第4章〜①〜
ー/ー8月12日(木)天候・雨
自分たちが行った、月初めの雨の日の実験そのものが、今月の天気に影響を与えたのではないかーーーーーーそう思わせるほど、快晴つづきだった七月とは一転して、八月に入ってからは雨の日が増えてきた。
テレビの天気予報が伝えるところによると、今後、一週間は雨模様の天気が予想され、夏休み中に、こんな天候が続くのは、数十年ぶりのことらしい。
「これじゃ、感染症に関係なく、どのみち花火大会は中止だったか……」
家族との夕食時、自宅のリビングでニュース番組を観ながら、誰に言うとでもなくつぶやく。すると、
「なんだ、夏生? 花火を観に行きたかったのか?」
と、こちらの一人言に反応した父親がたずねてきた。
「いや……雨だけじゃなくて、感染症のこともあるし、密を避けるために、花火大会は、どこも中止になってるだろう?」
あらためて意識してしまうのは悲しいことではあるが、先週、ネット検索して知り得た結果を淡々と語る。
しかし、父親からは、意外な答えが返ってきた。
「そうか……実は、得意先の社長さんが、月末に自費で花火を打ち上げるらしくてな。今年は花火大会の中止が相次いでいるから、手の空いている花火職人さんに打ち上げてもらう本格的なモノになるらしいぞ! 興味があったら、一緒に見に行かないか、と思っていたんだが……」
父が、その言葉を言い終える前に、オレは、前のめりになって、食い気味に質問を返していた。
「なあ、親父! それって、友達を誘ったりしても大丈夫か?」
「まぁ、よほどの大人数にならなければ問題ないと思うがな……参加する気があるなら、社長さんに何名まで申し込めるか聞いておこうか?」
「頼む!」
両手を合わせて拝む息子に対して、
「こんなに食い付きが良いとは思わなかったが……まぁ、娯楽の少ない夏だったしな。若い人間に興味を持ってもらえるなら、カワタさんも喜んでくれるだろう」
父親は、苦笑いしながら応じてくれた。
カワタさんというヒトが、父の言う社長さんのようだ。
いずれにしても、思ってもみなかったところからもたらされた朗報に、ふさぎ込みかけていた気持ちが少しずつ晴れていく。
そして、もし、実現すれば、夏休み最後の大イベントになるかも知れない、この提案ついて、個人で主催する花火大会が、どんなモノになるのか、スマホで調べてみることにした。
8月13日(金)天候・雨
翌日も、天気予報のとおり、雨の降りしきる一日だったのだがーーーーーー。
夕方、帰宅した父親からもたらされた、
「花火のことを社長さんに確認したが、合計八人まで参加可能だそうだ」
という一報に、心が一気に晴れ渡る想いになった。
父の言葉に、小さく拳を握って、「ヨシッ」と、ガッツポーズし、あらためて
「友達を誘ってもイイか?」
と、たずねる。すると、
「あぁ、ホントは一家族四名までの制限にしているそうなんだが……『息子が友達を誘いたがっている』と、社長さんに伝えたら、『坂井さんには、いつもお世話になっているし、お友達が来られるなら、二家族分とさせてもらいます』と許可してくれたんだ」
そんな答えが返ってきた。
メーカーで複合機やプリンタのカスタマーエンジニアとしてルート周り(カタカナが並ぶので、どんな仕事のなのか詳細を理解できていない部分もある)の仕事をしている父親は、訪問先で中小企業の役員の人々と知り合うことが多いらしい。
今回は、その人脈に感謝である。
早速、スマホのメッセージアプリで、小嶋夏海にメッセージを送る。
==============
父親の知り合いから花火大会の
お誘いがあったのだが
良ければ、実験も兼ねて
一緒に行かないか?
日程は、8月28日(土)
参加できそうなら返信求ム
==============
これまでとは異なり、すぐにメッセージに既読がつき、メッセージが返信されてくる、ということはなかったが、この時は、別のことにも気を取られていたため、
(ちょっと、急なことだったし、タイミングが悪かったか?)
と、さして気にも留めず、別件のメッセージの作成に取り掛かる。
自分たちが行った、月初めの雨の日の実験そのものが、今月の天気に影響を与えたのではないかーーーーーーそう思わせるほど、快晴つづきだった七月とは一転して、八月に入ってからは雨の日が増えてきた。
テレビの天気予報が伝えるところによると、今後、一週間は雨模様の天気が予想され、夏休み中に、こんな天候が続くのは、数十年ぶりのことらしい。
「これじゃ、感染症に関係なく、どのみち花火大会は中止だったか……」
家族との夕食時、自宅のリビングでニュース番組を観ながら、誰に言うとでもなくつぶやく。すると、
「なんだ、夏生? 花火を観に行きたかったのか?」
と、こちらの一人言に反応した父親がたずねてきた。
「いや……雨だけじゃなくて、感染症のこともあるし、密を避けるために、花火大会は、どこも中止になってるだろう?」
あらためて意識してしまうのは悲しいことではあるが、先週、ネット検索して知り得た結果を淡々と語る。
しかし、父親からは、意外な答えが返ってきた。
「そうか……実は、得意先の社長さんが、月末に自費で花火を打ち上げるらしくてな。今年は花火大会の中止が相次いでいるから、手の空いている花火職人さんに打ち上げてもらう本格的なモノになるらしいぞ! 興味があったら、一緒に見に行かないか、と思っていたんだが……」
父が、その言葉を言い終える前に、オレは、前のめりになって、食い気味に質問を返していた。
「なあ、親父! それって、友達を誘ったりしても大丈夫か?」
「まぁ、よほどの大人数にならなければ問題ないと思うがな……参加する気があるなら、社長さんに何名まで申し込めるか聞いておこうか?」
「頼む!」
両手を合わせて拝む息子に対して、
「こんなに食い付きが良いとは思わなかったが……まぁ、娯楽の少ない夏だったしな。若い人間に興味を持ってもらえるなら、カワタさんも喜んでくれるだろう」
父親は、苦笑いしながら応じてくれた。
カワタさんというヒトが、父の言う社長さんのようだ。
いずれにしても、思ってもみなかったところからもたらされた朗報に、ふさぎ込みかけていた気持ちが少しずつ晴れていく。
そして、もし、実現すれば、夏休み最後の大イベントになるかも知れない、この提案ついて、個人で主催する花火大会が、どんなモノになるのか、スマホで調べてみることにした。
8月13日(金)天候・雨
翌日も、天気予報のとおり、雨の降りしきる一日だったのだがーーーーーー。
夕方、帰宅した父親からもたらされた、
「花火のことを社長さんに確認したが、合計八人まで参加可能だそうだ」
という一報に、心が一気に晴れ渡る想いになった。
父の言葉に、小さく拳を握って、「ヨシッ」と、ガッツポーズし、あらためて
「友達を誘ってもイイか?」
と、たずねる。すると、
「あぁ、ホントは一家族四名までの制限にしているそうなんだが……『息子が友達を誘いたがっている』と、社長さんに伝えたら、『坂井さんには、いつもお世話になっているし、お友達が来られるなら、二家族分とさせてもらいます』と許可してくれたんだ」
そんな答えが返ってきた。
メーカーで複合機やプリンタのカスタマーエンジニアとしてルート周り(カタカナが並ぶので、どんな仕事のなのか詳細を理解できていない部分もある)の仕事をしている父親は、訪問先で中小企業の役員の人々と知り合うことが多いらしい。
今回は、その人脈に感謝である。
早速、スマホのメッセージアプリで、小嶋夏海にメッセージを送る。
==============
父親の知り合いから花火大会の
お誘いがあったのだが
良ければ、実験も兼ねて
一緒に行かないか?
日程は、8月28日(土)
参加できそうなら返信求ム
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これまでとは異なり、すぐにメッセージに既読がつき、メッセージが返信されてくる、ということはなかったが、この時は、別のことにも気を取られていたため、
(ちょっと、急なことだったし、タイミングが悪かったか?)
と、さして気にも留めず、別件のメッセージの作成に取り掛かる。
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