表示設定
表示設定
目次 目次




【4】

ー/ー



「今までずっと、誰と付き合っても続かなかったな。『理想を押し付けるな』『私は人形じゃない』ってさあ」
 暴力を振るうわけでも、無茶な要求をするわけでもない。それどころか、望めば何でも叶えてやりたいと思っていた。
 それなのに何故? ただ愛したいだけなのに。
 AIならそんな面倒もない。
 しかしAIには温かい身体がなかった。ただ理喜の愛し方をそのまま受け入れてくれる、血の通う肉体という容器を持つ恋人が欲しかった。ずっとそれだけ追い続けていた。

 ベッドの横、疲れてシーツに包まる琴恵を上体を起こした姿勢で見下ろす。
 理喜はやっと手に入れたのだ。
 ロボットに仕込んだ誘導に簡単に乗る、自我のない都合のいい、ただ可愛らしい女。何よりも誰よりも大切にする。

「自己主張する女なんていらないんだよ。俺が大事に可愛がるから、黙ってニコニコしてたらそれでいい。君みたいにね」


 ──深い眠りの中にいる琴恵には、の独り言は届かない。

 ~END~



スタンプを贈って作者を応援しよう!



みんなのリアクション



おすすめ作品を読み込み中です…



「今までずっと、誰と付き合っても続かなかったな。『理想を押し付けるな』『私は人形じゃない』ってさあ」
 暴力を振るうわけでも、無茶な要求をするわけでもない。それどころか、望めば何でも叶えてやりたいと思っていた。
 それなのに何故? ただ愛したいだけなのに。
 AIならそんな面倒もない。
 しかしAIには温かい身体がなかった。ただ理喜の愛し方をそのまま受け入れてくれる、血の通う肉体という容器を持つ恋人が欲しかった。ずっとそれだけ追い続けていた。
 ベッドの横、疲れてシーツに包まる琴恵を上体を起こした姿勢で見下ろす。
 理喜はやっと手に入れたのだ。
 ロボットに仕込んだ誘導に簡単に乗る、自我のない都合のいい、ただ可愛らしい女。何よりも誰よりも大切にする。
「自己主張する女なんていらないんだよ。俺が大事に可愛がるから、黙ってニコニコしてたらそれでいい。君みたいにね」
 ──深い眠りの中にいる琴恵には、《《優しい恋人》》の独り言は届かない。
 ~END~