閑話 小早川くんの大恩人 2-②
ー/ー この時は知らなかったっスけど、明知所長、警察OBで、元同僚にもバリバリ現役の警察官が沢山いて、速攻で某ブラックなイカサマ商品販売会社、摘発したっス。
ボクも同罪だったんスが、良心を持って内部告発をした協力者で、そもそも半分騙されて入社させられてたってこともあって、罪一等減じられて、厳重注意の不起訴処分、ってことになったっス。
で。
あの時、土岐田さんに見えていたモノなんスが。
警察への通報の最中、土岐田さんが話すには。
「……いや、多分、罪悪感の塊になっていたところへ騙された人達の怨念やら、同僚の人達の後ろめたさとか、罪の意識やらが、小早川クンに引き寄せられちゃったと思うんだよね。で、その頃と前後して、その罪悪感に蓋しちゃったもんだから、一緒にその怨念やらもキミの体に封印? みたいな感じで根付いちゃって。で、更に怨念は引き寄せられるし、その影響で感情も含めて、色んな感覚、どんどんマヒさせて行っちゃって……キミも、キミの守護霊も、悲鳴上げていたんだよね」
「……ボクと、ボクの守護霊、っスか?」
「うん。キミも、相当苦しかったんだと思うよ。気が付かないうちに、心が悲鳴上げていたんだと思う。おかげで、楽しい家族ランチ中断して、キミの対処せざるを得なかった」
「そんなに、顔にでも出てたっスか? あ、まあ、泣いちゃっていたっスね、確かに」
「それ以上にね。うちのハルが、真っ青になって震えていたし。相当、ヤバいなあ、って。あ、あと、キミに連なる血族も、助けを求めていた。これは、俺にも分かった。キミの、弟? かな? かなり幼い魂が、泣いてすがっていたよ」
「……あー、たぶん、うちの息子っス」
「そっか、息子……息子?」
「はい、ボク、もう妻子もいるっス。うちの一歳になる息子が……泣いてたっスか……」
「……いや、そっか、もうハタチ過ぎなら、おかしくないな、そうだよな。この顔で、もう父親……」
「あのな、瑛比古。お前、人のこと言えないだろ? 美晴ちゃんが子供産んだのは、お前が高校生の時じゃないか。22歳なら、まだ標準だぞ?」
「この場合問題なのは、歳じゃなくて、この顔です。こんなガキに……しかも、いかにも人の良さそうな、頼りなさそうな子供に謝られたら、ジイサンバアサン、許さざるを得ない、っていう、心理効果狙って採用されたんですよ、きっと。なのに、ハタチ過ぎとか、コイツが一番の詐欺師だ」
「だからお前が言うなよ。小早川クン、といったかな? すまんな。コイツは口が悪くて」
「いや、いっスよ。ボクこそ、キレイなお姉さんと弟さんと、可愛い甥っ子くんとのランチ、邪魔しちゃって申し訳ないっス」
「……いや、ナミくんは、瑛比古の子供だよ?」
「美晴さんは俺の妻だ!」
「そうなんスか? あー、じゃあ、瑛比古くんも、ボクのこと、言えないじゃないスか?! あ、22歳が標準って、そういうことっスか? でも、あの子、年の割に大きいっスね。もう、小学生くらいに見えたっスよ」
「ナミは、小学生だけど?」
「え? じゃ、瑛比古くん、何歳でお父さんになったんスか? まさか、15歳くらいで?」
「……いや、あのな、瑛比古は、今、33歳だ」
「……は? 23歳、の間違いじゃなくて?」
「……瑛比古の長男のハルくんが産まれたのは、コイツが18歳の時だ。おまけに言うと、今日キミがあったのは長男のハルくんと、末っ子のナミくんで、間にもう一人、男の子がいる」
「………………どっちが詐欺師なんスかーっ?! この父っちゃん坊やが!」
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