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身近な猫について考えさせられる
本作の舞台は、猫です。
……早速ネタバレとなりましたが、この点はほぼ最初から分かるようになっているので、あえて言及した上で語りたいと思います。
今日日、野良猫となると珍しいですが、代わりに地域猫という枠組みができており、また、家族にお迎えする世帯もとても多く、つまり猫というのは人の領域のどこにでもいるわけです。
その多くが、たとえばこのようにきちんと生きられなかった魂を保護しているのだとしても、個人的にはそれほど意外なことではないな、なんて思いながら拝読しておりました。
否定も肯定もせず、ただ好きなだけいさせてあげる――その在り方は、(個人差はありますが)人が猫に接する時の様子とよく似ているような気がします。
一方で、出て行きたくなったらそうさせてあげるあたりは、おそらく猫ならではの価値観です。
本作では、この非対称の距離感をこそ彼らの優しさと捉え、表現されたのではないかな、と思います。
そして個人的には、この解釈に大賛成です。
よいひとときをありがとうございました。
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