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第10話 のりこ探検隊の冒険!

ー/ー



 羽馴島に潜むというUMA・ハナレドン。その真相を確かめるべく、のりこ探検隊は羽馴の森へ向かった。
「......キューン!」
 背後から忍び寄る黒い影!! 早くも、ハナレドンとの遭遇か!?
「のりこ隊長、あれは一体!?」
 りょうた隊員がその影を見つめる。我々を警戒しているのか、その影は牛歩のように歩み寄ってくる。
「油断しないで! 奴は私たちを油断させて、隙を突くつもりなのよ!!」
 影はなおもこちらへ進行してくる......が、一定の間合いを保ち歩みを止める。これはどうしたことか?
「隊長、あれはもしかして……?」
 りょうた隊員は何かに気付いた。丸みを帯びた体型、どこかで......。
「ルナちゃん!!」
 残念ながら、ハナレドンではなくタヌキだった。右頬にある三日月型の切り傷、ルナに間違いない。
「あなたも、のりこ探検隊へ入隊希望? いいわ、歓迎する!」
 のりこ隊長は、ジャーキーを使ってルナの勧誘を試みる。結果、のりこ探検隊に新たな仲間が加わった!
ーー
 長い坂道を進み、のりこ探検隊は羽馴の森へ到着した。ハナレドンは、この深奥に潜んでいるという。
「のりこ隊長。この先はどうしましょう?」
 りょうた隊員に焦りの表情。一体、どうしたというのか?
「困ったわね、これでは先に進めない……」
 のりこ隊長も頭を抱えている。鬱蒼とした森林が行く手を阻み、我々の侵入を拒んでいるのだ。
「……!」
 ケン隊員が鼻を利かせ、匂いを頼りに土を掘り返す。すると、足元から隠し通路が現れた!!
「でかしたわね! ケン隊員!」
 そこは、大人一人がようやく通れるほどの狭い獣道。ケン隊員は、先導するように奥地へ突き進んでいく。
「ルナ隊員、後ろは変わりないかしら?」
 のりこ隊長は、後方支援としてルナ隊員を配置。今のところ、特段の異常は見られない。
「ケン隊員、そこに何かあるの?」
 突如、ケン隊員が立ち止まる。彼はおもむろに足元の土を掘り返すが、周囲にその土が飛び散る。
「隊長、大量に土が飛んできます!」
 りょうた隊員は思わずしゃがみ込む。ハナレドンは、尚も我々の侵入を拒んでいるのか!?
「みんな、耐えてちょうだい!」
 のりこ隊長は、隊員達の士気を保つべく激励する。ハナレドンの猛攻、ここは耐えなければならない!!
 ケン隊員の掘り返しが漸く終わる。ケン隊員はその場に寝転がり、恍惚の表情を浮かべていた。
「ケン隊員が寝転んでしまうなんて、なんて恐ろしい森......」
 のりこ探検隊は、羽馴の森の魔力に畏怖の念を抱いた。これこそ、UMAたるハナレドンの脅威そのもの。
ーー
 探検隊は、漸く森の深奥へ辿り着く。視界は開け、大小の砂利が足元に広がっていた。
「どこからか、水しぶきが聞こえるわね?」
 音を聞きつけ、ケン隊員が先行。他の隊員もそれに続く。
「隊長、大きな滝壺が見えます!!」
 りょうた隊員が指差す先で、轟音とともに瀑水が飛散している。細石(さざれいし)が巌となり、苔生すような悠久の時間がそこには刻まれていた。
「おそらく、ここは森の神様が住まう滝に違いないわ。何だか神々しい......」
 のりこ隊長は、神に対する敬意を込めて合掌。その背後で、何者かが水面に飛び込んだ!
「何っ!?」
 のりこ隊長は思わず振り向いた。りょうた隊員が指差す先には、信じられない光景が!!
「隊長、大変です! ルナ隊員が潜水を始めました!」
 意外と知られていないが、タヌキは泳ぎが得意な生き物。けれど、潜水するタヌキは前代未聞だ。
「ルナ隊員、大丈夫でしょうか?」
 りょうた隊員は彼が潜水したきり、音沙汰がないことに焦りを隠せない。彼はそれほど深層へ泳いでいるのか、はたまた溺死してしまったのか......?
「遅いわね。ルナ隊員に何かあったのかしら......」
 のりこ隊長も気が気でない。その矢先、水中から何者かが勢い良く浮上してくるではないか!!
「ルナ隊員!! それと、あれは何でしょうか!?」
 りょうた隊員は、あるものを指し示す。何と、ルナ隊員が巨大魚の尾鰭に食らいついていではないか!!
「うわっ!!」
 巨大魚は、水しぶきとともに水上へ跳び上がる。そのまま、勢い余って隊員達の方へ突っ込んできたのだ!!
 周囲には、ドンという鈍い衝撃音が響き渡る。巨大魚は陸へ打ち上がり、鰭をペチペチと地面へ打ち付けている。
 その一方で、ルナ隊員は微動だにしない。水中で窒息してしまったのだろうか……?
「ルナ隊員!!」
 隊員達は、ルナ隊員の身を案じる。ケン隊員が、おもむろに彼の頬を舐める。
「……!?」
 ルナ隊員が息を吹き返した。どうやら、気絶していただけのようだ。
「ルナ隊員、無事で良かった」
 のりこ隊長は、ほっと胸を撫で下ろす。確認した彼女は、ルナ隊員の看護をケン隊員へ託した。
「のりこ隊長、この魚こそがハナレドンでしょうか?」
 川の大きさに似つかわしくない巨大魚。りょうた隊員が、ハナレドンだと疑っても然るべき。
「ハナレドンではなさそう。けれど、この滝の主かもしれないわ」
 のりこ隊長が私見を述べる。確かに、この巨体なら川の主と言われても納得だ。
「とりあえず、このお魚さんは持ち帰りましょう」
 結果的に、のりこ探検隊は思わぬ収穫を得た。だが、のりこ探検隊へ迫る黒い影が……!
「......っ!?」
 何と、カラスの集団が巨大魚目当てに襲来したのである!! これは、のりこ探検隊の予期せぬ事態だ!!
「......まずい、せっかくの獲物がカラス達に奪われてしまうわ!!」
 のりこ探検隊に成す術はあるのか!? ......!? To be continued(つづく)


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 羽馴島に潜むというUMA・ハナレドン。その真相を確かめるべく、のりこ探検隊は羽馴の森へ向かった。「......キューン!」
 背後から忍び寄る黒い影!! 早くも、ハナレドンとの遭遇か!?
「のりこ隊長、あれは一体!?」
 りょうた隊員がその影を見つめる。我々を警戒しているのか、その影は牛歩のように歩み寄ってくる。
「油断しないで! 奴は私たちを油断させて、隙を突くつもりなのよ!!」
 影はなおもこちらへ進行してくる......が、一定の間合いを保ち歩みを止める。これはどうしたことか?
「隊長、あれはもしかして……?」
 りょうた隊員は何かに気付いた。丸みを帯びた体型、どこかで......。
「ルナちゃん!!」
 残念ながら、ハナレドンではなくタヌキだった。右頬にある三日月型の切り傷、ルナに間違いない。
「あなたも、のりこ探検隊へ入隊希望? いいわ、歓迎する!」
 のりこ隊長は、ジャーキーを使ってルナの勧誘を試みる。結果、のりこ探検隊に新たな仲間が加わった!
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 長い坂道を進み、のりこ探検隊は羽馴の森へ到着した。ハナレドンは、この深奥に潜んでいるという。
「のりこ隊長。この先はどうしましょう?」
 りょうた隊員に焦りの表情。一体、どうしたというのか?
「困ったわね、これでは先に進めない……」
 のりこ隊長も頭を抱えている。鬱蒼とした森林が行く手を阻み、我々の侵入を拒んでいるのだ。
「……!」
 ケン隊員が鼻を利かせ、匂いを頼りに土を掘り返す。すると、足元から隠し通路が現れた!!
「でかしたわね! ケン隊員!」
 そこは、大人一人がようやく通れるほどの狭い獣道。ケン隊員は、先導するように奥地へ突き進んでいく。
「ルナ隊員、後ろは変わりないかしら?」
 のりこ隊長は、後方支援としてルナ隊員を配置。今のところ、特段の異常は見られない。
「ケン隊員、そこに何かあるの?」
 突如、ケン隊員が立ち止まる。彼はおもむろに足元の土を掘り返すが、周囲にその土が飛び散る。
「隊長、大量に土が飛んできます!」
 りょうた隊員は思わずしゃがみ込む。ハナレドンは、尚も我々の侵入を拒んでいるのか!?
「みんな、耐えてちょうだい!」
 のりこ隊長は、隊員達の士気を保つべく激励する。ハナレドンの猛攻、ここは耐えなければならない!!
 ケン隊員の掘り返しが漸く終わる。ケン隊員はその場に寝転がり、恍惚の表情を浮かべていた。
「ケン隊員が寝転んでしまうなんて、なんて恐ろしい森......」
 のりこ探検隊は、羽馴の森の魔力に畏怖の念を抱いた。これこそ、UMAたるハナレドンの脅威そのもの。
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 探検隊は、漸く森の深奥へ辿り着く。視界は開け、大小の砂利が足元に広がっていた。
「どこからか、水しぶきが聞こえるわね?」
 音を聞きつけ、ケン隊員が先行。他の隊員もそれに続く。
「隊長、大きな滝壺が見えます!!」
 りょうた隊員が指差す先で、轟音とともに瀑水が飛散している。|細石《さざれいし》が巌となり、苔生すような悠久の時間がそこには刻まれていた。
「おそらく、ここは森の神様が住まう滝に違いないわ。何だか神々しい......」
 のりこ隊長は、神に対する敬意を込めて合掌。その背後で、何者かが水面に飛び込んだ!
「何っ!?」
 のりこ隊長は思わず振り向いた。りょうた隊員が指差す先には、信じられない光景が!!
「隊長、大変です! ルナ隊員が潜水を始めました!」
 意外と知られていないが、タヌキは泳ぎが得意な生き物。けれど、潜水するタヌキは前代未聞だ。
「ルナ隊員、大丈夫でしょうか?」
 りょうた隊員は彼が潜水したきり、音沙汰がないことに焦りを隠せない。彼はそれほど深層へ泳いでいるのか、はたまた溺死してしまったのか......?
「遅いわね。ルナ隊員に何かあったのかしら......」
 のりこ隊長も気が気でない。その矢先、水中から何者かが勢い良く浮上してくるではないか!!
「ルナ隊員!! それと、あれは何でしょうか!?」
 りょうた隊員は、あるものを指し示す。何と、ルナ隊員が巨大魚の尾鰭に食らいついていではないか!!
「うわっ!!」
 巨大魚は、水しぶきとともに水上へ跳び上がる。そのまま、勢い余って隊員達の方へ突っ込んできたのだ!!
 周囲には、ドンという鈍い衝撃音が響き渡る。巨大魚は陸へ打ち上がり、鰭をペチペチと地面へ打ち付けている。
 その一方で、ルナ隊員は微動だにしない。水中で窒息してしまったのだろうか……?
「ルナ隊員!!」
 隊員達は、ルナ隊員の身を案じる。ケン隊員が、おもむろに彼の頬を舐める。
「……!?」
 ルナ隊員が息を吹き返した。どうやら、気絶していただけのようだ。
「ルナ隊員、無事で良かった」
 のりこ隊長は、ほっと胸を撫で下ろす。確認した彼女は、ルナ隊員の看護をケン隊員へ託した。
「のりこ隊長、この魚こそがハナレドンでしょうか?」
 川の大きさに似つかわしくない巨大魚。りょうた隊員が、ハナレドンだと疑っても然るべき。
「ハナレドンではなさそう。けれど、この滝の主かもしれないわ」
 のりこ隊長が私見を述べる。確かに、この巨体なら川の主と言われても納得だ。
「とりあえず、このお魚さんは持ち帰りましょう」
 結果的に、のりこ探検隊は思わぬ収穫を得た。だが、のりこ探検隊へ迫る黒い影が……!
「......っ!?」
 何と、カラスの集団が巨大魚目当てに襲来したのである!! これは、のりこ探検隊の予期せぬ事態だ!!
「......まずい、せっかくの獲物がカラス達に奪われてしまうわ!!」
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