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【2】

ー/ー



「ちょっと万里、のお作法、教えたようにちゃんとできたの? お母さんの喪服、クリーニング出すから持って来てよ」

 ドアの向こうから掛けられた母の声にも、答える気力などもうなかった。

 ふらふらと車道に踏み出した彼を、複数の友人が慌てて止めようとしたが間に合わなかったと聞いた。

 万里のあの対応が原因だったのだろうか。

 もう二度と逢えない。選択を間違えた万里の想いは永遠に届かない。突然の交通事故で逝った彼には。
 
 ゲームではなく現実でも、分岐まで戻って道を選び直せるのは生きていてこそなのだ。人生には、命のリセット(やり直し)ボタンなど存在しないのだから。

 不意に視界が霞んで、頭を強く振り歯を食いしばる。
 この涙は? 自分はなぜ、泣いているのだろう。
 
 ──あたしは取り返しのつかないことをやらかしたんだ。後悔したってどうしようもない。……泣いていいのは、あたしじゃない。

                            ~END~



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「ちょっと万里、《《お葬式》》のお作法、教えたようにちゃんとできたの? お母さんの喪服、クリーニング出すから持って来てよ」
 ドアの向こうから掛けられた母の声にも、答える気力などもうなかった。
 ふらふらと車道に踏み出した彼を、複数の友人が慌てて止めようとしたが間に合わなかったと聞いた。
 万里のあの対応が原因だったのだろうか。
 もう二度と逢えない。選択を間違えた万里の想いは永遠に届かない。突然の交通事故で逝った彼には。
 ゲームではなく現実でも、分岐まで戻って道を選び直せるのは生きていてこそなのだ。人生には、命の|リセット《やり直し》ボタンなど存在しないのだから。
 不意に視界が霞んで、頭を強く振り歯を食いしばる。
 この涙は? 自分はなぜ、泣いているのだろう。
 ──あたしは取り返しのつかないことをやらかしたんだ。後悔したってどうしようもない。……泣いていいのは、あたしじゃない。
                            ~END~