商談31 転生は突然に
ー/ー
けれど、昔話はここまでにしておこう。過去は思い出すと虚しくなるばかりだ。島津と別れ、俺は今夜のホテルへ向かって歩みを進めた。
島津との語らいが久々だったとはいえ、さすがに飲み過ぎた気がする。心なしか足元はふらつき、頭も酩酊気味だ。銘酒は飲みやすいが故に悪酔いしてしまう。
気付けば外は真っ暗になっていた。数々の照明がネオンライトのように沼袋を鮮やかに彩る。いやぁ、こんな光景も数年ぶりだなぁ......。
『捨て猫みたいな俺達に......帰る場所なんてどこにもなかった!』
昔聴いた『一夜祭』の口上がふと脳裏をよぎる。そうだ、捨て猫みたいな俺は帰る場所なんてなかった。俺はただ、ミラーボールみたいに真ん丸なお月様に憧れただけなんだ。
......何が言いたいかって? 当時の俺はただ帰る場所が欲しかっただけ。言動が粗暴だった俺は、昔から親父に嫌われていた。たとえ、それは剣道で全国大会出場という実績を残しても変わらなかった。
辛うじて就職先を斡旋してくれたが、それは自身の面子を守る為だったに違いない。だってそうだろう? 大企業の御曹司が不良だなんて恥ずかしくて言えるはずもない。俺は自身の面子ばかり考える親父の姿勢が嫌いだったし、それは今も変わらない。
『退屈に怯えていたのさ! 夜の闇に逃げ込んだ孤独!』
いけない、またしても『一夜祭』のワンフレーズが脳裏をよぎってしまった。この曲は、孤独を抱えて生きていた俺の心の奥底にこれでもかというほど突き刺さってしまう。参ったなぁ......。
『......行こうぜ! 水平線の向こうへ!!』
あぁもう! しつこいぞ一夜祭! けれど、この時背後から悪意が忍び寄っていたことなど、酩酊状態の俺が気付くはずもない。
『トンっ!』
突如、何者かの両手が俺の背中を押した。俺は態勢を立て直すことが出来ずによろけてしまい、その勢いで車道へ押し出されてしまった。
『キィィィィィッッッ!!!!』
不運にも車道は通行中のトラックがいた。運転手は急ブレーキを掛けるが間に合わない!!
『ドンッ!』
間もなく俺はトラックと接触。あまりの衝撃に意識は一瞬で吹き飛んでしまった。もちろん、痛痒なんて実感さえない。
人間、誰しも終わりは突然やって来る。あぁ、俺の人生はもはやここまでか......。
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気付けば外は真っ暗になっていた。数々の照明がネオンライトのように沼袋を鮮やかに彩る。いやぁ、こんな光景も数年ぶりだなぁ......。
『捨て猫みたいな俺達に......帰る場所なんてどこにもなかった!』
昔聴いた『一夜祭』の口上がふと脳裏をよぎる。そうだ、捨て猫みたいな俺は帰る場所なんてなかった。俺はただ、ミラーボールみたいに真ん丸なお月様に憧れただけなんだ。
......何が言いたいかって? 当時の俺はただ帰る場所が欲しかっただけ。言動が粗暴だった俺は、昔から親父に嫌われていた。たとえ、それは剣道で全国大会出場という実績を残しても変わらなかった。
辛うじて就職先を斡旋してくれたが、それは自身の面子を守る為だったに違いない。だってそうだろう? 大企業の御曹司が不良だなんて恥ずかしくて言えるはずもない。俺は自身の面子ばかり考える親父の姿勢が嫌いだったし、それは今も変わらない。
『退屈に怯えていたのさ! 夜の闇に逃げ込んだ孤独!』
いけない、またしても『一夜祭』のワンフレーズが脳裏をよぎってしまった。この曲は、孤独を抱えて生きていた俺の心の奥底にこれでもかというほど突き刺さってしまう。参ったなぁ......。
『......行こうぜ! 水平線の向こうへ!!』
あぁもう! しつこいぞ一夜祭! けれど、この時背後から悪意が忍び寄っていたことなど、酩酊状態の俺が気付くはずもない。
『トンっ!』
突如、何者かの両手が俺の背中を押した。俺は態勢を立て直すことが出来ずによろけてしまい、その勢いで車道へ押し出されてしまった。
『キィィィィィッッッ!!!!』
不運にも車道は通行中のトラックがいた。運転手は急ブレーキを掛けるが間に合わない!!
『ドンッ!』
間もなく俺はトラックと接触。あまりの衝撃に意識は一瞬で吹き飛んでしまった。もちろん、痛痒なんて実感さえない。
人間、誰しも終わりは突然やって来る。あぁ、俺の人生はもはやここまでか......。