商談11 ひとつなぎのうどん
ー/ー
「そうなんですよ。あと、この風鈴のワンポイントも特徴的ですよねぇ」
俺はここぞとばかりに商品の売りをアピールする。よし、感触はいいぞ!
「決めました! これ買います!」
毎度あり! 俺の腕は確かだった。
「――そうだ! せっかくだから、試作品のうどんを召し上がってみませんか?」
凪さんは食器を見て気を良くしたのか、何やら試食の提案をしてきたぞ?
「い、いいんですか!?」
試作品、気になるじゃないか! しかし、ここは敢えて遠慮がちな体を装うことにしよう。
「ええ! お客さんなかなか来てくれないから、今日は奮発しちゃいます!」
女性には失礼だが......太っ腹だよこの人! せっかくだから、お言葉に甘えよう!
そういうと凪さんは厨房へ向かった。久々の来客なのだろうか? 彼女の表情はとても生き生きとしている。
そういえば、お父さんはいつの間にか姿を消していた。きっと、俺が商談をしている間に外へ出て行ったのだろう。
数分後、凪さんは自信に満ちた表情で試作品を運んできた。
「......これは?」
それを見て、俺は目を丸くする。何ということだろう......麺が1本じゃないか! しかも、とんでもなく細長い! こんなうどん、俺は今まで見たことないぞ!?
「へへっ! 京都で食べた一本うどんを私なりにアレンジしてみました」
確かに一本うどん自体は聞いたことあるが、俺の知っているのは麺がもっと太かったぞ? こんなに細い麺、一体どうやって伸ばしているんだ?
「......気になるでしょ? でもこれは企業秘密!」
どうやら、凪さんはこれ以上のことを教えてくれないらしい。とにかく、早く食べろと言わんばかりの様子だ。俺は意を決して麺をすすった。
......長い、とにかく長い! どこかで麺を噛み切らないと窒息死してしまう! けれど、俺はそのタイミングを完全に見失ってしまっている。これは、凪さんの罠か!?
「えへっ? そのうどん、食べ方に困るでしょう?」
凪さんは、俺の困惑している様子を楽しんでいる。間違いない、彼女は確信犯だ! このままでは、俺の口に際限なくうどんが流入してきてしまう! 苦しみの連鎖をここで断ち切らねば......うどんだけに!!
俺は無我夢中でうどんを噛み切ろうとするが......弾力があって噛み切れない! これが普通のうどんであれば、もちもちの麺といえる。しかし、これが現状では仇になっている。俺がこれほどまでに、うどんのもちもち感を恨むことは今後ないだろう。まさに空前絶後だ。
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毎度あり! 俺の腕は確かだった。
「――そうだ! せっかくだから、試作品のうどんを召し上がってみませんか?」
凪さんは食器を見て気を良くしたのか、何やら試食の提案をしてきたぞ?
「い、いいんですか!?」
試作品、気になるじゃないか! しかし、ここは敢えて遠慮がちな|体《てい》を装うことにしよう。
「ええ! お客さんなかなか来てくれないから、今日は奮発しちゃいます!」
女性には失礼だが......太っ腹だよこの人! せっかくだから、お言葉に甘えよう!
そういうと凪さんは厨房へ向かった。久々の来客なのだろうか? 彼女の表情はとても生き生きとしている。
そういえば、お父さんはいつの間にか姿を消していた。きっと、俺が商談をしている間に外へ出て行ったのだろう。
数分後、凪さんは自信に満ちた表情で試作品を運んできた。
「......これは?」
それを見て、俺は目を丸くする。何ということだろう......麺が1本じゃないか! しかも、とんでもなく細長い! こんなうどん、俺は今まで見たことないぞ!?
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確かに一本うどん自体は聞いたことあるが、俺の知っているのは麺がもっと太かったぞ? こんなに細い麺、一体どうやって伸ばしているんだ?
「......気になるでしょ? でもこれは企業秘密!」
どうやら、凪さんはこれ以上のことを教えてくれないらしい。とにかく、早く食べろと言わんばかりの様子だ。俺は意を決して麺をすすった。
......長い、とにかく長い! どこかで麺を噛み切らないと窒息死してしまう! けれど、俺はそのタイミングを完全に見失ってしまっている。これは、凪さんの罠か!?
「えへっ? そのうどん、食べ方に困るでしょう?」
凪さんは、俺の困惑している様子を楽しんでいる。間違いない、彼女は確信犯だ! このままでは、俺の口に際限なくうどんが流入してきてしまう! 苦しみの連鎖をここで断ち切らねば......うどんだけに!!
俺は無我夢中でうどんを噛み切ろうとするが......弾力があって噛み切れない! これが普通のうどんであれば、もちもちの麺といえる。しかし、これが現状では仇になっている。俺がこれほどまでに、うどんのもちもち感を恨むことは今後ないだろう。まさに空前絶後だ。