ポルターガイストの起こる家①
ー/ー この時の依頼者はMさんという方で、30代くらいの美しい女性の方でした。なんでも、家の中でポルターガイスト現象が起こっていて困っている、とのことでした。
Mさん
「やっぱり一番ひどいのは物が勝手に動くっていうので、たとえばあそこに置いてあるチャンネルなんかが誰も触ってないのに、ばあんって飛んで壁にぶつかったりだとか、洗って干してある菜箸がそこからいきなり飛び出して床に落ちたりとかがあって。そんなことって普通、ありえないじゃないですか」
僕
「そうですよね。まず普通じゃありえないですね」
Mさん
「で、そのほかにも息子が二階で寝てるときに ”隣の部屋から足音がする”って言った時があって。でも、その部屋って物置として使ってる部屋だったので、誰もいるわけがないんですよ。しかもその時は家族みんな、寝ていた時だったので、どう考えても足音が聞こえるわけないっていうかんじだったんですけど、これもやはり霊のしわざなんですかね?」
僕
「そうですね。そういった足音の原因が霊だった、というようなことはよくあります」
そうやって僕が喋っている途中で突然、ごとんって大きな音がしました。びっくりして振り向いたら、床に仏像が転がっているのが見えました。
このご依頼者様のお家では、あちこちに仏像や龍の置物なんかが置いてあって、そのうちの一つが床に落ちたときの音を僕は聞いたわけです。
ただ、それが元置いてあった位置と落ちている位置とで、三歩分くらい離れていて、落ちたというよりも吹っ飛んでいたのです。
それで、僕もMさんも黙ってしまいました。その時までにもいろいろなところに行ったことはあったのですが、それでも実際に物が飛んだところに出くわしたのはこの時が初めてでした。
そうしたら、伊沢さんが「続けてください」と言いました。それで、僕も仕事を思い出して、「他にどのようなお悩みがありますか?」と尋ねました。
Mさん
「あ、あとはやっぱり怪我とか病気が明らかに前より増えていて。私はここ最近、頭痛が治らなくて。今もちょっと頭が痛くて。で、息子は学校の階段で足を踏み外して落ちて、足の骨を折ってしまって。しかも娘はコロナにかかってしまって。こんな悪いことが立て続けに起こることってめったにないじゃないですか。それはやっぱり、悪いものの仕業なのかなって思って。先生、なんか私に憑いているんでしょうか?」
伊沢さん
「・・・・・・」
僕
「ただいま伊沢は霊視している最中ですので、お答えするのが難しい状態です。その質問にはのちほどお答えさせていただきます」
Mさん
「そうですか」
僕
「他には何か悩みなどはありませんか? あるいは気になることでもいいんですけど」
Mさん
「そうですね、あとは最近買った仏像があるんですけど、それがなんかちょっと不気味というか、なんかこっちをにらんでいるようなかんじがして。子供たちも怖いとか言うので、なんかあるのかな、と思うんですけど」
伊沢
「お家の中を見せていただいてもよろしいでしょうか?」
それまで黙っていた彼女が、口を開きました。
Mさん
「えっ? あ、どうぞどうぞ。全然いいですよ」
Mさんは驚きつつも、立ち上がって家を案内し始めてくれました。
それから、Mさんを先頭にして家の中を見て周ることになりました。一番最初に見せられたのは、話に出てきた例の仏像でした。
それはお釈迦様をモデルにしたと思われる、金色の仏像でした。見た目には特に変なところはありませんでした。良くも悪くも、普通の仏像のようにしか見えません。
Mさん
「どうでしょうか?」
伊沢さん
「入ってますね」
Mさん
「入っている、というのは何が?」
伊沢さん
「魂です。この仏像には魂が宿っています」
それを聞いたMさんは、ええっと声をあげました。
Mさん
「それは、よくないことなんですか?」
伊沢さん
「宿った魂によります。これに関していえばよくないものです」
Mさん
「それじゃ、この家のポルターガイストの原因はこの仏像なんですか?」
伊沢さん
「いいえ。それはまた別のものの仕業です。ここはもう十分ですので、次の部屋を見せてもらえますか?」
それで、ひととおり家の中を見て周って、それが終わったあとでまたリビングのほうへ戻ってきました。
伊沢さん
「状況はおおよそ理解できました」
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
作者の他の作品
この作者の他作品はありません。
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。