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6頭目 甥っ子のチキンレース

ー/ー



「待て待てーっ!」
 放課後、牛郎は宿題そっちのけで愛犬・ポコ太郎と追いかけっこをしている。ポコ太郎もまんざらじゃないようで、嬉々として走り回っている。
「牛郎、後でちゃんと宿題やるんだぞ!」
 牛郎は話半分に返事をし、ポコ太郎との追いかけっこに夢中。俺だって、好き好んで小言は言いたくないんだけどな。
「「……!!?」」 
 (なにがし)の気配を察したのか、2人は同じ方向に目をやる。いったいどうしたって言うんだ??
「コケッ! コケッ!」
 どこから迷い込んだのか、1羽の鶏が2人の目線の先で佇んでいる。どうでもいいけど、大層筋肉質な鶏だなぁ??
「猪突猛進!!」
 牛郎は鶏目掛けて突進していく。というより、お前は牛なんだけどな?
「ワンワンッ!!」
 牛郎に先を越されまいと、ポコ太郎も躍起になって走る。お前、足が短いと定評のコーギーとは思えない俊敏さだな。
「コケーコッコッコ!!」
 鶏は2人の気配を察知したのか、(きびす)を返して逃げていく。締まりのいい脚、こいつもなかなかに俊敏と見た。
「待てーいっ!!」
 牛郎の目が血走っている。その表情、もはや闘牛そのものだ。
「グルルゥー!!」
 一方のポコ太郎も同じように目が血走り、加えて唸り声まで上げている。牧羊犬というよりは、狩猟犬の表情だ。
「コッコッコ!!」
 鶏の行く先をよく見ると、そいつの目の前には柵が広がっていた。おそらく、やつは柵を飛び越えて逃げるつもりだ。
 「コケッーコッコッコ!!!」
 案の定、鶏はバサバサと羽ばたいて柵の向こう側へ。さて、ここからは突進した2人が柵をどうやって回避するのだろうか?
 形はどうであれ、結果的にチキンレースとなった格好だ。……チキン、もう逃げたけど。
「ワンワンッ!!」
 ポコ太郎、柵の直前で腰を捻り急旋回。カーレーサーも顔負け、鮮やかなドリフトを決めた。
「うおぉぉぉっっっーーー!!!」
 牛郎、お前はどうするつもりなんだ!? 引き返すなら今のうちだそ!!
ブルズ(・・・)・ウルトラーっ!!!」
 牛郎、それを言うならPlus ultra(プルス・ウルトラ)だ。いや、そうじゃなくてだな……さらに向こうへってどういう意味だ!?
『バキバキッ!!!』
 Plus Ultraの精神で、あろうことか牛郎は柵を突き破った……物理的に。そこの柵、先月修理したばかりなんだけどな。
「コケッーコッコッコ!」
 落陽の向こうで、鶏の声が聞こえる。そういえば、鶏は日本古来の伝承で太陽神と言われていたな。
 鶏、夕日、太陽のルフラン……何を言っているんだ俺。


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「待て待てーっ!」
 放課後、牛郎は宿題そっちのけで愛犬・ポコ太郎と追いかけっこをしている。ポコ太郎もまんざらじゃないようで、嬉々として走り回っている。
「牛郎、後でちゃんと宿題やるんだぞ!」
 牛郎は話半分に返事をし、ポコ太郎との追いかけっこに夢中。俺だって、好き好んで小言は言いたくないんだけどな。
「「……!!?」」 
 |某《なにがし》の気配を察したのか、2人は同じ方向に目をやる。いったいどうしたって言うんだ??
「コケッ! コケッ!」
 どこから迷い込んだのか、1羽の鶏が2人の目線の先で佇んでいる。どうでもいいけど、大層筋肉質な鶏だなぁ??
「猪突猛進!!」
 牛郎は鶏目掛けて突進していく。というより、お前は牛なんだけどな?
「ワンワンッ!!」
 牛郎に先を越されまいと、ポコ太郎も躍起になって走る。お前、足が短いと定評のコーギーとは思えない俊敏さだな。
「コケーコッコッコ!!」
 鶏は2人の気配を察知したのか、|踵《きびす》を返して逃げていく。締まりのいい脚、こいつもなかなかに俊敏と見た。
「待てーいっ!!」
 牛郎の目が血走っている。その表情、もはや闘牛そのものだ。
「グルルゥー!!」
 一方のポコ太郎も同じように目が血走り、加えて唸り声まで上げている。牧羊犬というよりは、狩猟犬の表情だ。
「コッコッコ!!」
 鶏の行く先をよく見ると、そいつの目の前には柵が広がっていた。おそらく、やつは柵を飛び越えて逃げるつもりだ。
 「コケッーコッコッコ!!!」
 案の定、鶏はバサバサと羽ばたいて柵の向こう側へ。さて、ここからは突進した2人が柵をどうやって回避するのだろうか?
 形はどうであれ、結果的にチキンレースとなった格好だ。……チキン、もう逃げたけど。
「ワンワンッ!!」
 ポコ太郎、柵の直前で腰を捻り急旋回。カーレーサーも顔負け、鮮やかなドリフトを決めた。
「うおぉぉぉっっっーーー!!!」
 牛郎、お前はどうするつもりなんだ!? 引き返すなら今のうちだそ!!
「|ブルズ《・・・》・ウルトラーっ!!!」
 牛郎、それを言うなら|Plus ultra《プルス・ウルトラ》だ。いや、そうじゃなくてだな……さらに向こうへってどういう意味だ!?
『バキバキッ!!!』
 Plus Ultraの精神で、あろうことか牛郎は柵を突き破った……物理的に。そこの柵、先月修理したばかりなんだけどな。
「コケッーコッコッコ!」
 落陽の向こうで、鶏の声が聞こえる。そういえば、鶏は日本古来の伝承で太陽神と言われていたな。
 鶏、夕日、太陽のルフラン……何を言っているんだ俺。