翌朝。
真っ先に、僕は病院で診察を受けた。
「調子は、いかがですか?」
「はい。すっかり咳も出なくなり、熱も下がりました」
「ほう、それは何よりです」
医師は、カルテに書き込んでいる。
「それに……」
僕は付け加えた。
「IQと視力が飛躍的に向上しました」
「IQと視力!?」
医師は意外そうに、目を丸くしてこちらを見た。
「どうかしましたか?」
「いや……分かりました」
カルテにはっきりと『IQと視力の劇的向上』と書き込まれるのが見えた。
「ところで、簡単な健康診断をしたいと思いますので、血液検査をさせていただいていいですか?」
僕は血液検査のため、採血をされた。
◇
正午のニュースです。
アリフカを中心に猛威を振るっていたボラエ熱ですが、今しがた抗血清が開発されたと報告が入りました。
治癒した人の血液から分離した血清中の抗体が、患者の治療に有効です。
本開発によって、ボラエ熱感染被害が収束することが期待されます。
◇
僕は研究で生き残ったモルモットの頸静脈から血液を採取した。
そして、血清を分離して抗体価を測定し、仮性ペストの抗血清の作製に成功したのだ。
以前の僕では、即座に成果は残せないであろう。
『IQと視力の劇的向上』の賜物と思われた。
僕は卒論発表に向けて、データの収集に取り組み始めた。
今年の前期の成績……行われた覚えのない『防災訓練』の成績は、最高評価の『優』だった。