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⑨ 頁 都鳥 様part

ー/ー



「別に、君に勝ちたいわけじゃないし」
 そんな風に強がってみせながら、殆ど役にたたない壊れた傘をさしたまま、歩き始めた。
 このまま話していても、彼女の気をひけるわけでもないし、雨が止むわけでもない。
 自分の完敗を認めてしまって、これ以上に自慢げな顔を見せられる前に、家に帰って濡れた服を着替えよう。そう思った。

 その時、僕の行こうとする向こう側から、大型のトラックが一台こちらに向かってきた。
 道幅が狭いわけでもない。このまま通り過ぎたとしても危険は全くない。
 そう思って何の警戒もしていなかった。

 途端に、大きな水音がしたかと思うと、僕の顔面目掛けて泥水が飛んで来た。

「うわっぷ!」
 顔から浴びただけでなく、口にも少し入った。

 ぺっぺっと口に入った泥を吐き出す。でもまだ変な感じがする。

「大丈夫!?」
 後ろから、彼女が駆け寄ってきた。
 被害にあったのは僕だけで済んだのだろう。彼女は無事だ。
 そのことに少しだけ安堵した。

「何よ、あのトラック!」
 そう言って彼女はトラックの走り去った先を振り返って、怒ったように頬を膨らせた。


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「別に、君に勝ちたいわけじゃないし」
 そんな風に強がってみせながら、殆ど役にたたない壊れた傘をさしたまま、歩き始めた。
 このまま話していても、彼女の気をひけるわけでもないし、雨が止むわけでもない。
 自分の完敗を認めてしまって、これ以上に自慢げな顔を見せられる前に、家に帰って濡れた服を着替えよう。そう思った。
 その時、僕の行こうとする向こう側から、大型のトラックが一台こちらに向かってきた。
 道幅が狭いわけでもない。このまま通り過ぎたとしても危険は全くない。
 そう思って何の警戒もしていなかった。
 途端に、大きな水音がしたかと思うと、僕の顔面目掛けて泥水が飛んで来た。
「うわっぷ!」
 顔から浴びただけでなく、口にも少し入った。
 ぺっぺっと口に入った泥を吐き出す。でもまだ変な感じがする。
「大丈夫!?」
 後ろから、彼女が駆け寄ってきた。
 被害にあったのは僕だけで済んだのだろう。彼女は無事だ。
 そのことに少しだけ安堵した。
「何よ、あのトラック!」
 そう言って彼女はトラックの走り去った先を振り返って、怒ったように頬を膨らせた。