落花流水の情2 The love that flows with the current.
ー/ー ああ、日が沈んでいくなぁ。
なんか淋しくなって、隣の崇直と肩を組む。
今度は崇直も僕の腰に腕を回し、寄り添ってくれた。
「あそこ、小さな星見える?」
顔を寄せて、崇直の視線を誘導する。
「うん」
「あれ、見えるか?」
崇直は覚えてるかな、屋上で一緒に星見たこと。
アークトゥルスを指してみた。
「ああ、あのオレンジ色の」
「そうそう」
覚えてた!
「牛飼い座のアルファ星アークトゥルスで」
それからな、この星も覚えてるかな。
「あの星」
頬を寄せて、視線を合わせて星を指さす。
「スピカ……」
「おとめ座のね」
やっぱり。
「覚えてたんだ」
やっぱり、お前が友達で良かったよ。
嬉しくて、崇直の肩に頭を押し付けてしまった。
「崇直が居てくれてよかった」
「ああ」
崇直の手が一瞬、強く僕の腰を掴んだ気がした。
「僕、やっぱり紅緒を諦めたくない」
「知ってたよ」
バレてたか、そうだよな。
「うん。だと思った」
崇直は何でもお見通しだ……
「辛いなぁ」
あーあ。マジ、辛ぇ。すぐそこに居るんだよ。
何話してんだか、笑い声だけ聞こえるよ。
そう思って崇直を見たら、なんでそんな顔なんだよ。
「何? 怒ったような顔すんなよ」
「うるさい、アホのくせに」
「またアホって言った! たまには、優しくしてくれよ」
何で、いつもそうなんだよ。
あームカつく!
肩でどついたら、どつき返された。
「知るか、この野郎っ」
くそう、崇直の奴両手をぽっけに突っ込んだ状態で、どついて来やがった。
「転んだって知らねーからな」
「アホ亘と違って転びませーん、だ」
お返ししようとしたら、避けられた。
僕に向かって舌を出し、走っていく。
その先に、もう駅が見えていた。
駅で切符を買っていたら、崇直と田中が同じリクルートスーツを着た、多分同じ司法修習生と思われる集団と何か話をしている。
先に行け、と言うように崇直が僕に手で合図を送ってきた。
紅緒と二人、改札を抜けその先で待っていたら、その集団に交じって崇直たちがやってきた。
田中がこっちに走ってくる。
「ごめんね。同じ班の人間なんだ。来週から本庁へ出頭でさ。挨拶だけだからちょっと待ってて」
そう言って、また戻っていく。
「崇ちゃんたち、大変そうだね」
「本庁って、何だ?」
「さあ……」
紅緒も頭を捻る。
ごめんごめんと、田中が謝りながらまたやってきた。
「崇直はまだ離してもらえそうにないから、先に行こうか」
何してんだろう? と見たら、紙に何か書いて渡していた。
地下のホームに降り、電車を待っていたらうんざりした顔で崇直がやってきた。
「連絡網って、必要なのか?」
「まーね。お前連絡先誰とも交換してないから」
うわー、崇直君ってばそりゃまずいでしょ。同じ班なんだから。
「なんだよ、ちゃんと交換してきたよ。だったら文句ないだろ」
「偉い、偉い」
紅緒が背伸びして、崇直の頭に手を伸ばす。
「だろ?」
そう言って崇直が頭を下げ撫でてもらい、嬉しそうに笑った。
「なんだよ、それ」
田中がそれを見て、大げさにふてくされる。
「わかったよ。ほら、お前はもっと偉いぞ」
とおざなりに、崇直が田中の頭を撫でる。
「いらねーよ、おまえのなんか」
あはは。仲いいよなぁ。その中に僕は入ってるのかな。
「わーちゃん、電車来たよ」
紅緒が、そう言って僕の腕を取った。
「座れそうにないね」
そのまま、僕を引っ張って電車に乗り込む。
それから、ぞろぞろと人が乗ってきて僕らは追いやられ、崇直たちとは少し離れてしまった。
なんか淋しくなって、隣の崇直と肩を組む。
今度は崇直も僕の腰に腕を回し、寄り添ってくれた。
「あそこ、小さな星見える?」
顔を寄せて、崇直の視線を誘導する。
「うん」
「あれ、見えるか?」
崇直は覚えてるかな、屋上で一緒に星見たこと。
アークトゥルスを指してみた。
「ああ、あのオレンジ色の」
「そうそう」
覚えてた!
「牛飼い座のアルファ星アークトゥルスで」
それからな、この星も覚えてるかな。
「あの星」
頬を寄せて、視線を合わせて星を指さす。
「スピカ……」
「おとめ座のね」
やっぱり。
「覚えてたんだ」
やっぱり、お前が友達で良かったよ。
嬉しくて、崇直の肩に頭を押し付けてしまった。
「崇直が居てくれてよかった」
「ああ」
崇直の手が一瞬、強く僕の腰を掴んだ気がした。
「僕、やっぱり紅緒を諦めたくない」
「知ってたよ」
バレてたか、そうだよな。
「うん。だと思った」
崇直は何でもお見通しだ……
「辛いなぁ」
あーあ。マジ、辛ぇ。すぐそこに居るんだよ。
何話してんだか、笑い声だけ聞こえるよ。
そう思って崇直を見たら、なんでそんな顔なんだよ。
「何? 怒ったような顔すんなよ」
「うるさい、アホのくせに」
「またアホって言った! たまには、優しくしてくれよ」
何で、いつもそうなんだよ。
あームカつく!
肩でどついたら、どつき返された。
「知るか、この野郎っ」
くそう、崇直の奴両手をぽっけに突っ込んだ状態で、どついて来やがった。
「転んだって知らねーからな」
「アホ亘と違って転びませーん、だ」
お返ししようとしたら、避けられた。
僕に向かって舌を出し、走っていく。
その先に、もう駅が見えていた。
駅で切符を買っていたら、崇直と田中が同じリクルートスーツを着た、多分同じ司法修習生と思われる集団と何か話をしている。
先に行け、と言うように崇直が僕に手で合図を送ってきた。
紅緒と二人、改札を抜けその先で待っていたら、その集団に交じって崇直たちがやってきた。
田中がこっちに走ってくる。
「ごめんね。同じ班の人間なんだ。来週から本庁へ出頭でさ。挨拶だけだからちょっと待ってて」
そう言って、また戻っていく。
「崇ちゃんたち、大変そうだね」
「本庁って、何だ?」
「さあ……」
紅緒も頭を捻る。
ごめんごめんと、田中が謝りながらまたやってきた。
「崇直はまだ離してもらえそうにないから、先に行こうか」
何してんだろう? と見たら、紙に何か書いて渡していた。
地下のホームに降り、電車を待っていたらうんざりした顔で崇直がやってきた。
「連絡網って、必要なのか?」
「まーね。お前連絡先誰とも交換してないから」
うわー、崇直君ってばそりゃまずいでしょ。同じ班なんだから。
「なんだよ、ちゃんと交換してきたよ。だったら文句ないだろ」
「偉い、偉い」
紅緒が背伸びして、崇直の頭に手を伸ばす。
「だろ?」
そう言って崇直が頭を下げ撫でてもらい、嬉しそうに笑った。
「なんだよ、それ」
田中がそれを見て、大げさにふてくされる。
「わかったよ。ほら、お前はもっと偉いぞ」
とおざなりに、崇直が田中の頭を撫でる。
「いらねーよ、おまえのなんか」
あはは。仲いいよなぁ。その中に僕は入ってるのかな。
「わーちゃん、電車来たよ」
紅緒が、そう言って僕の腕を取った。
「座れそうにないね」
そのまま、僕を引っ張って電車に乗り込む。
それから、ぞろぞろと人が乗ってきて僕らは追いやられ、崇直たちとは少し離れてしまった。
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