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四章 超能力者達(山岸視点)47

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「ねえ、パパはどこに行ったの?」幼い少年が、母親に問いかける。「パパはね。お空に行ったのよ」母親が涙を堪えて答える。山岸は雨の中、その様子を、傘もささずに眺めていた。葬儀場は夏生の記憶で見た場所と同じだった。
 母親と少年がこちらへ歩いてくる。表情は暗く、目は(うつろ)だった。母親は山岸の姿に気づくと一目散に駆け寄ってきた。身体がぶつかる。腹部に熱い何かを感じ、見下ろすと、包丁が突き刺さっていた。母親を見ると、田川の妻で、少年は田川の息子だった。山岸は倒れ、雨に打たれながら二人に見下ろされている。
「ねえ、パパを返してよ」少年が山岸に泣き叫び、服の裾を引っ張ってくる。
「ずっと……あなたを殺したかったの」母親が包丁を再び振りかぶった。山岸は絶叫した。
 目を開けると、フードを被った人達が山岸を見下ろしていた。全身に、鳥肌が走る。反射的に、自分の人生は終わるんだ、と理解した。気がついた時には超能力を使い、その場から走り出していた。
 辺りが暗く、手探りのような気分で林の中を走っていく。枝による引っ掻き傷など、気にしていられなかった。目の前の草陰が揺れ動き、人が飛び出した。黒の帽子と黒のスーツ。老眼鏡をかけ、裕福な髭を蓄えている男、矢吹だった。
「矢吹さん、助けに来てくれたのか?」山岸は懐かしさを覚える。
 矢吹は答えずに憐れむような表情で山岸を見ていた。「あんたも、その顔をするのかよ」と山岸は呟く。
 山岸の言葉には答えず、「夢は見たか?」と質問をしてきた。
「夢?」思いもよらぬ質問に、山岸は首を傾げる。今はそれどころではなかった。そんなことより早く助けてくれ、と懇願した。「追われているんだ」後ろを振り返る。
 矢吹はため息をつく。前を見ると拳銃が向けられていた。「あんたの行く末がここだったとは」
「は?」山岸は声が裏返ってしまう。「なんで俺が殺されなきゃならないんだよ。助けにくれたんじゃなかったのか?」ふざけんな、助けろよ、と山岸は喚く。
「依頼だよ」銃声が響き渡る。ああ、超能力を使う暇もなかったな。情けねえ、と山岸は思う。薄れゆく意識の中、矢吹のモットーを思い出した。


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「ねえ、パパはどこに行ったの?」幼い少年が、母親に問いかける。「パパはね。お空に行ったのよ」母親が涙を堪えて答える。山岸は雨の中、その様子を、傘もささずに眺めていた。葬儀場は夏生の記憶で見た場所と同じだった。
 母親と少年がこちらへ歩いてくる。表情は暗く、目は|虚《うつろ》だった。母親は山岸の姿に気づくと一目散に駆け寄ってきた。身体がぶつかる。腹部に熱い何かを感じ、見下ろすと、包丁が突き刺さっていた。母親を見ると、田川の妻で、少年は田川の息子だった。山岸は倒れ、雨に打たれながら二人に見下ろされている。
「ねえ、パパを返してよ」少年が山岸に泣き叫び、服の裾を引っ張ってくる。
「ずっと……あなたを殺したかったの」母親が包丁を再び振りかぶった。山岸は絶叫した。
 目を開けると、フードを被った人達が山岸を見下ろしていた。全身に、鳥肌が走る。反射的に、自分の人生は終わるんだ、と理解した。気がついた時には超能力を使い、その場から走り出していた。
 辺りが暗く、手探りのような気分で林の中を走っていく。枝による引っ掻き傷など、気にしていられなかった。目の前の草陰が揺れ動き、人が飛び出した。黒の帽子と黒のスーツ。老眼鏡をかけ、裕福な髭を蓄えている男、矢吹だった。
「矢吹さん、助けに来てくれたのか?」山岸は懐かしさを覚える。
 矢吹は答えずに憐れむような表情で山岸を見ていた。「あんたも、その顔をするのかよ」と山岸は呟く。
 山岸の言葉には答えず、「夢は見たか?」と質問をしてきた。
「夢?」思いもよらぬ質問に、山岸は首を傾げる。今はそれどころではなかった。そんなことより早く助けてくれ、と懇願した。「追われているんだ」後ろを振り返る。
 矢吹はため息をつく。前を見ると拳銃が向けられていた。「あんたの行く末がここだったとは」
「は?」山岸は声が裏返ってしまう。「なんで俺が殺されなきゃならないんだよ。助けにくれたんじゃなかったのか?」ふざけんな、助けろよ、と山岸は喚く。
「依頼だよ」銃声が響き渡る。ああ、超能力を使う暇もなかったな。情けねえ、と山岸は思う。薄れゆく意識の中、矢吹のモットーを思い出した。