小学校の神隠し⑦
ー/ー さらわれた子供たちはみんな、生きていました。山の中で好き放題遊んで、寝て、果物などを食う毎日を過ごしていたせいで、服や体が汚れまくっていましたが。
R君のほうは、あの台座の上にいました。どういうわけか、彼の遺体は山の動物によって食い荒らされていませんでした。包丁で自分で首を切った時の傷のほかには、何も外傷は見当たりませんでした。
包丁にあった指紋と、状況から、R君の死は自殺として処理されました。
警察に電話して、彼らを保護してもらったあと、彼らの両親のところへ赴いていって、お話をしました。これは、あの子たちを守ってほしい、という彼との約束を守るためでした。
幸い、ご両親たちはみんな聞き分けがよく、軽く脅かしてあげただけで子供たちに優しくすることを約束してくれました。
警察のほうで事情聴取は受けましたが、我々は悪いことを何ひとつしていないどころか、むしろ助けた側でしたので、犯人として疑われることはありませんでした。子供たちの「この人たちのことは知らない」という証言も、我々に味方しました。
事件の真相について、伊沢さんは本当のことを警察に話しました。しかし神隠しだの儀式だのという話を警察が信じるわけもなく、結局、犯人不明というかたちで、事件は幕を下ろしました。
そのあとでYさんの元へ行って、依頼完了の報告をしました。彼は、伊沢さんがクマのぬいぐるみを我が子のようにひざに置いているのを見て、目を丸くしていました。そしてそれが神様であると知ったときは声をあげてびっくりしました。
仕事を終えたあとは事務所に帰って、クマのぬいぐるみを事務所の棚の上にお祀りしました。
その日からずっと、僕は出勤時と退勤時に手を合わせて、朝は毎日お供え物をするようにしています。
これは余談ですが、神様が事務所に来た日から、事務所内で勝手に物が動く事態が頻発するようになりました。僕は霊感がないので何も見えないのですが、おそらく子供たちか神様がいたずらをしているのだと思われます。
伊沢さんが言うには、一生をかけてこの子たちを鎮めていかなければならない、とのことでした。いけにえになった子供たちは、神様との契約で魂を縛られているので、成仏ができません。魂が自然消滅するまで、神様と一緒にいるしかないそうです。だからそれまでのあいだにせめて、できる限りの愛情をそそいであげて、悪いものにならないようにしてあげなければいけないそうです。
僕もそれに協力して、今後ずっと神様と子どもたちの霊魂を大切にするつもりです。
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