俺達と女の子達が辺境伯邸に無事到着して令嬢と友達になる話(3/3)

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「二人とも、そろそろ寝る時間だ。アースリーを縛るから、リーディアは別の方を向いてくれ」 「え? あ、はい」  シンシアの言葉に、なぜ別の方を向くのか不思議に思ったような反応のリーディアちゃんだったが、言われた通り、アースリーちゃんのいる方とは逆の方向を向いた。 「では、アースリー、着ている物を全部脱いでくれ」 「はい」 「え⁉ ちょ、ちょっと待って。なんで脱ぐ必要が?」  シンシアの言ったことに驚き、リーディアちゃんは慌てて、思わずアースリーちゃんの方を向いた。 「いつの間にか武器を隠し持っているかもしれないし、縛ったときに服が皺になるし、服があると縛りづらいからだ」  突拍子がないにもかかわらず、真面目で冷静な顔をしたシンシアの回答に、リーディアちゃんはまだ理解が追い付いていないようだった。武器の確認後にまた着ればいいし、服の皺などどうでもいいし、頑張って縛ればいいし、何だったら縛ってから着せればいいだけのことなのだが、彼女の心境とこの状況が冷静な考えと言語化を許さない。 「い、いや……でも……」 「どうしてもアースリーの裸が見たくないと言うのであれば、別の方法を考えなければいけないが……」 「リーちゃん、私の牛みたいなだらしない裸なんて見たくない?」  アースリーちゃんが、マナー講習で聞いた言葉を使って畳み掛けた。彼女の表情は、悲しさと妖艶さのどちらも兼ね備えていて、見つめた相手の答えを容易に一つに絞ることができるものだった。 「そんなことない! み、見た……い……けど……あぁ……私……どうにかなってしまいそう……」  リーディアちゃんは、自分が服を脱ぐわけでもないのに、顔を赤らめながら、頭を抱えて体をくねらせていた。 「それじゃあ、アースリーが恥ずかしくないように私も脱ごう。よかったらリーディアも脱いでくれ」 「は、はぁぁぁ⁉ 流石にその理屈はおかしいでしょう!」 「いや、アースリーだけ裸の方がおかしくないか? 傍から見たら、いじめみたいじゃないか。私達は友達なのだから、彼女が感じる恥ずかしさも共有したいと思わないか?」 「友達……。それは……そうです……けど……あぁ……裸同士で……一緒に……あぁ……!」  シンシアの滅茶苦茶な論理に添えられた『友達』の単語にそそのかされたリーディアちゃんは、またも頭を抱えて体をくねらせていた。リーディアちゃん、かわいいな。 「じゃあ脱ごうか。リーディアは、もう向こうを向いていてくれ」 「向こうを向いている間、私だけ実は脱いでないってこととか……」 「絶対にないから安心してくれ。全員が脱いだ物を私がそこに置くから、その時に私が脱いでいることを横目で確認できるはずだ」  シンシアがベッド横のリーディアちゃんがいる方の台を指して言った。アースリーちゃんが脱ぐかどうかから、リーディアちゃんが脱ぐかどうかに自分で論点を変えたことに気付いているだろうか。  彼女が別の方を向くと、シンシアとアースリーちゃんがするすると服を脱ぎ始めた。その衣擦れの音を聞いて、リーディアちゃんも不安げにゆっくりと脱ぎ始めた。  全員が脱ぎ終わると、シンシアが宣言通り、ベッドから下りて、その横の台に衣服を置いた。脱いだあとに下を向いていたリーディアちゃんは、ちらりとシンシアを見ると、また下を向き直した。  すると、アースリーちゃんがリーディアちゃんに背後から四つん這いで近づき、後ろから腕ごと抱き締めた。彼女達の身体は密着している。 「ア、ア、アーちゃん⁉ あ、あ、当たって……」 「リーちゃん、ちゃんと私も脱いでるから安心してね」  アースリーちゃんはそう言うと、あたふたしているリーディアちゃんを横目に、すぐにベッドの元の場所に戻っていった。リーディアちゃんは、期待と緊張が入り混じっているような落ち着きの無さで、まだソワソワしていた。 「アースリーちゃんが天然ジゴロに見えてきた……」 「俺もだ……」  ゆうと俺の意見が一致するのも当然だ。今のリーディアちゃんの様子を見ていると、アースリーちゃんの言うことを何でも聞きそうだ。それこそ、催眠魔法など使う必要はない。まさに天然催眠術だ。  俺達は、覚醒したアースリーちゃんがカウンセラーの才能に目覚めたと思っていたが、実はそうではなく、もしかすると、もっと広い、人の心を操る才能に目覚めたのではないかと思ってしまったほどだ。 「アースリー、最初は上半身を起こしたままで、もう少し奥に移動して……。よし、その辺でいいかな」  シンシアがアースリーちゃんの場所を指示すると、ベッド下にいた俺達は、体を起こして、アースリーちゃんの身体に巻き付いた。  ゆうが両腕を拘束して頭上に持ち上げ、俺が顔の横を通って、左胸から右胸を八の字に通り、また左胸に戻って下半身へ。前面から股間を通って、一度後ろに回り、右腰から前面に出て、右膝に巻き付いて腰まで広げて上げる。背中を通って左側に出たあとに、左膝も同様に上げて、アースリーちゃんの頭が枕に来るようにゆっくりと倒すと、M字開脚聖母の出来上がりだ。  俺はシンシアに完了の合図を送った。シンシアが頷くと、リーディアちゃんに声をかけた。 「リーディア、そのまま聞いてくれ。アースリーを縛り終わった。ただ、大切な友達の君だから話すが、彼女は特殊な方法で縛られている。驚いてもいいが、気持ち悪がらないで縛られた彼女を見てほしい。  それと、怖がる必要は全くない。この場にいる全員が君の味方だし、お互いを大切に想っている。無理に君を引き込もうとも思っていないが、理解してくれると嬉しい」 「ど、どうしたの、いきなりそんなこと言って……。でも、分かった。あなた達を信じてるから、ずっと友達だから大丈夫」 「ありがとう。では、振り返ってくれ」  シンシアの言葉に、リーディアちゃんはゆっくりと振り返った。 「……⁉ アーちゃん、なんて格好を……! って……な……何……これ……動いてる……蛇……? いえ、触手……なの?」 「触手だ。私はこの方をシュウ様、アースリーはシュウちゃんと呼んでいる。先程話したイリスとユキ、そして私達を絶望の淵から救ってくださったお方で、兄と妹の元人間二人が一つの触手体を共有している。このことは私達だけの秘密だ」 「そんなことが……でも、あなたが言うなら……いや、でもまだ…………あなた達を信じられないんじゃなくて、この状況が信じられなくて……。ありえないことが起こりすぎて、付いて行けていないと言うか……。もしかしたら、今日のあなた達との出会いも、全て私の夢なんじゃないかって思い始めて……」  目の前の光景とシンシアの説明に、戸惑いを隠せないリーディアちゃん。冷静に見ると確かに異様な光景だし、すぐに受け入れられないのは当然と言えよう。 「リーちゃん、今はそれでも良いと思うよ。私もシュウちゃんと出会った時にそうだったから。でもね、次の朝にはすっごく幸せな気持ちになってた。あぁ、夢じゃなかったんだ、嬉しいって思った。大丈夫、悲しい気持ちになんて絶対ならないし、させないから。リーちゃん、私の横に来て。そして、シュウちゃんに触れてみて」 「う、うん……」  アースリーちゃんの言う通りに、リーディアちゃんは少し怯えながらも彼女の左手側に移動して、寝転がった。シンシアはそれを見て、反対側に寝転がり、左肘をついて上半身を起こしながら、彼女達を見守った。  ゆうはリーディアちゃんの顔の前に出て、触れられるまで彼女をじっと見つめていた。彼女が右肘で上半身を起こしながら、おずおずと左手の人差し指を、アースリーちゃんの胸の辺りの俺達の体に伸ばした。 「あ、思ってたよりも柔らかい……質感も気持ち良いし……ちょっと温かい……」  最初は人差し指だけだったが、リーディアちゃんは手全体で俺達を撫でるようになった。  すると、ゆうが彼女の右頬を舐めた。 「ふふっ。よく見ると、かわいいかも」 「シュウちゃんは、痛いことは絶対にしないから安心して。それでね、リーちゃんはそのまま私のことを見てて。私とシュウちゃんが毎日してること、知っててほしい。こんな格好見せるの今日が初めてなんだよ」 「毎日……そ、それって……」  リーディアちゃんが息を呑んだ。  俺達は触手を一本増やし、適度な大きさにしてから、アースリーちゃんの体をいつものように舐め回した。すでに巻き付いている触手も、吸着率を変えながら前後に動かして、彼女の身体を刺激する。ゆうもキスを繰り返し、彼女の唾液を貪った。  この部屋は声を抑える必要がないほど広いので、アースリーちゃんの嬌声も大きい。 「はぁ……はぁ……シュウちゃん、気持ち良いよぉ……好きぃ……」  時間にして十分ほど、俺達はペースを上げないまま、ゆっくりとアースリーちゃんの体液を摂取していたが、リーディアちゃんはその間、目を一切離さず、口は半開きで、何度も息を呑んでいた。  その様子を見ていたゆうが、触手を増やし、リーディアちゃんの太腿に体を伸ばして触れる。 「あ……」  リーディアちゃんがピクッと反応するも、嫌がる様子は見受けられなかった。むしろ、ゆうを見つめ、これからどう動くのかを待っているようだった。  ゆうがそれに勘付くと、彼女の身体を上半身に向けてゆっくりと上って行き、胸の中心を通って、顔の正面まで来ると、徐々に彼女の唇に近づいていった。 「ん……」  ゆうはリーディアちゃんに軽くキスをすると、自然に開いた口の中に体を潜り込ませ、舌を絡めたり吸ったりして、彼女の心を虜にした。  俺はと言うと、アースリーちゃんと同様に、リーディアちゃんの両手を拘束してから身体に巻き付き、やはり同じように彼女を責め立てた。  俺達は、彼女の右胸とアースリーちゃんの左胸がくっつくぐらいに、彼女の体をアースリーちゃんにピッタリと寄せた。 「アーちゃん、私もアーちゃんと同じ気持ちを感じられるんだね……嬉しい……」 「リーちゃん、私も嬉しい……。催眠魔法なんてなければ、もっと近づきたいのに……」  二人はお互いの吐息がかかるぐらいに顔を近づけ、何かのキッカケさえあれば、激しいキスを延々としてしまうのではないかと思うほど、気持ちが昂ぶっているようだった。  キスをしてしまうと、催眠魔法によって、アースリーちゃんがリーディアちゃんの舌を噛んでしまう恐れがあるため、アースリーちゃんもリーディアちゃんも絶対にそれ以上踏み込まなかった。  その代わりに、リーディアちゃんが右脚をアースリーちゃんの左脚に絡ませると、それに応えるように、アースリーちゃんの左脚がさらにリーディアちゃんの右脚に絡む。その動きは、時にゆっくり、時に激しくなったりを繰り返していた。 「ゆう、リーディアちゃんをアースリーちゃんの上に向かい合わせになるように持っていこう。絶対に落とさないようにな。残った触手を全部使うか。いや、シンシアがもう我慢の限界だから一本は彼女に」 「おっけー。」  リーディアちゃんとアースリーちゃんの反応に合わせて、シンシアの口と鼻が細かく動いていて、このまま行くと、羨ましさのあまり、涎まで零れそうだったので、まずは急いで彼女に触手を充てがった。 「あっ! シュウ様、もしかして、私の限界を見極めて……恥ずかしながら、その通りです。二人に専念していただけるよう我慢していましたが……申し訳ありません」 「謝ることないよ。ありがとう、シンシア」  ゆうが全てを許すようにシンシアに優しくキスをすると、シンシアが俺達に抱き付いて、自分から体を擦り付けてきた。 「ありがたき幸せ!」  段々と動きが激しくなるシンシアをそのままにし、俺達の意識をリーディアちゃんに移し、彼女の体を浮かせた。 「え⁉ あ……こ、これってもしかして……」  リーディアちゃんは、最初は戸惑ったものの、俺達が彼女の体をアースリーちゃんと向かい合わせると、すぐに期待で胸がいっぱいになったようだ。彼女はアースリーちゃんをじっと見つめ、色っぽい表情をしていた。 「アーちゃんと、もっと気持ちを重ねられるんだ……。シュウちゃんってすごいんだね。本当に幸せな気持ちにさせてくれる」 「そうだよ。リーちゃんも、シュウちゃんのこと絶対好きになるよ。もうなってるかもしれないけどね。ふふふ」 「うん、なってる。リーちゃんとシンシア、二人の気持ちが分かった。こんなの、好きになるに決まってるよ。気持ち良さだけじゃない。私達のこと、ちゃんと考えてくれてる」  リーディアちゃんが俺達を完全に受け入れてくれて、俺はホッとした。  ルール作成時にも言った通り、俺の触手としての目標の一つ、『第三者に見られても気持ち悪がられないようにする、逆に羨ましく思えるようにする』を達成できたからだ。  と言っても、寝るところからの大まかな流れは、ゆうと俺が考えて演出し、細かい台詞や演技は、シンシアとアースリーちゃんのおかげでもあるから、純粋な達成ではないが。  そして、リーディアちゃんは、俺達とアースリーちゃんの関係に嫉妬することもなかった。大好きな友達が別の人と友達だったり、別の人を好きだったりすると、少なからずやきもちを焼くはずだが、この状況のおかげもあってか、すぐにはその気持ちに至らなかったのだろう。その前に、俺達をアースリーちゃんと同じぐらいと言わないまでも、大切な存在と思ってくれたので、今後もそこに至ることは決してないということだ。  また、これまでの女の子達は絶望の淵から救われた、つまりは気持ちをマイナスからプラスに持っていったギャップが大きかったので、俺達のことを好きになってくれたのかもしれないと思っていたが、今回は、シンシアとアースリーちゃんが最初からプラスにしてくれていたので、間違いなくそのギャップは小さかった。  それでも、リーディアちゃんは俺達のことを好きになってくれたから、余計に嬉しい。当然、俺達もリーディアちゃんのことが大好きになった。  俺達は、リーディアちゃんの想いに応えるべく、彼女の体をゆっくりとアースリーちゃんに向けて下ろしていった。 「アーちゃん…………」 「リーちゃん…………」 『あんっ!』  緊張した彼女達の両乳房の突起が重なると同時に、二人の声も重なった。そこがいち早く重なるように、ゆうと俺が二人を締め上げていたからだ。  彼女達はとろんとした表情で見つめ合い、息を荒くしていた。体重がそれほどかからない程度までリーディアちゃんを下ろすと、彼女達の体がほとんど密着した。  肌が触れ合い、お互いの体温を体で感じる心地良さが、二人の頭を巡っているようだ。  リーディアちゃんが、涎が垂れないように口を啜ると、アースリーちゃんが口を開け、そこに流し込んでくれと言わんばかりに、大きく舌を出した。その様子はまるでリーディアちゃんの衝動を煽っているようだった。 「もう……どうなっても……!」 「ゆう、リーディアちゃんを下げて、アースリーちゃんの腰と合わせるぞ!」 「おっけー!」  リーディアちゃんの理性が飛んで、アースリーちゃんに涎のプレゼントではなく、キスをしそうになった瞬間、俺達はリーディアちゃんを下に引っ張り、アースリーちゃんの尻を浮かせると、二人の局部を無理矢理重ねた。 『はぁんっ!』  またも二人の声が重なったが、そのボリュームは今までで一番大きかった。二人の暴走を阻止しつつ、その代替を用意したわけだが、それからの彼女達は腰を動かすのに夢中になっていた。 「アーちゃん……好き……好きぃ……アーちゃん……!」 「リーちゃん……リーちゃん……私も……好きぃ……!」  くちゅくちゅと音が部屋に響き、温泉のように湧き出てくる混合液を、ベッドに染み渡らせないように、俺は掬い上げる。もちろん、美味すぎてその時の記憶はない。  ただ、いつもと違って、むしゃぶりつくことはしなかった、と言うかできなかったと思う。俺が入る余地がなかったのだ。  俺は、二人の重なりを邪魔しないように、下になっていたアースリーちゃんを伝う二人分の体液を舐め取る他なかった。  これまで、複雑な味と評してきた『それ』は、二人分が混ざった途端、複雑を超えて理解不能なカオスとなった。絶対に一つ一つの味を確認できない、しかし美味い。いや、本当は美味いとも言いたくない。その無限倍、上の単語があれば教えてほしい。  エントロピーの増大と共に、自身の体も意識も霧散していくようだった。天国や楽園にいるなどと、決して表現できない。それはまだ想像上の実体があるからだ。『それ』を味わった俺は、霧散してどこにも存在できていないのだ。言わば、全てと一体化したと言っても過言ではない。こんなに心地良いことがあるだろうか、当然ない。 「アーちゃん! アーちゃん! アーちゃん!」 「リーちゃん! リーちゃん! リーちゃん!」  二人の心地良さもクライマックスを迎えそうだ。激しく体とベッドを揺らしながらも、彼女達の身体は離れない。俺達が絶妙な力加減でそうしているからだ。 「ゆう、最後どうするかは任せた。俺は二人の間に入れない」 「おっけー。じゃあ、お兄ちゃんはあたしに合わせて、キツめに二人の身体を絞めて」  そう言うと、ゆうは四本の触手を使って、二人の胸にしゃぶりつく。  そして、ゆうは息を荒げた彼女達の様子を見極めると、ジャストタイミングで、同時に二人の胸をキツく吸い上げた。そして、俺も合わせて身体を絞めた。 『はぁ……はぁ……はぁ…………んぅぅぅぅっっ!』  二人は声にならない声を上げると、力が抜け、重力に身を任せた。  リーディアちゃんは、アースリーちゃんの柔らかい胸の中で呼吸を整えようとしていて、その様子を愛おしく見つめるアースリーちゃんは、腕さえ拘束されていなければ、リーディアちゃんの頭を撫でていただろう。  横にいたシンシアも、彼女達にタイミングを合わせて果てていた。すまない、シンシア。単調な動きしかできなくて。このあとは、ちゃんと全員で楽しもう。 「しかし、これはもう完全に友人関係を超えてるな。百合とレズビアンをあえて区別すると、百合さえも超えてるよな? 体の関係になったらレズビアンというのが俺の認識なんだが」  俺はゆうに疑問を投げかけた。 「いや、それなら百合の範疇でしょ。アースリーちゃんの本命はあたし達だし、リーディアちゃんも友達としてのアースリーちゃんとあたし達を多分区別してる。  性的指向を伴うのがレズビアンだけど、二人は性的に女性が好きなんじゃなくて、リーディアちゃんやアースリーちゃん、シンシアだから好きなのであって、さらに言えば、あたし達を性の対象と見ているのなら、動物性愛、ズーフィリアが一番近いけど、結局あたし達以外の動物が性の対象じゃないから、ズーフィリアとも呼べない。  まあ、リーディアちゃんには許嫁がいるかもしれないから、あたし達との関係は今後どうなるか分からないけど。それはそれで、親友としての愛の百合、性の対象を限定しない恋愛としての百合も同時に成り立つから、そういう意味で百合の範疇。  体を重ねたのだって、親密さを深めるためだったり、愛情表現の一つとして、彼女達は認識してるはず。だから、体の関係でレズビアンかどうかっていうのは、それこそ関係ない。  ちなみに、最初から女の子好きで、何も知らない女の子に近づいて、心を弄びながら沼に堕とすのは百合偽装レズね。あたしが嫌いなタイプ。もちろん、今回のシンシアやアースリーちゃんには当てはまらない」  間違った俺の意見をあえてぶつけることで、ゆうの早口な語りを引き出せた。なぜそれほどまでに造詣が深いのかは、今は聞かないでおこう。 「なるほど、ありがとう。専門家の意見、大変参考になります」 「いや、専門家じゃないし……。うざ。」 「ん? 待てよ。嫌いなタイプってことは、ゆうは百合偽装レズじゃないってことか。俺はてっきり何も知らない二ノ宮さんに近づいて、あれやこれやして堕としたのかと」 「は? そんなわけないでしょ! 死ね!」  何をどう否定したのかよく分からなかったが、とりあえずこのぐらいにして、落ち着いた三人をもっと満足させるとしよう。



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「二人とも、そろそろ寝る時間だ。アースリーを縛るから、リーディアは別の方を向いてくれ」 「え? あ、はい」  シンシアの言葉に、なぜ別の方を向くのか不思議に思ったような反応のリーディアちゃんだったが、言われた通り、アースリーちゃんのいる方とは逆の方向を向いた。 「では、アースリー、着ている物を全部脱いでくれ」 「はい」 「え⁉ ちょ、ちょっと待って。なんで脱ぐ必要が?」  シンシアの言ったことに驚き、リーディアちゃんは慌てて、思わずアースリーちゃんの方を向いた。 「いつの間にか武器を隠し持っているかもしれないし、縛ったときに服が皺になるし、服があると縛りづらいからだ」  突拍子がないにもかかわらず、真面目で冷静な顔をしたシンシアの回答に、リーディアちゃんはまだ理解が追い付いていないようだった。武器の確認後にまた着ればいいし、服の皺などどうでもいいし、頑張って縛ればいいし、何だったら縛ってから着せればいいだけのことなのだが、彼女の心境とこの状況が冷静な考えと言語化を許さない。 「い、いや……でも……」 「どうしてもアースリーの裸が見たくないと言うのであれば、別の方法を考えなければいけないが……」 「リーちゃん、私の牛みたいなだらしない裸なんて見たくない?」  アースリーちゃんが、マナー講習で聞いた言葉を使って畳み掛けた。彼女の表情は、悲しさと妖艶さのどちらも兼ね備えていて、見つめた相手の答えを容易に一つに絞ることができるものだった。 「そんなことない! み、見た……い……けど……あぁ……私……どうにかなってしまいそう……」  リーディアちゃんは、自分が服を脱ぐわけでもないのに、顔を赤らめながら、頭を抱えて体をくねらせていた。 「それじゃあ、アースリーが恥ずかしくないように私も脱ごう。よかったらリーディアも脱いでくれ」 「は、はぁぁぁ⁉ 流石にその理屈はおかしいでしょう!」 「いや、アースリーだけ裸の方がおかしくないか? 傍から見たら、いじめみたいじゃないか。私達は友達なのだから、彼女が感じる恥ずかしさも共有したいと思わないか?」 「友達……。それは……そうです……けど……あぁ……裸同士で……一緒に……あぁ……!」  シンシアの滅茶苦茶な論理に添えられた『友達』の単語にそそのかされたリーディアちゃんは、またも頭を抱えて体をくねらせていた。リーディアちゃん、かわいいな。 「じゃあ脱ごうか。リーディアは、もう向こうを向いていてくれ」 「向こうを向いている間、私だけ実は脱いでないってこととか……」 「絶対にないから安心してくれ。全員が脱いだ物を私がそこに置くから、その時に私が脱いでいることを横目で確認できるはずだ」  シンシアがベッド横のリーディアちゃんがいる方の台を指して言った。アースリーちゃんが脱ぐかどうかから、リーディアちゃんが脱ぐかどうかに自分で論点を変えたことに気付いているだろうか。  彼女が別の方を向くと、シンシアとアースリーちゃんがするすると服を脱ぎ始めた。その衣擦れの音を聞いて、リーディアちゃんも不安げにゆっくりと脱ぎ始めた。  全員が脱ぎ終わると、シンシアが宣言通り、ベッドから下りて、その横の台に衣服を置いた。脱いだあとに下を向いていたリーディアちゃんは、ちらりとシンシアを見ると、また下を向き直した。  すると、アースリーちゃんがリーディアちゃんに背後から四つん這いで近づき、後ろから腕ごと抱き締めた。彼女達の身体は密着している。 「ア、ア、アーちゃん⁉ あ、あ、当たって……」 「リーちゃん、ちゃんと私も脱いでるから安心してね」  アースリーちゃんはそう言うと、あたふたしているリーディアちゃんを横目に、すぐにベッドの元の場所に戻っていった。リーディアちゃんは、期待と緊張が入り混じっているような落ち着きの無さで、まだソワソワしていた。 「アースリーちゃんが天然ジゴロに見えてきた……」 「俺もだ……」  ゆうと俺の意見が一致するのも当然だ。今のリーディアちゃんの様子を見ていると、アースリーちゃんの言うことを何でも聞きそうだ。それこそ、催眠魔法など使う必要はない。まさに天然催眠術だ。  俺達は、覚醒したアースリーちゃんがカウンセラーの才能に目覚めたと思っていたが、実はそうではなく、もしかすると、もっと広い、人の心を操る才能に目覚めたのではないかと思ってしまったほどだ。 「アースリー、最初は上半身を起こしたままで、もう少し奥に移動して……。よし、その辺でいいかな」  シンシアがアースリーちゃんの場所を指示すると、ベッド下にいた俺達は、体を起こして、アースリーちゃんの身体に巻き付いた。  ゆうが両腕を拘束して頭上に持ち上げ、俺が顔の横を通って、左胸から右胸を八の字に通り、また左胸に戻って下半身へ。前面から股間を通って、一度後ろに回り、右腰から前面に出て、右膝に巻き付いて腰まで広げて上げる。背中を通って左側に出たあとに、左膝も同様に上げて、アースリーちゃんの頭が枕に来るようにゆっくりと倒すと、M字開脚聖母の出来上がりだ。  俺はシンシアに完了の合図を送った。シンシアが頷くと、リーディアちゃんに声をかけた。 「リーディア、そのまま聞いてくれ。アースリーを縛り終わった。ただ、大切な友達の君だから話すが、彼女は特殊な方法で縛られている。驚いてもいいが、気持ち悪がらないで縛られた彼女を見てほしい。  それと、怖がる必要は全くない。この場にいる全員が君の味方だし、お互いを大切に想っている。無理に君を引き込もうとも思っていないが、理解してくれると嬉しい」 「ど、どうしたの、いきなりそんなこと言って……。でも、分かった。あなた達を信じてるから、ずっと友達だから大丈夫」 「ありがとう。では、振り返ってくれ」  シンシアの言葉に、リーディアちゃんはゆっくりと振り返った。 「……⁉ アーちゃん、なんて格好を……! って……な……何……これ……動いてる……蛇……? いえ、触手……なの?」 「触手だ。私はこの方をシュウ様、アースリーはシュウちゃんと呼んでいる。先程話したイリスとユキ、そして私達を絶望の淵から救ってくださったお方で、兄と妹の元人間二人が一つの触手体を共有している。このことは私達だけの秘密だ」 「そんなことが……でも、あなたが言うなら……いや、でもまだ…………あなた達を信じられないんじゃなくて、この状況が信じられなくて……。ありえないことが起こりすぎて、付いて行けていないと言うか……。もしかしたら、今日のあなた達との出会いも、全て私の夢なんじゃないかって思い始めて……」  目の前の光景とシンシアの説明に、戸惑いを隠せないリーディアちゃん。冷静に見ると確かに異様な光景だし、すぐに受け入れられないのは当然と言えよう。 「リーちゃん、今はそれでも良いと思うよ。私もシュウちゃんと出会った時にそうだったから。でもね、次の朝にはすっごく幸せな気持ちになってた。あぁ、夢じゃなかったんだ、嬉しいって思った。大丈夫、悲しい気持ちになんて絶対ならないし、させないから。リーちゃん、私の横に来て。そして、シュウちゃんに触れてみて」 「う、うん……」  アースリーちゃんの言う通りに、リーディアちゃんは少し怯えながらも彼女の左手側に移動して、寝転がった。シンシアはそれを見て、反対側に寝転がり、左肘をついて上半身を起こしながら、彼女達を見守った。  ゆうはリーディアちゃんの顔の前に出て、触れられるまで彼女をじっと見つめていた。彼女が右肘で上半身を起こしながら、おずおずと左手の人差し指を、アースリーちゃんの胸の辺りの俺達の体に伸ばした。 「あ、思ってたよりも柔らかい……質感も気持ち良いし……ちょっと温かい……」  最初は人差し指だけだったが、リーディアちゃんは手全体で俺達を撫でるようになった。  すると、ゆうが彼女の右頬を舐めた。 「ふふっ。よく見ると、かわいいかも」 「シュウちゃんは、痛いことは絶対にしないから安心して。それでね、リーちゃんはそのまま私のことを見てて。私とシュウちゃんが毎日してること、知っててほしい。こんな格好見せるの今日が初めてなんだよ」 「毎日……そ、それって……」  リーディアちゃんが息を呑んだ。  俺達は触手を一本増やし、適度な大きさにしてから、アースリーちゃんの体をいつものように舐め回した。すでに巻き付いている触手も、吸着率を変えながら前後に動かして、彼女の身体を刺激する。ゆうもキスを繰り返し、彼女の唾液を貪った。  この部屋は声を抑える必要がないほど広いので、アースリーちゃんの嬌声も大きい。 「はぁ……はぁ……シュウちゃん、気持ち良いよぉ……好きぃ……」  時間にして十分ほど、俺達はペースを上げないまま、ゆっくりとアースリーちゃんの体液を摂取していたが、リーディアちゃんはその間、目を一切離さず、口は半開きで、何度も息を呑んでいた。  その様子を見ていたゆうが、触手を増やし、リーディアちゃんの太腿に体を伸ばして触れる。 「あ……」  リーディアちゃんがピクッと反応するも、嫌がる様子は見受けられなかった。むしろ、ゆうを見つめ、これからどう動くのかを待っているようだった。  ゆうがそれに勘付くと、彼女の身体を上半身に向けてゆっくりと上って行き、胸の中心を通って、顔の正面まで来ると、徐々に彼女の唇に近づいていった。 「ん……」  ゆうはリーディアちゃんに軽くキスをすると、自然に開いた口の中に体を潜り込ませ、舌を絡めたり吸ったりして、彼女の心を虜にした。  俺はと言うと、アースリーちゃんと同様に、リーディアちゃんの両手を拘束してから身体に巻き付き、やはり同じように彼女を責め立てた。  俺達は、彼女の右胸とアースリーちゃんの左胸がくっつくぐらいに、彼女の体をアースリーちゃんにピッタリと寄せた。 「アーちゃん、私もアーちゃんと同じ気持ちを感じられるんだね……嬉しい……」 「リーちゃん、私も嬉しい……。催眠魔法なんてなければ、もっと近づきたいのに……」  二人はお互いの吐息がかかるぐらいに顔を近づけ、何かのキッカケさえあれば、激しいキスを延々としてしまうのではないかと思うほど、気持ちが昂ぶっているようだった。  キスをしてしまうと、催眠魔法によって、アースリーちゃんがリーディアちゃんの舌を噛んでしまう恐れがあるため、アースリーちゃんもリーディアちゃんも絶対にそれ以上踏み込まなかった。  その代わりに、リーディアちゃんが右脚をアースリーちゃんの左脚に絡ませると、それに応えるように、アースリーちゃんの左脚がさらにリーディアちゃんの右脚に絡む。その動きは、時にゆっくり、時に激しくなったりを繰り返していた。 「ゆう、リーディアちゃんをアースリーちゃんの上に向かい合わせになるように持っていこう。絶対に落とさないようにな。残った触手を全部使うか。いや、シンシアがもう我慢の限界だから一本は彼女に」 「おっけー。」  リーディアちゃんとアースリーちゃんの反応に合わせて、シンシアの口と鼻が細かく動いていて、このまま行くと、羨ましさのあまり、涎まで零れそうだったので、まずは急いで彼女に触手を充てがった。 「あっ! シュウ様、もしかして、私の限界を見極めて……恥ずかしながら、その通りです。二人に専念していただけるよう我慢していましたが……申し訳ありません」 「謝ることないよ。ありがとう、シンシア」  ゆうが全てを許すようにシンシアに優しくキスをすると、シンシアが俺達に抱き付いて、自分から体を擦り付けてきた。 「ありがたき幸せ!」  段々と動きが激しくなるシンシアをそのままにし、俺達の意識をリーディアちゃんに移し、彼女の体を浮かせた。 「え⁉ あ……こ、これってもしかして……」  リーディアちゃんは、最初は戸惑ったものの、俺達が彼女の体をアースリーちゃんと向かい合わせると、すぐに期待で胸がいっぱいになったようだ。彼女はアースリーちゃんをじっと見つめ、色っぽい表情をしていた。 「アーちゃんと、もっと気持ちを重ねられるんだ……。シュウちゃんってすごいんだね。本当に幸せな気持ちにさせてくれる」 「そうだよ。リーちゃんも、シュウちゃんのこと絶対好きになるよ。もうなってるかもしれないけどね。ふふふ」 「うん、なってる。リーちゃんとシンシア、二人の気持ちが分かった。こんなの、好きになるに決まってるよ。気持ち良さだけじゃない。私達のこと、ちゃんと考えてくれてる」  リーディアちゃんが俺達を完全に受け入れてくれて、俺はホッとした。  ルール作成時にも言った通り、俺の触手としての目標の一つ、『第三者に見られても気持ち悪がられないようにする、逆に羨ましく思えるようにする』を達成できたからだ。  と言っても、寝るところからの大まかな流れは、ゆうと俺が考えて演出し、細かい台詞や演技は、シンシアとアースリーちゃんのおかげでもあるから、純粋な達成ではないが。  そして、リーディアちゃんは、俺達とアースリーちゃんの関係に嫉妬することもなかった。大好きな友達が別の人と友達だったり、別の人を好きだったりすると、少なからずやきもちを焼くはずだが、この状況のおかげもあってか、すぐにはその気持ちに至らなかったのだろう。その前に、俺達をアースリーちゃんと同じぐらいと言わないまでも、大切な存在と思ってくれたので、今後もそこに至ることは決してないということだ。  また、これまでの女の子達は絶望の淵から救われた、つまりは気持ちをマイナスからプラスに持っていったギャップが大きかったので、俺達のことを好きになってくれたのかもしれないと思っていたが、今回は、シンシアとアースリーちゃんが最初からプラスにしてくれていたので、間違いなくそのギャップは小さかった。  それでも、リーディアちゃんは俺達のことを好きになってくれたから、余計に嬉しい。当然、俺達もリーディアちゃんのことが大好きになった。  俺達は、リーディアちゃんの想いに応えるべく、彼女の体をゆっくりとアースリーちゃんに向けて下ろしていった。 「アーちゃん…………」 「リーちゃん…………」 『あんっ!』  緊張した彼女達の両乳房の突起が重なると同時に、二人の声も重なった。そこがいち早く重なるように、ゆうと俺が二人を締め上げていたからだ。  彼女達はとろんとした表情で見つめ合い、息を荒くしていた。体重がそれほどかからない程度までリーディアちゃんを下ろすと、彼女達の体がほとんど密着した。  肌が触れ合い、お互いの体温を体で感じる心地良さが、二人の頭を巡っているようだ。  リーディアちゃんが、涎が垂れないように口を啜ると、アースリーちゃんが口を開け、そこに流し込んでくれと言わんばかりに、大きく舌を出した。その様子はまるでリーディアちゃんの衝動を煽っているようだった。 「もう……どうなっても……!」 「ゆう、リーディアちゃんを下げて、アースリーちゃんの腰と合わせるぞ!」 「おっけー!」  リーディアちゃんの理性が飛んで、アースリーちゃんに涎のプレゼントではなく、キスをしそうになった瞬間、俺達はリーディアちゃんを下に引っ張り、アースリーちゃんの尻を浮かせると、二人の局部を無理矢理重ねた。 『はぁんっ!』  またも二人の声が重なったが、そのボリュームは今までで一番大きかった。二人の暴走を阻止しつつ、その代替を用意したわけだが、それからの彼女達は腰を動かすのに夢中になっていた。 「アーちゃん……好き……好きぃ……アーちゃん……!」 「リーちゃん……リーちゃん……私も……好きぃ……!」  くちゅくちゅと音が部屋に響き、温泉のように湧き出てくる混合液を、ベッドに染み渡らせないように、俺は掬い上げる。もちろん、美味すぎてその時の記憶はない。  ただ、いつもと違って、むしゃぶりつくことはしなかった、と言うかできなかったと思う。俺が入る余地がなかったのだ。  俺は、二人の重なりを邪魔しないように、下になっていたアースリーちゃんを伝う二人分の体液を舐め取る他なかった。  これまで、複雑な味と評してきた『それ』は、二人分が混ざった途端、複雑を超えて理解不能なカオスとなった。絶対に一つ一つの味を確認できない、しかし美味い。いや、本当は美味いとも言いたくない。その無限倍、上の単語があれば教えてほしい。  エントロピーの増大と共に、自身の体も意識も霧散していくようだった。天国や楽園にいるなどと、決して表現できない。それはまだ想像上の実体があるからだ。『それ』を味わった俺は、霧散してどこにも存在できていないのだ。言わば、全てと一体化したと言っても過言ではない。こんなに心地良いことがあるだろうか、当然ない。 「アーちゃん! アーちゃん! アーちゃん!」 「リーちゃん! リーちゃん! リーちゃん!」  二人の心地良さもクライマックスを迎えそうだ。激しく体とベッドを揺らしながらも、彼女達の身体は離れない。俺達が絶妙な力加減でそうしているからだ。 「ゆう、最後どうするかは任せた。俺は二人の間に入れない」 「おっけー。じゃあ、お兄ちゃんはあたしに合わせて、キツめに二人の身体を絞めて」  そう言うと、ゆうは四本の触手を使って、二人の胸にしゃぶりつく。  そして、ゆうは息を荒げた彼女達の様子を見極めると、ジャストタイミングで、同時に二人の胸をキツく吸い上げた。そして、俺も合わせて身体を絞めた。 『はぁ……はぁ……はぁ…………んぅぅぅぅっっ!』  二人は声にならない声を上げると、力が抜け、重力に身を任せた。  リーディアちゃんは、アースリーちゃんの柔らかい胸の中で呼吸を整えようとしていて、その様子を愛おしく見つめるアースリーちゃんは、腕さえ拘束されていなければ、リーディアちゃんの頭を撫でていただろう。  横にいたシンシアも、彼女達にタイミングを合わせて果てていた。すまない、シンシア。単調な動きしかできなくて。このあとは、ちゃんと全員で楽しもう。 「しかし、これはもう完全に友人関係を超えてるな。百合とレズビアンをあえて区別すると、百合さえも超えてるよな? 体の関係になったらレズビアンというのが俺の認識なんだが」  俺はゆうに疑問を投げかけた。 「いや、それなら百合の範疇でしょ。アースリーちゃんの本命はあたし達だし、リーディアちゃんも友達としてのアースリーちゃんとあたし達を多分区別してる。  性的指向を伴うのがレズビアンだけど、二人は性的に女性が好きなんじゃなくて、リーディアちゃんやアースリーちゃん、シンシアだから好きなのであって、さらに言えば、あたし達を性の対象と見ているのなら、動物性愛、ズーフィリアが一番近いけど、結局あたし達以外の動物が性の対象じゃないから、ズーフィリアとも呼べない。  まあ、リーディアちゃんには許嫁がいるかもしれないから、あたし達との関係は今後どうなるか分からないけど。それはそれで、親友としての愛の百合、性の対象を限定しない恋愛としての百合も同時に成り立つから、そういう意味で百合の範疇。  体を重ねたのだって、親密さを深めるためだったり、愛情表現の一つとして、彼女達は認識してるはず。だから、体の関係でレズビアンかどうかっていうのは、それこそ関係ない。  ちなみに、最初から女の子好きで、何も知らない女の子に近づいて、心を弄びながら沼に堕とすのは百合偽装レズね。あたしが嫌いなタイプ。もちろん、今回のシンシアやアースリーちゃんには当てはまらない」  間違った俺の意見をあえてぶつけることで、ゆうの早口な語りを引き出せた。なぜそれほどまでに造詣が深いのかは、今は聞かないでおこう。 「なるほど、ありがとう。専門家の意見、大変参考になります」 「いや、専門家じゃないし……。うざ。」 「ん? 待てよ。嫌いなタイプってことは、ゆうは百合偽装レズじゃないってことか。俺はてっきり何も知らない二ノ宮さんに近づいて、あれやこれやして堕としたのかと」 「は? そんなわけないでしょ! 死ね!」  何をどう否定したのかよく分からなかったが、とりあえずこのぐらいにして、落ち着いた三人をもっと満足させるとしよう。



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