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 ここは、とある国の研究機関。
 世界中から集めた、あらゆる生体サンプルについて、実験を行っている。
 その研究機関での、ある年のバレンタインデーのこと。
 脳のサンプルで、とある実験をしていた教授が、目を輝かせて准教授を呼んだ。
「なぁ、君! この脳を使った実験で、面白いことが分かったぞ」
「そうなのですね。教授は確か、脳以外の全ての機能が停止した人間から提供された脳サンプルに、電気刺激を与える実験をされていましたよね」
「ああ。それで、脳に強い甘味を感じる刺激信号を与えた後に、危険を感じる刺激信号を与えることを繰り返したんだ」
「はぁ……甘味の刺激と、危険の刺激ですか?」
「そう。まぁ、今日はバレンタインデーだからね。ちょっとした遊び心さ。すると、その実験を三回繰り返すと……何と、四回目には甘味の刺激信号を与えたのに、それを勝手に危険の刺激として受け取ったんだよ」
「おぉ、それは所謂、条件反射みたいなものですかね。イヌにメトロノームの音を聞かせてからエサを与えることを繰り返すと、メトロノームの音を聞いただけで、よだれを流すようになる。それと同じようなことが、この実験でも起こったのですね」
「ああ。甘味危険信号(スウィートハザード・パルス)とでも名付けようか」
「中々に、興味深い結果ですね。ところで教授。処理後のこのサンプルについてはどうしましょうか?」
「それはもう、充分なデータが得られたから、処分してくれたまえ。何しろ、生体サンプルはまだまだ、山のようにあるからね。膨大な量のサンプルに同じ実験をして、データを蓄積しなければならんから……」


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 ここは、とある国の研究機関。
 世界中から集めた、あらゆる生体サンプルについて、実験を行っている。
 その研究機関での、ある年のバレンタインデーのこと。
 脳のサンプルで、とある実験をしていた教授が、目を輝かせて准教授を呼んだ。
「なぁ、君! この脳を使った実験で、面白いことが分かったぞ」
「そうなのですね。教授は確か、脳以外の全ての機能が停止した人間から提供された脳サンプルに、電気刺激を与える実験をされていましたよね」
「ああ。それで、脳に強い甘味を感じる刺激信号を与えた後に、危険を感じる刺激信号を与えることを繰り返したんだ」
「はぁ……甘味の刺激と、危険の刺激ですか?」
「そう。まぁ、今日はバレンタインデーだからね。ちょっとした遊び心さ。すると、その実験を三回繰り返すと……何と、四回目には甘味の刺激信号を与えたのに、それを勝手に危険の刺激として受け取ったんだよ」
「おぉ、それは所謂、条件反射みたいなものですかね。イヌにメトロノームの音を聞かせてからエサを与えることを繰り返すと、メトロノームの音を聞いただけで、よだれを流すようになる。それと同じようなことが、この実験でも起こったのですね」
「ああ。甘味危険信号(スウィートハザード・パルス)とでも名付けようか」
「中々に、興味深い結果ですね。ところで教授。処理後のこのサンプルについてはどうしましょうか?」
「それはもう、充分なデータが得られたから、処分してくれたまえ。何しろ、生体サンプルはまだまだ、山のようにあるからね。膨大な量のサンプルに同じ実験をして、データを蓄積しなければならんから……」