第4話 十二月後編
ー/ー まだ、かげ君とはちゃんと話せていません。どうすればいいか分かりません。かげ君はきっといつもみたいにいっしょに遊んでくれると思います。でも、ぼくのもやもやした気持ちをきちんと無くさないと、前みたいになれない気がします。
「このあいだはありがとう」
こども会のときに助けてくれた友達に、ありがとうを言いました。
「大丈夫だよ! こども会楽しかったね!」
大丈夫って言ってくれてホッとしました。かげ君じゃない子にはちゃんと言えるのにな。
もうすぐクリスマスがやってきます。サンタさんって人が、ぼくたちがほしいものをプレゼントしてくれるって先生が教えてくれました。
でも、いい子じゃないと来てくれないそうです。ぼくはいい子じゃないから、来てくれないと思います。
今日は、ちょっと早めにサンタさんがぼくたちの幼稚園に来てくれました。ぼくはほしいものは分からなかったし、いい子じゃなかったけど、ぼくにもプレゼントをくれました。小さなボールでした。
家に帰って、ぼくはこのボールを壁に投げて遊びました。この前まではかげ君とよくそうやって遊んでいました。こうすれば、またかげ君と仲良くなれると思ったけど、家の中は暗くてかげ君がどこにいるか分かりませんでした。
ぼくはとってもわるい子です。お母さんの、いい匂いがする水が入った瓶をボールで割っちゃいました。もしお母さんが帰ってきたら、きっととっても叱られます。ぼくは怖くて怖くて大きな声で泣いちゃいました。
いっぱい泣いたら眠たくなって、寝ちゃいました。かげ君と遊ぶ、楽しい夢を見ました。
外がまだ真っ暗なときに、お母さんが帰ってきました。お母さんに叩き起こされて、大きな声で怒られました。泣いたらもっと怒られるけど、我慢できなくていっぱい泣いちゃいました。かげ君がいたら我慢できるのに。
お母さんはぼくをベランダに出しました。窓に鍵がかかっていて、家の中に入れません。レンガの家は、固くてこわせません。煙突もありません。ぼくはすみっこでおやま座りをして、しくしく泣きました。お母さんはいつも、怒るとぼくのおしりとか背中をいっぱい叩きます。叩かれたおしりが痛いし、すごく真っ暗で、寒くて、寂しかったです。
ちょっと明るくなってきました。自分のひざのてっぺんがはっきり見えるようになりました。
ふと足元を見ると、かげ君がいました。ぼくは立ちあがろうとしたけど、転んじゃいました。かげ君の上に倒れました。かげ君は冷たくて、固かったです。ぼくが上に乗っかっていて、かげ君はとても重たいだろうから、早く起き上がりたかったけど、手も足も全然言うことを聞きません。
「ごめんね。かげ君。こども会のとき、あの子は助けてくれたのに、かげ君はどうして助けてくれなかったんだろうって、かげ君はぼくのこと友達と思ってないんじゃないかって、ひどいこと考えちゃった。すぐにあやまれなくてごめんね。ずっと、助けてくれたのに……ごめんね……」
やっと、かげ君にあやまれました。許してもらえないかもしれないけれど、それでも、心の中のもやもやは無くなりました。
身体が寒く無くなりました。かげ君とふれあっている部分から、じんわりと暖かくなっている気がします。かげ君が、ぼくのことを温めてくれているんだと思いました。
かげ君につつまれて、なんだかホッとしました。そしたら、さっきも寝たのに、だんだん眠たくなってきて、そのまま寝ちゃいました
かげ君はぼくの大切な友達です。かげ君は、七夕に何をお願いしたのかな。サンタさんに何を頼んだんだろう。起きたら、またいっしょにボールで遊ぼうと思います。今度はかげ君のおもちゃでも遊びたいな。
「このあいだはありがとう」
こども会のときに助けてくれた友達に、ありがとうを言いました。
「大丈夫だよ! こども会楽しかったね!」
大丈夫って言ってくれてホッとしました。かげ君じゃない子にはちゃんと言えるのにな。
もうすぐクリスマスがやってきます。サンタさんって人が、ぼくたちがほしいものをプレゼントしてくれるって先生が教えてくれました。
でも、いい子じゃないと来てくれないそうです。ぼくはいい子じゃないから、来てくれないと思います。
今日は、ちょっと早めにサンタさんがぼくたちの幼稚園に来てくれました。ぼくはほしいものは分からなかったし、いい子じゃなかったけど、ぼくにもプレゼントをくれました。小さなボールでした。
家に帰って、ぼくはこのボールを壁に投げて遊びました。この前まではかげ君とよくそうやって遊んでいました。こうすれば、またかげ君と仲良くなれると思ったけど、家の中は暗くてかげ君がどこにいるか分かりませんでした。
ぼくはとってもわるい子です。お母さんの、いい匂いがする水が入った瓶をボールで割っちゃいました。もしお母さんが帰ってきたら、きっととっても叱られます。ぼくは怖くて怖くて大きな声で泣いちゃいました。
いっぱい泣いたら眠たくなって、寝ちゃいました。かげ君と遊ぶ、楽しい夢を見ました。
外がまだ真っ暗なときに、お母さんが帰ってきました。お母さんに叩き起こされて、大きな声で怒られました。泣いたらもっと怒られるけど、我慢できなくていっぱい泣いちゃいました。かげ君がいたら我慢できるのに。
お母さんはぼくをベランダに出しました。窓に鍵がかかっていて、家の中に入れません。レンガの家は、固くてこわせません。煙突もありません。ぼくはすみっこでおやま座りをして、しくしく泣きました。お母さんはいつも、怒るとぼくのおしりとか背中をいっぱい叩きます。叩かれたおしりが痛いし、すごく真っ暗で、寒くて、寂しかったです。
ちょっと明るくなってきました。自分のひざのてっぺんがはっきり見えるようになりました。
ふと足元を見ると、かげ君がいました。ぼくは立ちあがろうとしたけど、転んじゃいました。かげ君の上に倒れました。かげ君は冷たくて、固かったです。ぼくが上に乗っかっていて、かげ君はとても重たいだろうから、早く起き上がりたかったけど、手も足も全然言うことを聞きません。
「ごめんね。かげ君。こども会のとき、あの子は助けてくれたのに、かげ君はどうして助けてくれなかったんだろうって、かげ君はぼくのこと友達と思ってないんじゃないかって、ひどいこと考えちゃった。すぐにあやまれなくてごめんね。ずっと、助けてくれたのに……ごめんね……」
やっと、かげ君にあやまれました。許してもらえないかもしれないけれど、それでも、心の中のもやもやは無くなりました。
身体が寒く無くなりました。かげ君とふれあっている部分から、じんわりと暖かくなっている気がします。かげ君が、ぼくのことを温めてくれているんだと思いました。
かげ君につつまれて、なんだかホッとしました。そしたら、さっきも寝たのに、だんだん眠たくなってきて、そのまま寝ちゃいました
かげ君はぼくの大切な友達です。かげ君は、七夕に何をお願いしたのかな。サンタさんに何を頼んだんだろう。起きたら、またいっしょにボールで遊ぼうと思います。今度はかげ君のおもちゃでも遊びたいな。
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