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【Chapter5】②

ー/ー



    ◇  ◇  ◇
 今にも眠りに落ちようとするその時、闇を切り裂いて郁を引き留めた光。
 もう何もできない、したくない筈なのに、手が勝手に枕元のスタンドに置いたスマートフォンに伸びていた。
 メッセージならともかく、こんな深夜に電話を掛けてくる常識知らずの友人はいない。
 たった一人、日を重ねる(ごと)に郁の中で存在感を増して行く彼を除いては。
 郁はディスプレイに表示される、予想通りの「大雅」の文字の下のボタンを押す。眠気はもうどこかへ行ってしまった。

「よう、大雅。いいけどさ、もうちょっと時間考えろよ」
『ゴメン。寝ようと思ったんだけど、……郁の声、聴きたくて』
 スマートフォンを通して耳に届く、大雅の少し甘えるような声。

「……しょーがないなぁ。お前って、ガタイの割に寂しがりだよな」
 これはもう、友人同士の会話ではない。よくわかっている。
 そろそろはっきりさせた方が、いいのかもしれない。
 
 ──闇から連れ出してくれた大雅と二人、手を取り合って陽射しの下へ踏み出す合図は、やはり郁から。

 深呼吸して。

「なぁ、大雅。俺さぁ──」

                            ~END~



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    ◇  ◇  ◇
 今にも眠りに落ちようとするその時、闇を切り裂いて郁を引き留めた光。
 もう何もできない、したくない筈なのに、手が勝手に枕元のスタンドに置いたスマートフォンに伸びていた。
 メッセージならともかく、こんな深夜に電話を掛けてくる常識知らずの友人はいない。
 たった一人、日を重ねる|毎《ごと》に郁の中で存在感を増して行く彼を除いては。
 郁はディスプレイに表示される、予想通りの「大雅」の文字の下のボタンを押す。眠気はもうどこかへ行ってしまった。
「よう、大雅。いいけどさ、もうちょっと時間考えろよ」
『ゴメン。寝ようと思ったんだけど、……郁の声、聴きたくて』
 スマートフォンを通して耳に届く、大雅の少し甘えるような声。
「……しょーがないなぁ。お前って、ガタイの割に寂しがりだよな」
 これはもう、友人同士の会話ではない。よくわかっている。
 そろそろはっきりさせた方が、いいのかもしれない。
 ──闇から連れ出してくれた大雅と二人、手を取り合って陽射しの下へ踏み出す合図は、やはり郁から。
 深呼吸して。
「なぁ、大雅。俺さぁ──」
                            ~END~