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商談35 ぬまふくろうルアー

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今まで使いどころを見いだせなかったぬまふくろうルアー。こういう変わったポイントだからこそ試す価値がある。さぁて、どんな魚が掛かるだろうか??
 まずはポイントを探る為、俺は向こう岸の岩場目掛けてルアーを飛ばす。飛んできたルアーにびっくりしてペンギンもどきが海中へ飛び込んでいった。あぁ、すまない。
 地形が分からない以上、ルアーはなるべく表層を泳がせるのが吉と言えよう。使ってみて分かったが、どうやらぬまふくろうは表層を泳ぐフローティングミノーのようだ。これなら根掛かりの心配もない。
 しばらく同じポイントを探ってみたが、魚がヒットする気配はない。ペンギンもどきのような海鳥がいる場所は魚が泳いでそうな気もするが、どうやら予想は外れたようだ。ここは潔くポイントを変えよう。
 次に俺が目を付けたのは、一見何の変哲もない水辺。だが、よく見ると潮の流れが緩やかな箇所があるんだ。こういうところは海流を嫌った小魚が集まりやすい。つまり、それを狙う大物がやって来る可能性が高いのだ。
 俺はそこを狙ってルアーを飛ばす。ぬまふくろうはフローティングミノーでありながら比較的遠投に向いているようだ。秋子の選んだルアーは侮れないものだ。
 何度かルアーを投げてみたが、どうやらここもヒットは見込めそうにない。が、俺は何となくこのポイントが気になってしょうがない。アタリは来ないが、もう少しだけ様子を見よう。
 俺は探り探りルアーを引き寄せていると、一瞬だが何かの手応えを感じる時がある。けれど、食いついているような勢いを感じられない。この違和感は一体何だろうか?? ただ単に魚に遊ばれているだけなのかもしれない。せめて、海中のぬまふくろうがどんな魚か教えてくれればいいんだけどなぁ。
 そんなもやもやした気持ちを抱きつつも、俺は何度もルアーを投げてみる。あぁ、やっぱり何とも言えない手応えを感じる。この手応えの正体がはっきりしないうちは、何だか気持ち悪くてかなわない。ぬまふくろう、頼むからそいつの正体を教えてくれ。
 俺がぬまふくろうに懇願していると、手元にズシンと大きな手応えが伝わって来た。おぉっ! これは来たんじゃないか!!?
 だが、手応えの割にラインが持っていかれるような感触はない。何と言うか、食いついたというよりも引っ掛かったと言った方が正確かもしれない。
 岩でも引っ掛けたかとも思ったが、着実にそいつは俺の手元に手繰り寄せられている。こいつは一体何なんだ???


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今まで使いどころを見いだせなかったぬまふくろうルアー。こういう変わったポイントだからこそ試す価値がある。さぁて、どんな魚が掛かるだろうか??
 まずはポイントを探る為、俺は向こう岸の岩場目掛けてルアーを飛ばす。飛んできたルアーにびっくりしてペンギンもどきが海中へ飛び込んでいった。あぁ、すまない。
 地形が分からない以上、ルアーはなるべく表層を泳がせるのが吉と言えよう。使ってみて分かったが、どうやらぬまふくろうは表層を泳ぐフローティングミノーのようだ。これなら根掛かりの心配もない。
 しばらく同じポイントを探ってみたが、魚がヒットする気配はない。ペンギンもどきのような海鳥がいる場所は魚が泳いでそうな気もするが、どうやら予想は外れたようだ。ここは潔くポイントを変えよう。
 次に俺が目を付けたのは、一見何の変哲もない水辺。だが、よく見ると潮の流れが緩やかな箇所があるんだ。こういうところは海流を嫌った小魚が集まりやすい。つまり、それを狙う大物がやって来る可能性が高いのだ。
 俺はそこを狙ってルアーを飛ばす。ぬまふくろうはフローティングミノーでありながら比較的遠投に向いているようだ。秋子の選んだルアーは侮れないものだ。
 何度かルアーを投げてみたが、どうやらここもヒットは見込めそうにない。が、俺は何となくこのポイントが気になってしょうがない。アタリは来ないが、もう少しだけ様子を見よう。
 俺は探り探りルアーを引き寄せていると、一瞬だが何かの手応えを感じる時がある。けれど、食いついているような勢いを感じられない。この違和感は一体何だろうか?? ただ単に魚に遊ばれているだけなのかもしれない。せめて、海中のぬまふくろうがどんな魚か教えてくれればいいんだけどなぁ。
 そんなもやもやした気持ちを抱きつつも、俺は何度もルアーを投げてみる。あぁ、やっぱり何とも言えない手応えを感じる。この手応えの正体がはっきりしないうちは、何だか気持ち悪くてかなわない。ぬまふくろう、頼むからそいつの正体を教えてくれ。
 俺がぬまふくろうに懇願していると、手元にズシンと大きな手応えが伝わって来た。おぉっ! これは来たんじゃないか!!?
 だが、手応えの割にラインが持っていかれるような感触はない。何と言うか、食いついたというよりも引っ掛かったと言った方が正確かもしれない。
 岩でも引っ掛けたかとも思ったが、着実にそいつは俺の手元に手繰り寄せられている。こいつは一体何なんだ???