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◆ ◆ ◆ 教授と准教授の陰のやりとり ◆ ◆ ◆


「よし。本研究室のカリキュラム『防災訓練』によって、仮性ペストの人用の抗血清を開発できたぞ」
 教授は狡猾な笑みを浮かべた。
「正に、本取り組み始まって以来の快挙ですね。生徒に予防接種と称して仮性ペスト菌の人間株を接種、街にも菌を散布する。病院と提携して、まだ動物でしかその効果を認められていない『毒葡萄』のジュースを生徒に飲ませる。『毒葡萄』は、単体で飲めば人を死に至らしめるほどの猛毒ですが、仮性ペスト患者に飲ませると何と、完全に治癒するだけでなく、IQと視力の劇的向上という副作用まで発現するんですね」
「ああ。この副作用だけは、本当に予想外だったよ。さらに、仮性ペストへの人間用の抗血清まで手に入った。これで、感染症学会での最優秀賞も見えてきたぞ」
「これでまた、医学も劇的に進歩しますね。生徒から得た抗血清を増産して、街の患者達の治療にも当たりましょう。しかし……」
 准教授は少しゾッとした顔をする。
「今回は成功したので助かりましたが、動物実験でも20パーセントは死に至る療法。大変な賭けでしたね」
 すると、教授は冷酷な笑みを浮かべた。
「なぁに、たとえ生徒が死に至ったとしても、感染事故によるものとして処理されるさ。それに、国外でもボラエ熱のような感染症が発生……いつまた、重大感染症が発生するか分からない、このご時世を考えると、感染災害に対する『防災訓練』は我が国では不可欠なのさ」


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◆ ◆ ◆ 教授と准教授の陰のやりとり ◆ ◆ ◆
「よし。本研究室のカリキュラム『防災訓練』によって、仮性ペストの人用の抗血清を開発できたぞ」
 教授は狡猾な笑みを浮かべた。
「正に、本取り組み始まって以来の快挙ですね。生徒に予防接種と称して仮性ペスト菌の人間株を接種、街にも菌を散布する。病院と提携して、まだ動物でしかその効果を認められていない『毒葡萄』のジュースを生徒に飲ませる。『毒葡萄』は、単体で飲めば人を死に至らしめるほどの猛毒ですが、仮性ペスト患者に飲ませると何と、完全に治癒するだけでなく、IQと視力の劇的向上という副作用まで発現するんですね」
「ああ。この副作用だけは、本当に予想外だったよ。さらに、仮性ペストへの人間用の抗血清まで手に入った。これで、感染症学会での最優秀賞も見えてきたぞ」
「これでまた、医学も劇的に進歩しますね。生徒から得た抗血清を増産して、街の患者達の治療にも当たりましょう。しかし……」
 准教授は少しゾッとした顔をする。
「今回は成功したので助かりましたが、動物実験でも20パーセントは死に至る療法。大変な賭けでしたね」
 すると、教授は冷酷な笑みを浮かべた。
「なぁに、たとえ生徒が死に至ったとしても、感染事故によるものとして処理されるさ。それに、国外でもボラエ熱のような感染症が発生……いつまた、重大感染症が発生するか分からない、このご時世を考えると、感染災害に対する『防災訓練』は我が国では不可欠なのさ」