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第3章〜⑮〜

ー/ー



再び、交流ルームで、一人になったオレは、あらためて、大嶋裕美子から聞かされた話しを振り返る。

(ツカサさんは、悪い人じゃなさそうだし、中嶋にも悪気があったわけではないだろうが、それにしても……)

 康之の心情を察すると、思わず「ハァ〜………………」と、大きなタメ息が漏れた。
 おまけに、ことは康之一人に限らず、昨日ともに参加していた哲夫も無関係とは言えない。
 自分たち男子三人は、中嶋たちの男女間の些細(?)な感情のすれ違いに、知らない間に巻き込まれたとも言えるのだ。
 現段階で、夏休み中に康之や哲夫と顔を合わせる機会があるかどうかはわからないが、次に二人に会った時に、どう接すれば良いのか、と頭を抱えてしまう。

(中嶋とツカサさんのことを話すわけにはイカンし……ここは、何も聞かなかった、知らなかった、という設定で、頬かむりを決め込むしかないか……)

 あやうく口論に成りかけた小嶋夏海と自分の小さな(いさか)いについては、上手く収めてくれたものの、まったく、大島裕美子も、厄介なことを知らせてくれたモノである。
 人間には、知らずにいた方が幸せなこともある、という真理をあらためて確認し、もう一度「ハァ……」と、小さく嘆息するのと、ほぼ同時に、通話のために館外に出ていた小嶋夏海が戻ってきた。
 彼女の表情は、通話をする前までと比べて、ずい分と柔らかくなっている様に感じられる。

「ユミコとの話しは、終わったから……お昼を食べに行かない?」

 まるで、先ほどまでの口論は、なかったかのような口ぶりだったが、大嶋と通話をした際のことを思い出したオレは、

「その……せっかく、協力してくれる人を紹介してくれたのに、愛想のない対応をして悪かったな……あと、余計なことも言ってしまったし……スマン」

と、謝罪の言葉を伝えた。
 すると、彼女は、一瞬、フッと表情を崩したあと、

「まぁ、ちゃんと説明できていなかった私の方にも問題はあったと思うし、坂井も反省してるみたいだから、もうイイよ。それより、ツカサさんにも、その言葉を伝えてあげて」

と、語る。

「あぁ、それは、大嶋に頼んでおいた」

返答すると、彼女は、「そうなんだ……」と答えて、微笑んだあと、

「でも、気になることがあるなら、ハッキリ言えばイイのに……」

謎めいた言葉を残す。

(ん? 気になること――――――ってナンだ!?)

 彼女も、中嶋由香の相談にのっているということだったので、そのことか、と予測する。
 そんな、こちらの想像をよそに、彼女は、

「独占欲の強い相手に惚れられると、大変だよね〜」

と、またも、謎の言葉を口にしながら、クスクスと笑う。
 やはり、この会話の流れからして、中嶋のことを指していそうだ。

「う〜ん、どうなんだろう? 大嶋は、『嫉妬はする側より、される側に回りたい』とか言っていたが……」

 そう返答すると、すっかり上機嫌になった小嶋夏海は、

「へぇ〜、実感の籠もったセリフね。やっぱり、当事者が言うと、説得力が違うな〜」

と、余裕の表情で言葉を返してきた。
 当事者とは、だれのことだ? 大嶋裕美子が、誰かに嫉妬していたりするのだろうか?
 様々な疑問符が、脳内を駆け巡るが、中嶋由香とツカサさんのことだけでも、キャパオーバーに成りかけているのに、この上、その他の色恋沙汰に関する情報をインプットしてしまうと、確実に自分の思考器官は、オーバーフローしてしまうだろう、と判断し、

「あ、あぁ、そうだな……」

と、曖昧な表情と言葉を小嶋夏海に返して、新たな情報をシャットアウトすることにした。


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再び、交流ルームで、一人になったオレは、あらためて、大嶋裕美子から聞かされた話しを振り返る。
(ツカサさんは、悪い人じゃなさそうだし、中嶋にも悪気があったわけではないだろうが、それにしても……)
 康之の心情を察すると、思わず「ハァ〜………………」と、大きなタメ息が漏れた。
 おまけに、ことは康之一人に限らず、昨日ともに参加していた哲夫も無関係とは言えない。
 自分たち男子三人は、中嶋たちの男女間の些細(?)な感情のすれ違いに、知らない間に巻き込まれたとも言えるのだ。
 現段階で、夏休み中に康之や哲夫と顔を合わせる機会があるかどうかはわからないが、次に二人に会った時に、どう接すれば良いのか、と頭を抱えてしまう。
(中嶋とツカサさんのことを話すわけにはイカンし……ここは、何も聞かなかった、知らなかった、という設定で、頬かむりを決め込むしかないか……)
 あやうく口論に成りかけた小嶋夏海と自分の小さな|諍《いさか》いについては、上手く収めてくれたものの、まったく、大島裕美子も、厄介なことを知らせてくれたモノである。
 人間には、知らずにいた方が幸せなこともある、という真理をあらためて確認し、もう一度「ハァ……」と、小さく嘆息するのと、ほぼ同時に、通話のために館外に出ていた小嶋夏海が戻ってきた。
 彼女の表情は、通話をする前までと比べて、ずい分と柔らかくなっている様に感じられる。
「ユミコとの話しは、終わったから……お昼を食べに行かない?」
 まるで、先ほどまでの口論は、なかったかのような口ぶりだったが、大嶋と通話をした際のことを思い出したオレは、
「その……せっかく、協力してくれる人を紹介してくれたのに、愛想のない対応をして悪かったな……あと、余計なことも言ってしまったし……スマン」
と、謝罪の言葉を伝えた。
 すると、彼女は、一瞬、フッと表情を崩したあと、
「まぁ、ちゃんと説明できていなかった私の方にも問題はあったと思うし、坂井も反省してるみたいだから、もうイイよ。それより、ツカサさんにも、その言葉を伝えてあげて」
と、語る。
「あぁ、それは、大嶋に頼んでおいた」
返答すると、彼女は、「そうなんだ……」と答えて、微笑んだあと、
「でも、気になることがあるなら、ハッキリ言えばイイのに……」
謎めいた言葉を残す。
(ん? 気になること――――――ってナンだ!?)
 彼女も、中嶋由香の相談にのっているということだったので、そのことか、と予測する。
 そんな、こちらの想像をよそに、彼女は、
「独占欲の強い相手に惚れられると、大変だよね〜」
と、またも、謎の言葉を口にしながら、クスクスと笑う。
 やはり、この会話の流れからして、中嶋のことを指していそうだ。
「う〜ん、どうなんだろう? 大嶋は、『嫉妬はする側より、される側に回りたい』とか言っていたが……」
 そう返答すると、すっかり上機嫌になった小嶋夏海は、
「へぇ〜、実感の籠もったセリフね。やっぱり、当事者が言うと、説得力が違うな〜」
と、余裕の表情で言葉を返してきた。
 当事者とは、だれのことだ? 大嶋裕美子が、誰かに嫉妬していたりするのだろうか?
 様々な疑問符が、脳内を駆け巡るが、中嶋由香とツカサさんのことだけでも、キャパオーバーに成りかけているのに、この上、その他の色恋沙汰に関する情報をインプットしてしまうと、確実に自分の思考器官は、オーバーフローしてしまうだろう、と判断し、
「あ、あぁ、そうだな……」
と、曖昧な表情と言葉を小嶋夏海に返して、新たな情報をシャットアウトすることにした。