商談27 決着
ー/ー
傍から見たら俺達の試合は喧嘩に見えるだろう。だが、学生時代から拳もとい剣を交えることでしか存在意義を示せなかった俺達にとって、戦いは語らいと同義だった。そういう意味で、俺達は昔から何も変わっていない。敢えて言うなら......歳を重ねたことくらいか。
「止め!」
主審の号令で、年甲斐もなく荒々しい俺達の試合に区切りがついた。それにしても、5分という試合時間は心身ともに消耗が激しい。
「延長、始め!」
主審の号令で延長戦が開始される。ここから先は3分を目安に試合が延長され、一本先取のサドンデス戦となる。俺達は反則も食らっている手前、互いに抜き差しならない状況だ。
そして何より、上段の構えは身体への負担が尋常でない。上段の名手は過去にも多く存在したが、高齢を機に悉く中段への転向を余儀なくされた。鹿児島の火竜たる俺でも、さすがに限界が近付いてきている。これ以上戦いが長引けばヤバいって......体全体が悲鳴を上げているのが分かる。
「コテェェェッッッ!!!」
またしても島津は、やや遠間から無理に小手を狙ってくる。短期決戦を制すことが出来ず、長期戦を迎えたことで島津も限界を迎えつつある。そういう意味で、互いに勝負を決したいことは同じ。だからこそ、尚更気を引き締めねば!!
「メェーーーンッ!」
俺も辛うじて反撃。とにかく、自分との戦いに負けてはならない。焦らず、騒がず、じっくりと......。俺は......鹿児島の火竜なんだ!!
「ヤアァァァァァァッッッ!!!」
俺は今一度肚に力を込め、火竜の如く咆哮する。もはや俺の体は満身創痍だが......どうか持ちこたえてくれ!!
するとどうだろう、俺の咆哮に島津の動きが止まる。......気のせいか? 一瞬怯んだように見えたぞ?? これは勝機、逃してなるものかっ!!
俺はすかさず間を詰め、一気に攻め込んだ。やっぱり......島津は怯んでいる。俺は無心で竹刀を振り下ろした。
「コテェェェッッッ!!!」
俺の攻めに怯んだ島津は、思わず手元を上げてしまう。その手元に俺の竹刀が見事命中し、パクッという快音を響かせる。
「小手有り!」
三つの旗が上がり、主審は有効打突の宣言をする。痛恨の一撃を受けた島津は、悔しさのあまり膝から崩れ落ちてしまった。
......悪いな島津。この戦い、俺の勝ちだ。
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「止め!」
主審の号令で、年甲斐もなく荒々しい俺達の試合に区切りがついた。それにしても、5分という試合時間は心身ともに消耗が激しい。
「延長、始め!」
主審の号令で延長戦が開始される。ここから先は3分を目安に試合が延長され、一本先取のサドンデス戦となる。俺達は反則も食らっている手前、互いに抜き差しならない状況だ。
そして何より、上段の構えは身体への負担が尋常でない。上段の名手は過去にも多く存在したが、高齢を機に悉く中段への転向を余儀なくされた。鹿児島の火竜たる俺でも、さすがに限界が近付いてきている。これ以上戦いが長引けばヤバいって......体全体が悲鳴を上げているのが分かる。
「コテェェェッッッ!!!」
またしても島津は、やや遠間から無理に小手を狙ってくる。短期決戦を制すことが出来ず、長期戦を迎えたことで島津も限界を迎えつつある。そういう意味で、互いに勝負を決したいことは同じ。だからこそ、尚更気を引き締めねば!!
「メェーーーンッ!」
俺も辛うじて反撃。とにかく、自分との戦いに負けてはならない。焦らず、騒がず、じっくりと......。俺は......鹿児島の火竜なんだ!!
「ヤアァァァァァァッッッ!!!」
俺は今一度肚に力を込め、火竜の如く咆哮する。もはや俺の体は満身創痍だが......どうか持ちこたえてくれ!!
するとどうだろう、俺の咆哮に島津の動きが止まる。......気のせいか? 一瞬怯んだように見えたぞ?? これは勝機、逃してなるものかっ!!
俺はすかさず間を詰め、一気に攻め込んだ。やっぱり......島津は怯んでいる。俺は無心で竹刀を振り下ろした。
「コテェェェッッッ!!!」
俺の攻めに怯んだ島津は、思わず手元を上げてしまう。その手元に俺の竹刀が見事命中し、パクッという快音を響かせる。
「小手有り!」
三つの旗が上がり、主審は有効打突の宣言をする。痛恨の一撃を受けた島津は、悔しさのあまり膝から崩れ落ちてしまった。
......悪いな島津。この戦い、俺の勝ちだ。