の混乱が起きたのは
電波障害によるものだけの
影響では無かったのである。
蒼い太陽が昇ったその日
世界中で5歳児以下の子供が眠りから
目覚めないという報告があった。
皆まるで人形のように目を閉じたまま
だが呼吸等の生命活動に問題は無く
現段階で分かり得る影響は
ただ眠り続けるということ。
対して6歳以上の子供達には
灰人と同じような痛みを訴える者が
続出し、大人たちは陽の光が
届かないところへ子供達を避難させた。
しかし人類にとっての最も大きな厄災は
20歳以上、成人した大人達に
降りかかったのだ。
全身を陽に焼かれる痛みと共に
著しい身体能力の低下が見られた、
具体的な数値を計測出来た者はいないが
筋力含め生命維持に必要な機能が
正常値の半分以下にまで低下、
それにより人類の6割が死亡し
もしくは自力での生命維持が
困難な状況となった。
20代の者の中には
元の身体能力が高く辛うじて
歩行できる者もいたが
40代以上となると約9割が
生命活動を維持できず生き絶えた。
「蒼い太陽」は一瞬にして
現人類の代表者と人々が引き継ぎ
これからも繋いでいくであろう叡智を
焼き払ったのである。
そうして常識は崩壊した。
その燃え滓のような世界の中で
瓦礫の中から這い出した「彼ら」は
自身の身体に起きている"当たり前"に
気付くと、神に中指を立て感謝する。
「神様ドウモ御贔屓ニ」
"灰人"と呼ばれた彼らには
身体能力の低下は
見られなかったのだ。
元々日陰での暮らしのおかげで
太陽の光を浴びていなかったから
そうではない。
紫炎の太陽と同様に
焼けるような痛みは伴うが
"それだけ"なのである。
正常に臓器は機能し筋力の低下もない、
そんな当たり前が"蒼い世界"では
彼等を超人のような存在へと変えた。
彼等は笑みを浮かべる。
それは喜びの笑みと呼ぶには
あまりにも多くの不純物が含まれていた。
男は、隙間なく塗料で
埋め尽くされた身体を
蒼い光に焼かれながら、
1年越しの太陽の下
拳を握り、野太い咆哮と共に
走り出す
その声に続くように多くの者達が
光の中へと飛び込んでゆく、
もはや痛みなど感じない。
今この世界を駆ける者は
我々だけなのだ。
踏み込む足は力強く
拳へ伝わる鼓動は更に強く。
叩く、叩く!叩く!!叩け!!!!!
さぁ、新しい世界の幕開けなのだから
挨拶にでも行ってやらなければ。
我々を"ハイジン"と呼び嘲笑った
元人類代表者様達へ。