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夏の蝉音が誘う、淡い恐怖
全体としては、夏の蝉音と淡い恋心が交錯する不気味さが印象的だが、恐怖の核心がやや曖昧に留まる。文体は淡々として読みやすく、過去と現在を行き来させる構成が期待感を高める点は評価できる。主人公の執着が徐々に歪む様は心理的ホラーとしての魅力を提供する。一方、展開のテンポが不均一で、クライマックスの幽霊噂が唐突に現れるため、恐怖の蓄積が散漫になる。恋愛描写が前面に出過ぎて緊張感が薄れがちなのも残念だ。\nそれでも読む価値はある。
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